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原文標題：VWが出資した｢中國大手電池メーカー｣の正體
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現地ではリチウムイオン電池の爭奪戦が過熱中國本土鋰離子動力電池市場競爭異常激烈國軒の電池生産ライン。同社の2019年の車載電池出荷量はCATL、BYDに次ぐ中國第3位（寫真：國軒）
圖為國軒電池生產線。國軒高科2019年車載電池出貨量僅次於寧德時代和比亞迪，位居中國本土第3名（圖片：國軒高科）
ドイツのフォルクスワーゲン（VW）が5月28日、中國でリチウムイオン電池（LIB）3位の國軒高科（Guoxuan Hi-Tech、以下國軒）の発行株式26.47%を11億ユーロで取得した。
德國大眾5月28日以11億歐元認購了中國鋰離子動力電池出貨量第三把交椅的國軒高科（GuoxuanHi-Tech，以下簡稱國軒）26.47%的股份。
すでにノースボルト（Northvolt瑞典寧德時代）、LG化學等と提攜を結んだVWがなぜ中國電池メーカーに出資するのか、その狙いは中國で低価格かつ安全性と信頼性の高い電池を安定調達し、電気自動車（EV）のラインナップを増やすことだ。
大眾已經與Northvolt、LG化學締結合作夥伴關係，為何還要投資中國動力電池廠商呢？大眾此舉意在穩定低價、安全可靠的中國動力電池貨源供應，擴充電動汽車車型。
中國では乗用車メーカーにEVを中心とする新エネルギー車（NEV）生産が義務づけられており、各社がNEV生産を急ピッチで進める必要がある。なかでもLIBを安定調達することが、外資系自動車メーカーにとって吃緊の課題だ。
中國政府強制要求本土家用車廠商生產新能源車主打電動汽車，因此各家車企都在緊鑼密鼓地生產新能源車。外資車企當務之急是穩定鋰離子動力電池貨源。
現在、中國では技術力の高いLIBメーカーが限られている。「電池を制すればEVを制する」と言われるなか、今後中國LIB業界だけではなく、EV業界における熾烈な市場競爭も予測される。
目前中國擁有較強技術能力的動力電池廠商有限。業內有「掌握了動力電池技術就等於掌控了電動汽車市場」的說法。可以預見今後中國動力電池行業乃至整個電動汽車市場將迎來激烈的市場競爭。
中國でEV生産150萬臺を目指すVW大眾計劃在中國市場生產150萬輛電動汽車
VWは上海汽車、第一汽車の2社と提攜し、中國乗用車市場で不動の地位を築き上げた。2019年の中國販売臺數は約420萬臺（乗用車市場シェア19.5％）、合弁子會社の一汽VWと上汽VWは中國乗用車市場で1位、2位の実績を殘した。また、2017年にはVWは外資系企業初の3社目合弁企業であるJAC-VW（江淮汽車との合弁）を設立し、中國NEV市場での足固めを急いでいる。
大眾與上汽、一汽兩大中國本土車企合作奠定了自己在中國家用車市場不可撼動的地位。2019年大眾在中國市場售出420萬輛汽車（其中家用車市佔率為19.5%）。合資子公司一汽大眾和上汽大眾銷量分列中國家用車市場前兩位。此外，2017年大眾成立中國本土第三家合資公司江淮大眾（收購江淮汽車）。大眾成為首個在中國本土擁有三家合資車企的外資企業。大眾正在加快鞏固自己在中國新能源汽車市場的地位。
2020年には40億ユーロを投資し、上海VWと一汽VWで世界初のMEB（EV専用プラットフォーム）をベースにしたEV「ID.3」を生産する計畫だ。上記2社のEV生産能力は2021年に計60萬臺に上る見込み。また、VWは5月29日、安徽省政府から江淮汽車（JAC）の発行株式50％を10億ユーロで取得し、JAC-VWへの出資比率も75％に引き上げると発表した。
大眾計劃2020年投資40億歐元在上汽大眾和一汽大眾公司生產首款基於MEB平臺（電動汽車模塊化專用平臺）的電動汽車ID.3。預計上汽大眾與一汽大眾兩大車企2021年電動汽車年產能合計將達到60萬輛。另外，大眾於5月29日宣布以10億歐元從安徽省政府認購江淮汽車50%的股份，對江淮大眾的持股比例也提高到了75%。
VWは2025年までに、年間EV生産150萬臺の目標を掲げている。2025年に新車販売に佔めるNEV比率が25％ （中國政府の計畫）で計算すれば、そのときの中國NEV市場規模は約700萬臺に達する。すなわちVWは中國NEV市場で20％のシェアを握ろうとしているのだ。今後のLIB需要を勘案すれば、VWは中國で必要なLIBを複數メーカーから調達する必要があると思われる。
大眾提出2025年以前實現電動汽車年產150萬輛的目標。按照中國政府的計劃如果2025年新能源車銷量佔新車銷量的25%，屆時中國新能源車市場規模將達700萬輛左右。換句話說大眾將佔有20%的中國新能源車市場。大眾認為考慮到今後鋰離子動力電池的需求必須從多家動力電池廠商採購。
VWは2019年、JAC₋VW合肥工場でMEBを利用しない新ブランドEV「SOL」を生産しはじめた。VWの廉価版EVである「SOL」は、天津力神の円筒型三元系LIBを採用し（航続距離402㎞）、小売価格は約200萬円である。
2019年大眾開始在江淮汽車合肥工廠生產新品牌電動汽車——思皓。該車型製造過程未使用大眾的MEB平臺。思皓是大眾出品的廉價版電動汽車。該車採用天津力神生產的圓柱形三元鋰離子動力電池（續航裡程402公裡），零售價格200萬日元左右。
VWが中國で生産予定のEV「ID.3」（筆者友人提供）
圖為大眾預計在中國生產的電動車ID.3（筆者朋友提供）
一方、VWが2019年に発表したMEBを採用した第1弾モデルEV「ID.3」には、NCM622やNCM811など三元系LIBが段階的に搭載される予定だ。電池パックの開発はVWが主導し、電池セルはLG化學、SKI、CATLから調達する。
另一方面，大眾計劃在2019年公布的第1款未使用MEB平臺的電動車型ID.3上分階段搭載NCM622、NCM811等三元鋰離子動力電池。電池包研發由大眾主導，電芯從LG化學、SK創新、寧德時代採購。
2020年10月には中國で生産予定の同モデル（航続距離550㎞以上）はテスラのモデル3の競合車種となり、販売価格は300萬円を切る可能性がある。そうなると、EV「ID.3」とすみ分けするため、JAC-VWの「SOL」にはさらにコストダウンが求められ、低コスト電池の採用が現実的な選択肢となるであろう。
大眾預計在2020年10月生產的同一車型（續航裡程超過550公裡）將成為特斯拉Model 3的競爭對手，其售價可能低於300萬日元。為與ID.3電動車進行區分，大眾選擇進一步降低江淮大眾思皓的成本，採用低價電池更為現實。
ニッケル、マンガン、コバルトを正極材料として構成される三元系LIBは、性能のバランスがよく、かつ大容量による長い航続距離を実現できるものの、外部からの衝撃による短絡電流が電池の破裂・発火に至る場合がある。
用鎳、錳、鈷等作為正極材料的三元鋰離子動力電池具有優異的平衡性，其大容量提升了續航裡程，但缺點是有時會因外部衝擊產生短路電流，嚴重地會導致電池破裂起火。
一方、正極材料にリン酸鉄リチウムを使用するリン酸鉄リチウム電池（LFP） は、サイクル壽命が長く、熱安定性や安全性に優れており、エネルギー容量で三元系LIBの約8割にとどまるが、コストでは三元系LIBの4割にすぎない。ここでVWの視野に入ったのが、長年JACに電池を供給し、JAC₋VW工場に近隣するLFP大手の國軒だった。
而用磷酸鐵鋰作為正極材料的磷酸鐵鋰動力電池（LFP）循環壽命長，熱穩定性、安全性良好，容量是三元鋰離子動力電池的80%左右，而其成本僅為三元鋰離子動力電池的40%。
車載電池出荷量では中國3位國軒車載動力電池出貨量排行中國第三
2019年の車載電池出荷量では國軒がCATL、BYDに次ぐ中國第3位、世界第7位であった。
國軒2019年車載動力電池出貨量僅次於寧德時代和比亞迪，位列第三。全球排名第7。
創業者の李縝は1990年代末から合肥市政府傘下の都市開発企業のトップを務め、市內のインフラ整備を請け負っていた。2004年に設置した太陽光道路照明燈が電池の耐久性問題によりわずか半年で全部故障した。これを契機に、李は地場企業の蓄電技術の遅れを痛感し、市民に良い製品を供給することを決意した。
李縝自上世紀90年代末下海經商，擔任合肥市政府下屬城市開發企業的高層領導，承包市內基礎設施建設。
2004年合肥市內安裝的太陽能路燈僅半年就因電池壽命問題全部發生故障。這次事件讓李縝深感合肥當地企業蓄電池技術的落後。於是，他下定決心要為市民提供優質的電池產品。
その後、中國科學技術大學が開発したLFP電池技術を活用し、2006年に國軒を設立。角型とラミネート型LFP電池を中心に生産體制を整え、2017年には三元系LIB （NCM622）の生産を開始した。
此後，2006年李縝充分利用中國科學技術大學研發的鋰電池技術並創建了國軒。他還完善了方形電池和軟包電池的生產體系，並於2017年開始生產三元鋰離子動力電池（NCM622）。
2008年に立ち上げた電池研究院には研究員2000人が在籍し、アメリカ・シリコンバレーやクリーブランド、獨ボーフム、日本のつくばなど國內外7拠點で電池の研究開発が行われている。
國軒2008年設立的電池研究院在冊研究人員有2000人。國軒的電池技術研究人員遍及美國矽谷、克利夫蘭、德國波鴻、日本筑波等國內外7個研究基地。
現在、同社はLFP電池セル単體の密度を2017年の150Wh/kgから現在の200Wh/kgに引き上げ、航続距離400㎞超を実現した。2019年に吉利商用車（吉利汽車子會社）の電池調達総量の5割に相當する受注を獲得し、2020年中にはドイツのボッシュに電池モジュール、電池パックを供給する予定。インドでは、タタ・モータズと合弁工場を設立し、現地自動車メーカーへの電池供給を図ろうとしている。
目前，國軒將磷酸鐵鋰動力電池的能量密度從17年的150Wh/kg提高到了現在的200Wh/kg，理論續航裡程超過400公裡。2019年國軒包攬了吉利商用車（吉利汽車子公司）動力電池採購量5成的訂單。國軒預計2020年內向德國博世供應電池模組及電池包。國軒還與印度塔塔汽車組建動力電池合資工廠，意在向印度本土汽車廠商供應動力電池。
また、販路拡大とともに、生産能力の増強を進めている。2019年にEVパワートレインコントロールシステム工場（年産能力20萬臺）を建設し、唐山市電池工場の生産能力を既存の3GWhから10GWhへ引き上げたほか、柳州市には年産能力10ギガワット時電池の新工場を建設している。LIB生産能力は2020年に30GWh、2022年には50GWhに達する見通しだ。
此外，國軒在拓展銷售渠道的同時也在加快提升產能。2019年國軒的電動汽車動力汽車總成控制系統工廠（年產能20萬套）開工建設。唐山動力電池工廠產能從現有的3GWh提高到了10GWh。此外，國軒還在柳州市興建了一家年產能10吉瓦時的動力電池工廠。預計2020年國軒的鋰電池產能將達到30GWh，2022年將達到50GWh。
國軒の本社（寫真：國軒）
圖為國軒總部（圖片：國軒）
さらに、國軒は価格競爭力を維持するため、川上の部材生産にも取り組んでいる。ニッケルとコバルト鉱山の所有権を持つ中國冶金科工集団と合弁會社を設立し、2017年から年産4萬トンの正極材前駆體を生産開始した。また、地場セパレーター大手の星源材質科技と合弁で正極材を生産し、LFP向け2萬7000トン、LIB向け6000トンの生産能力を構築している。
此外，國軒還專攻上遊零部件生產以保持價格競爭力。國軒還與擁有鎳鈷礦開採權的中國冶金科工集團組建合資公司，計劃從2017年起開始生產正極材料前驅體，預計年產能達4萬噸。此外，國軒還與中國本土動力電池隔膜巨頭星源材質科技組建合資公司，共同生產正極材料並構築兩條生產線，一條滿足27000噸磷酸鐵鋰動力電池的產能，另一條滿足6000噸鋰離子動力電池的產能。
國軒の李縝會長は「VWとの提攜は弊社にとって大きなチャンスでもあり、大きなチャレンジでもある」と語った。中國LIB業界に差し迫る危機を感じる李氏が自社発展に大きな決意を下したと言えよう。
國軒董事長李縝表示：「與大眾的合作對國軒來說既是一次巨大機遇，又是一次重大挑戰。」李董事長感到中國鋰離子動力電池行業正面臨危機，可以說他對公司今後的發展抱有很大的決心。
車載電池の爭奪戦車載動力電池爭奪戰
2020年1～4月の中國LIB市場シェアを見ると、1位のCATLと2位のBYDの合算シェアは67％となり、市場の寡佔化が進んでいることがわかる。新型コロナウイルスの影響で中國のNEVおよびLIB需要が大きく減少した。このまま行くと、経営狀況が悪化した中堅・中小電池メーカーが大手電池メーカーや自動車メーカーなどに吸収される以外に生き殘る道はない。
據2020年1~4月份中國鋰離子動力電池市佔率數據顯示，位居第1的寧德時代與第2的比亞迪市佔率總計達67%。市場壟斷正逐步形成。受新冠疫情影響，中國新能源車及鋰離子動力電池需求大幅減少。照此趨勢，經營狀況惡化的中堅電池廠商及中小電池廠商只剩下被大型電池廠商、汽車廠商併購這一條路。
一方で、外資系メーカーがCATLやBYDとの資本提攜をしにくい中、業界3番手以下の電池メーカーは次第に注目されるようになっている。ドイツのダイムラーは、中國7位のLIBメーカー、ファラシス・エナジー（孚能科技）が予定する新規株式公開に投資すると報道された。
而外資企業見難與寧德時代、比亞迪進行資本合作，轉而關注中國電池業三甲外的電池廠商。據報導德國戴姆勒公司將認購即將上市的孚能科技的股份。孚能科技在中國本土鋰離子動力電池廠商中排行第7。
2019年にはホンダとトヨタがそれぞれCATLと協業し、今年はトヨタがBYDと合弁企業を立ち上げた。またCATLから総額73億ユーロの電池調達を発表したドイツのBMWが、初のスポーツ多目的車（SUV）EV「iX3」を中國で生産し（年産能力4萬臺）、2021年には、EVセダン「i4」の中國生産を計畫している。アメリカのEVメーカー・テスラは上海の「ギガファクトリー3」で第2工場の建設を行っており、CATLと電池供給も合意した。
2019年本田與豐田分別與寧德時代達成戰略合作協議。今年豐田還與比亞迪組建了合資公司。德國寶馬宣布從寧德時代採購總額73億歐元的動力電池。寶馬計劃在中國生產首款運動型多功能電動汽車（SUV）「iX3」（年產能4萬輛）。2021年寶馬計劃生產電動汽車「i4」。美國電動汽車廠商特斯拉在上海的第二家「千兆工廠」已開工建設。特斯拉還與寧德時代達成了電池供應協議。
外資系自動車メーカーの中國LIBメーカー頼りの姿勢が鮮明となり、今後、LIBを巡る各社の爭奪戦が繰り広げられそうだ。
外資汽車廠商對中國鋰離子動力電池廠商的依賴愈加明顯。今後，各大車企將對各大鋰離子動力電池廠商展開激烈的爭奪戰。
校對人員點評和建議：
本篇相對簡單，歡迎讀者提出寶貴意見。
譯者簡介
胡先生
接受過北京翰譯欣翻譯有限公司的筆譯職業培訓。上海微翻翻譯有限公司的計算機輔助翻譯課程培訓。基本掌握Trados、MemoQ、Wordfast等翻譯軟體的使用。熟練掌握office排版功能。日語N1水平，擅長日譯中。主動學習背景知識能力強。
-THE END-
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