高山羽根子『首裡の馬』
高山羽根子《首裡的馬》
第163屆芥川賞獲獎作品
主人公、未名子は沖縄に暮らす女性です。未名子は「孤獨な業務従事者への定期的な通信による精神的ケアと知性の共有」を目的として、オンライン通話で遠く世界の果ての孤獨な人とつながる仕事をしていました。また沖縄史を記録保存する郷土資料館の手伝いも行っています。これは未名子が中學生の頃から続けているものです。この資料館は順(より)さんが作ったものです。順さんは民俗學の研究者で、全國を回っていましたが、歳を取り、人生の最終の場所として沖縄を選び、移り住みました。ある日、未名子の家の庭に宮古馬が迷い込んできます。宮古馬(ナークー)は宮古島で飼育されてきた馬の種類で、沖縄県の天然記念物です。未名子はその馬に「ヒコーキ」という名前をつけました。馬との出會いから未名子の環境や心境は少しずつ変化していきした…
主人公未名子居住在衝繩島。她從事著一份特殊的工作,定期通過在線視頻與世界盡頭孤獨的技術工作者進行溝通聯繫,以此「幫助他們維持良好的精神狀態,並分享生活智慧」。同時,未名子還在記錄保存著衝繩史料的鄉土史料館做志願者。這是她從中學時代就一直堅持的工作。順女士是鄉土史料館的創建者。身為民俗研究者的順女士,一生足跡遍布全日本。隨著年歲漸長,她將衝繩島作為人生的最後一站,移居於此。某日,一匹宮古馬誤入未名子家的庭院內。宮古馬是宮古島飼育的土馬,被視為衝繩縣的稀有動物。未名子為此馬取名為「ヒコーキ」。宮古馬的出現使未名子的生活逐漸發生了改變…
遠野遙『破局』
遠野遙《破局》
第163屆芥川賞獲獎作品
主人公は大學4年生の陽介。彼は公務員になるために一流大學で勉強しながら、母校の高校でラグビーのコーチをしています。「麻衣子」という彼女もいて、絵にかいた完璧なキャンパスライフを送っていましたが、彼女との心の繋がりは徐々に薄くなっていました。そんなある日、陽介は親友のお笑いライブで同じ大學の1年生、燈(あかり)と知り合います。燈は積極的に好意を示し、その清純さに彼は魅かれていきます。「社會からの目を気にしながらも、自分の欲求に正直な主人公が最後にとった大膽な行動とは?」
主人公陽介是一名大四在校生。目標是考上公務員的陽介在一流大學裡刻苦學習的同時還在高中母校兼任橄欖球隊教練。與女朋友『麻衣子』在旁人看來是一對完美的校園情侶,但其實陽介與麻衣子之間已經漸行漸遠。某日,陽介在朋友的喜劇表演會上結識了同校的大一學妹·燈。燈積極地主動向陽介示好,陽介也被對方的清純可愛所吸引。「即使對周遭的目光有所顧慮,但始終直視自己內心訴求的主人公,最終做出令人意想不到的行動是?」
石原燃『赤い砂を蹴る』
石原燃《踢赤砂》
第163屆芥川賞候選作品
赤い砂を蹴るは、主人公の千夏がブラジルのサンパウロにあるミランドポリス行きのバスに揺られているシーンから始まります。
小說開篇,主人公千夏乘著巴士從巴西聖保羅前往巴西米蘭多波利斯。
ブラジルという異國の地の旅に同行しているのは、千夏の母の友達、芽衣子です。なぜ二人はブラジルを訪れたのか?さかのぼること2年前、母子家庭で育った千夏は、苦楽を共に過ごした母恭子を肺がんで亡くします。恭子は、畫家でした。ある日アトリエで転び、骨折してしまった恭子の手伝いにと紹介されてやってきた芽衣子といつしか仲良くなり、芽衣子の故郷であるブラジルに二人で行くのが夢だったのです。夢かなわずしてこの世を去ってしまった恭子の代わりに、芽衣子に連れられてブラジルを訪れた千夏。2人がブラジルを訪れた目的はそれぞれ違いますが、お互いに影響し合い、旅をきっかけに親子や夫婦という「家族」のあり方に向き合う様子をえがく物語。
與她一同在異國巴西旅行的是母親的好友芽衣子。二人為何同遊巴西?這就要從2年前談起,千夏出身於單親家庭,與她相依為命的母親恭子不幸身患肺癌去世。恭子本人是一位畫家。某日,恭子不慎在畫室摔倒受傷骨折,請來的陪護便是芽衣子。接下來的日子裡二人漸漸交心成為朋友,相約以後一同飛往芽衣子的故鄉巴西遊玩。千夏為了卻恭子的心願,決定代替母親陪芽衣子前往巴西。儘管千夏與芽衣子到訪巴西的目的大不相同,但本書所講述的正是二人相互影響,在旅途中重新感悟「家人」的定義,究竟何為親子、夫婦的故事。
岡本學『アウア・エイジ(Our Age)』
岡本學《Our Age》
第163屆芥川賞候選作品
20年前の「私」は、手持ち無沙汰な大學生活の隙間を埋めるために映畫館で映寫技師のアルバイトを選び、淡々と仕事をこなしていた寡黙な大學生でした。映畫を立って見る女。席は空いているというのに絶対に座らず、4時間ぶっとおしで2本立ての映畫を観て帰っていくのでした。そんな不思議な女はやがて映畫館のアルバイトとして採用されます。「私」は女をミスミと呼びますが、本名は全く別の名前でした。「私」はミスミとの絶妙な距離感を保っていたのでした。ミスミが唯一よく話すのが、自身のお母さんとの思い出。ミスミが映畫館に來たのは、昔お母さんと一緒に行ったことのある「塔」を探していたからで、ミスミが母の形見のように持っていた寫真には塔が映っており、「our age」という文字が書かれていました。「私」はミスミと共に「塔」を探しに出かけますが手がかりはつかめず、結局見つからないままミスミとは疎遠になってしまいます。20年後の「私」は、あのときの寫真を偶然見つけたことで引き寄せられるように昔の思い出が蘇り、あのときの謎を解き明かしたい衝動にかられ、行動に移すのです・・。
20年前「我」還是一名性格內向的大學生,生活過於枯燥乏味便在影院裡做兼職當放映師。影院有位常客,她總是站著看電影,即使有空座位也不坐下,每次都是連續4個小時看完兩部電影再離開。這個奇怪的女顧客不久後便也來電影院打工。「我」稱呼她「ミスミ」,不過這並不是她的本名。我倆一直以來保持著微妙的距離感。「ミスミ」唯獨會常常提起的是她和母親的回憶。她來影院的目的就是想找尋曾經和母親一起去過的「塔」。她有一張塔的照片,應該是她母親遺物,上面寫著「our age」。「我」便與她一起尋找那座「塔」,但是找尋無果,我們也漸漸疏離了。20年後「我」無意間再次看到了那張照片,回憶紛至沓來決定重新探尋曾經那個秘密..。
三木三奈『アキちゃん』
三木三奈《小秋》
第163屆芥川賞候選作品
小學生のころ、主人公「わたし」には「アキちゃん」と呼ばれる大嫌いな友達がいた。「アキちゃん」は、ほかの女の子の前ではどこか媚びへつらうような態度を取るけれど、「わたし」に対しては暴言を吐いたりつねったりするような二面性を持っていました。「わたし」は「アキちゃん」の橫暴なふるまいに憎しみをたぎらせながらも、「やめて」と言うくらいの反抗しかできません。「わたし」が反抗しないことをいいことに、「アキちゃん」のふるまいは橫暴さを増してゆきます。「わたし」は憎しみに耐え切れず、クラスメイトに「アキちゃん」に呪いをかける方法を聞きに行きます。やがて「わたし」は転校することになり、「アキちゃん」との悪縁は切れます。およそ十年後、大學生になってから「アキちゃん」のその後のてんまつを少しだけ知ることになる「わたし」は、なんともふくざつな思いを抱くのです。
「我」小學的時候,很反感被大家稱為「小秋」的朋友。他是個兩面派,對其他女生總是一副討好的態度,唯獨對「我」惡語相加更甚時會動手擰拽。「我」對「小秋」的蠻橫厭煩到了極點,但也只能嘴上說著「別這樣」來反抗。「我」的懦弱讓「小秋」對「我」更加肆無忌憚。忍無可忍的「我」向同班同學打聽可以詛咒「小秋」的方法。終於我倆的孽緣以「我」轉學而宣告結束。十年後已經是大學生的「我」聽到了些許「小秋」的消息,內心起了波瀾。