天津のバーの草分け、スター・バー。オリンピックビルにある小さなバーだが、ここで多くの日本人が夜な夜な酒を酌み交わし、語り合ってきた歴史の重みがそこはかとなく漂う。現バーテンダーの李さんはリッツカールトンのバー、フレアーのバーテンダーを務め、この道15年のキャリアを誇る。オリジナルカクテルの創作と、客の好みやその日の気分に合わせたカクテルをつくることが得意だ。
ロックアイスも本格的。透明度の高い氷をアイスボールやアイスキューブにしていく。純度が高く、溶けにくいから、ウィスキーやバーボンがより美味しく感じられる。オンザロックは氷の質で味わいが隨分と変わるものだ。この店ならウィスキーを舐めながら、しっとりとした大人の時間が過ごせることだろう。
最近李さんが創作したカクテルの自信作は、スモークウィスキーサワー(煙燻威士忌酸)。オーク樽のチップを燻した分子ガストロノミーでロックアイスをスモークし、香ばしいオークの風味をつける。レモン汁とシロップを加えたウィスキーをシェークし、このスモークドアイスに注ぐ。さらにもう一度、スモーク。爽やかで甘酸っぱい後味が長い間、尾を引くのが特徴だ。
9月中は「JINを見た」で、同カクテルとシングルモルトウイスキー「ラガヴーリン16年」のオンザロックをそれぞれ75元/1杯でご提供。秋の夜長、スター・バーでじっくりと美酒に浸ってみては。