「改革開放」とは中國で1978年から開始された経済政策である。2018年は改革開放政策実施開始40周年にあたる。そこで東方ネットでは「改革開放40周年40人」と題したシリーズ報道を行う。シリーズ報道は経済、貿易、文化、教育、民間交流、科學革新などの各分野において中國改革開放の足跡を目撃した代表的な外國人40人を取材する。彼らの物語を通じて大きな時代の流れを描き出し、中國と上海が歩んできた40年間の発展と智慧を垣間見ようとする。
レオナルド・プラット(Leonard Pratt)はアメリカのジャーナリストだ。30年前に中國へ赴任して來て、ちょうど扉を開放し始めた中國で起きている様々な衝撃な変化を目の當たりにし、改革開放中の中國の様子をカメラで記録することを決めた。そして30年後の今、彼はインタビューに訪れた我々のカメラに向かい、目に涙を浮かべながら思い出を語ってくれた。
現在、レオナルドは上海外國語チャンネル(ICS)新聞部の高級コンサルタントを務めている。中國語名は白倫。マスコミ界のベテランジャーナリストである彼は、非常に謙虛な人物だ。今回、東方ネットの報道企畫「改革開放40周年40人」に選ばれたことに対しても、上海市政府から「白玉蘭栄譽賞」を受賞したことに対しても、「私は専門家ではない。それはチーム全體の成果だ」と答える。
仕事中のレオナルド・プラット
レオナルドは中國文化に興味を持ち、ミシガン大學と臺灣で中國語を勉強したことがある。1981年、當時彼は香港に住んで、アメリカ全國放送會社(NBC)香港事務所のディレクターを務めていた。香港の近くにある広州や、中國の首都である北京、そして有名な大都市である上海などをしばしば訪れた。
そこで彼は改革開放を実施し始めたばかりの中國社會を體験することになる。彼に「當時の中國社會と現在の中國社會を比べてみるとどう思うか」と我々が尋ねると、彼は「まったく異なる社會だ」と答えた。
彼にとって80年代初期の中國社會で一番印象的だったのは、服裝と食べ物だ。「當時みんな服裝をちゃんと整えてはいるが、とても綺麗とは言えないものだった。レストランにはあるのはほとんどが定番料理で、種類が少なく、今とは非常に異なっていた」。
ジャーナリストとしてのレオナルドは、改革開放が中國にもたらした変化を非常に敏感に受け止めた。そこで彼は、その変化をありのままにカメラで記録することを決めた。
1987年、レオナルドはアメリカ全國放送會社本社を説得して特別なプログラムチームを編成し、中國大陸へ取材に來た。その成果として、彼らは中國中央電視臺(CCTV)、上海テレビと共に、長さ12時間半の生中継『変化中の中國』をプロデュースした。これは海外の主流メディアが中國を現地取材して、改革開放中の様子を報道した初めての番組となった。
レオナルド・プラットが書いた中國の改革開放への希望
中國社會に深く入り込んで撮影することで、レオナルドは中國人の生活をより深く理解することができた。「私はかつてインタビューしたある男のことが忘れられない。彼の家を訪れたら、家の真ん中に木があったんだ。それでその家は実際には1本の木を中心に建てられたバラックのような粗末な家屋だということが分かった。當時、內陸部の都市の生活水準は非常に低かった。だが、現在の中國を見ると、成都のような內陸部の都市でも高いビルや明るい照明がある。中國のように変化の激しい國は他にはないと思う」。
『変化中の中國』をプロデュースした目的について彼は、「そのとき世界にドアを開けたばかりの中國に対して、不思議だと感じている人が多かった。だから、私は中國で起こった素晴らしい変化や中國の歴史、さらに中國の未來を人々に紹介したかったのだ」と語った。
2011年から、レオナルドは上海外國語チャンネルの高級コンサルタントを務めている。彼はこの仕事が大好きだ。自分と同様にマスコミの仕事を愛している中國人の同僚と一緒に、外國人に向けて中國のイメージを客観的で全面的に伝えようと努力するのは非常に楽しい、と考えている。
中國文化を愛するレオナルドは、清朝の文學作品『浮生六記(浮生夢のごとし)』を英語に翻訳したことがある。この作品は清朝のごく普通の人々の生活を描いたエッセイ集だ。レオナルド訳の版本は1983年に英國のペンギンブックスより出版され、アメリカとイギリスの多くの大學で中國古典作品の読書案內に選ばれたという。
彼はインタビューの最後に、「この本に描かれている古代中國人と比べて、現在の中國人の生活は豊かになったが、変わっていない點もある。例えば、家族への愛と獻身だ」と語った。