前陣子,北野武在綜藝節目中向東京電視臺臺長朗讀感謝狀的片段火了。
別家播出海灣戰爭新聞,你家放動畫片。別家煙花大會直播因暴雨中斷,你家果斷播出去年影像,獲得高收視率甚至突破去年。不管外界如何變化,做自己的姿態值得起立鼓掌。
東京電視臺的傳說就是如此深入人心。
2018最新段子 一邊是黨首選舉一邊是《瘋狂的麥克斯》
9月20日、自民黨総裁選の投開票が行われた。事実上、日本の次の內閣総理大臣が決まる瞬間である。NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビは、投開票が始まった午後1時以降、當然のごとくその様子を生中継で伝えた。
9月20日,自民黨黨首選舉進行了開票。事實上,這也是決定日本下一屆內閣總理大臣的瞬間。NHK、日本電視臺、朝日電視臺、TBS、富士電視臺,從投票開始的下午1點就對現場進行了直播。
一方、その時間にテレビ東京が放送したのは、映畫『マッドマックス2』だった。『マッドマックス2』は1981年に公開されたオーストラリアの映畫だ。主演はメル・ギブソン。大國同士による戦爭の後、枯渇した石油の略奪を繰り広げる暴走族たちと元警官であるマックスの戦いを描いたバイオレンスアクションである。
而東京電視臺在那個時段播出的卻是電影《瘋狂的麥克斯2》。《瘋狂的麥克斯2》是1981年上映的澳大利亞電影。主演梅爾·吉普森。該片講述大國戰爭之後,為掠奪已枯竭的石油資源在暴走族與前警官麥克斯之間展開的戰鬥。
つまり、その時間に6臺のテレビを並べ、各チャンネルに合わせていれば、奇妙な光景が見られたはずだ(関東地區のみ)。6臺中5臺の畫面に映し出されたのは、自民黨本部の會場で戦況を見つめる安倍総理と石破元幹事長の顔。一方、1臺だけ、7チャンネルに映し出されたのは、荒廃した砂漠の世界で暴れまわるモヒカン頭の暴走族の顔である。
也就是說,如果在那個時間段將6個電視臺的畫面排列在一起都打開,會看到奇妙的景象(只有關東地區)。6家電視臺中五個畫面出現的是在自民黨本部的會場上注視著戰況的安倍總理和石破元幹事長的臉。而只有7臺的畫面出現的是在荒廢的沙漠世界中暴亂、梳著莫希幹頭的暴走族的臉。
當日の朝刊のテレビ欄はさらにシュールだ。「自民黨総裁選▽決定の瞬間を生中継」(NHK)「6年ぶり因縁対決!安倍VS石破」(日テレ)などの文字が並ぶ中、テレ東はこうだ。「ド迫力の大ヒット作/世界崩壊!壯絶バトル」……。
當天晨報的電視節目欄更是不可思議。在一片「現場直播自民黨黨首選舉▽決定的瞬間」(NHK)「時隔6年的宿命對決!安倍VS石破」(日本電視臺)的文字中,東京電視臺這樣寫到「極具震撼力的熱門作/世界崩壞!壯烈戰鬥」……
この様子はさっそくSNSなどで話題となった。概ね、こんなコメントである。
如此另類的東京電視臺馬上就成為SNS上的熱門話題。評論的畫風大致如下:
「さすが安定のテレ東」。
「不愧是不變(始終做自己)的東京電視臺」
「さすが」というから一見褒めているように見えるが、內心は揶揄しているのがよく伝わって來るコメントだ。
「不愧是」這個詞初看會讓人覺得是在褒獎,但其實充滿了揶揄的感覺。
ちなみに、再選が決まった安倍総理が壇上で演説を始めた時、『マッドマックス2』では暴走族の首領も演説を始めたからだという。
另外,再次當選的安倍總理上臺開始演講時,《瘋狂的麥克斯2》中的暴走族首領也開始了演講。
「きっとテレ東はこのために『マッドマックス2』を放送したのだ」
「東京電視臺一定是因此才播放《瘋狂的麥克斯2》的」
戦爭、荒廃した砂漠、暴走族を率いる首領とその軍団と戦う男……確かに意味深である。日本の政治狀況や総裁選に対して皮肉を込めてあえてぶつけたとしたら、そして安倍総理と暴走族の首領の演説がタイミングよく重なるようにしたとすれば、天才的にセンスがいい!が、殘念ながらただの偶然である。
戰爭、荒廢的沙漠、率領暴走族的首領和與此軍團戰鬥的男人……確實是意味深長。如果為了對日本的時政、黨首選舉進行諷刺,能做到安倍總理和暴走族首領在演說時間上的吻合,實在是太天才了!但很可惜那只是一個偶然。
いずれにしても、このように大きなニュースが起き、テレ東だけが通常の番組を放送しているというケースは多い。例えば、灣岸戦爭開戦時にアニメ『楽しいムーミン一家』を放送。東日本大震災三周年追悼式の最中に映畫『エイリアン4』を放送……などなど、ネット上では「テレ東伝説」として語られている。
不管如何,像這樣有大新聞發生時,只有東京電視臺照常播放節目的情況經常出現。例如,海灣戰爭開戰時他們卻在播放動畫片《姆明一族》。東日本大地震三周年紀念儀式時他們在播放《異形4》……,因為種種類似情況,網絡上稱其為「東京電視臺傳說」。
「テレ東伝説」が生まれる本當の理由
「東京電視臺傳說」產生的真實原因
「テレ東伝説」を生み出す、「獨自路線」で「ブレない」やり方は、テレ東の「戦略」なのかどうか?
「東京電視臺傳說」的產生、秉持「獨特路線」「堅持到底」的做法,是東京電視臺的「戰略」?
率直に言おう。「戦略ではない」。
坦率地說「並不是戰略」。
答えはシンプルである。「人がいない。金がない。だから他局と同じことはできない」それだけだ。
答案很簡單。「人員不足。沒有錢。所以做不到和其他電視臺一樣的事。
特に生中継は金がかかる。中継車を出して、技術スタッフを現場に派遣したりで人手もかかる。
特別是現場直播非常花錢。派直播車、技術人員到現場都需要人手。
わざわざレギュラー番組を中止にして、臨時のニュース番組を放送するのは、テレ東としてはかなり負擔が大きいのである。
特意中止正常播放的節目,插播臨時新聞,對東京電視臺來說負擔相當大。
例えば、東日本大震災の時はテレ東も発生直後から特別編成に切り替えている。33時間に渡り、ノーCMの緊急報道特番を流し続けた。通常放送に戻したのは、発生の翌日(3月12日)23時55分。(他局は3月14日~15日にかけて順次通常放送に戻した)
例如,東日本大地震的時候,東京電視臺也在災害發生之後切換成了特別直播模式。連續33個小時,無廣告地播報緊急新聞。開始正常播放節目是在發生地震的第二天(3月12日)23點55分。(其他電視臺是在3月14日~15日期間依次恢復正常節目)。
他局に先駆けて通常放送に戻す決斷をした理由について、テレビ東京の島田昌幸社長(當時)は同月31日に行われた定例會見でこう述べている。「現場の緊張感が相當高かったため、取材の長期化に備えて少し餘裕を持たせたかったこと。そして、子供たちが楽しみにしているアニメ番組を放送する意味があると考えたことです」
關於決定比其他電視臺更早恢復正常節目播出的理由,東京電視臺的島田昌幸社長(當時)在同月31日舉行的例行記者會上這樣說「現場的氛圍非常緊張,想為長期採訪多做一些準備。另外,我覺得播放讓孩子們期待的動畫節目也是有意義的。
つまり、理由は2つあるということだ。他局に比べて人も金も少ない中、緊急特番を続けるのは難しいという現実的な判斷。もう1つは、各局が同じように悲慘な映像を流し続けている中、視聴者に別の選択肢を與えることにも価値があるという判斷である。
也就是說理由有兩個。首先是與其他電視臺相比,在人和錢都很少的情況下,持續特報很困難的現實考慮。另一點則是,在各大電視臺都在播放悲慘的畫面時,給觀眾另一種選擇也是很有價值的。
ちなみに、東日本大震災で他局に先駆けて通常放送に戻したことについて、直後にテレ東には電話やメールを通じた抗議が約600件屆いている。それに対し「普通の日常を待っていた」「応援しています」といった激勵の聲も約90件あった。
順便一提,先於其他電視臺結束東日本大地震的特報,開始正常播放節目一事,東京電視臺在之後馬上收到了電話和郵件的抗議約600件。與之相對,「早就想看到普通日常的回歸了」「支持你們」的肯定只有90件。
600対90という數字が、そのまま世間の賛否の割合とは思わない。
600對90這一數字並不能代表整個社會上贊成和反對的比例。
とはいえ、多數の人が獨自の編成をしたテレ東をネガティブに見ていることはわかる。これは日本人の「橫並び主義」に起因しているのではないだろうか。皆が同じ方向を向いている時に、別の方向を向いてはいけないという意識だ。
話雖如此,我們也可以知道多數人對不走尋常路的東京電視臺持否定態度。這難道不是因為日本人的「形式主義」嗎?大家都朝著同一個方向時,就不應該朝向別處。
一方で、獨自の編成を支持してくれた聲が約90件あったことも事実だ。「橫並び意識」が強い社會では少數派かもしれないが、そこに少なからず需要があるとも言える。
另一方面,支持東京電視臺的有約90件也是事實。在「形式意識」強烈的社會中雖然可能是少數派,但這樣的需求是確實存在的。
「人との違い」を強みに変える
將「差異」變為優勢
テレ東は昔からスタンスを変えてない。予算と人が少ない狀況がずっと変わらないからだ。そんな苦しい狀況の中で、番組編成も番組を製作する現場も、いや全ての部署が、いかに視聴者に番組を見てもらうか、いかに他局と戦うか、日々知恵を絞り、奮闘している。
東京電視臺從未改變過立場。也是因為預算和人手不足的情況一直沒有改變。在這樣艱苦的情況下,不管是節目構成還是製作節目的現場,甚至是東京電視臺所有的人員都在為了能讓觀眾看自己的節目,為了與其他電視臺戰鬥而日日努力奮鬥著。
「獨自路線でブレないやり方は、『戦略』ではない」と先に書いた。だが、長年に渡ってテレ東マン一人ひとりに染み付いた弱者としての戦い方が、集合體として「テレ東の戦略」になっているとは言えるかもしれない。
就如前文所寫「秉持獨特路線,堅持到底的做法,不是『戰略』。」卻是東京電視臺每個電視人經過多年作為弱者形成的戰鬥方式,這樣的戰鬥方式集合起來成為了「東京電視臺的戰略」。