中秋節(舊暦8月15日、今年は9月13日)を目前に控え、月餅市場が盛り上がりを見せている。月餅というと、これまではどれも似たり寄ったりという感じだったが、今年は多くのメーカーがオリジナル性ある月餅を打ち出している。
「故宮月餅」(淘寶網のスクリーンショット)
今年の月餅のパッケージは、より若者好みのデザインになっている。中國伝統の要素を取り入れたおしゃれな國産品「國潮」のトレンドの波に乗り、多くのメーカーが「中國風デザイン」を取り入れた月餅を打ち出している。例えば、最近映畫が大ヒットした中國古代神話のキャラクター「哪吒(ナーザ)」がデザインされた月餅や、美しい花柄のケースに入った故宮の月餅、中國風デザインのショルダーバッグに入った月餅などが、人気になっている。その味もバラエティーに富んでおり、ドリアンやザリガニ、ニンニク、乳酸菌、さらには「人工肉」など、ちょっと変わった味もたくさん登場している。
「哪吒月餅」 (淘寶網のスクリーンショット)
艾媒金榜(iiMedia Ranking)が最近発表した「2019中秋節月餅メーカーランキング」は、ビッグデータ評価モデルを採用し、メーカーの実力評価、商品の市場受容性、メディアの注目指數、ユーザーの口コミ指數、アナリストの評価指數など、さまざまな角度から総合的に評価し、ランキングをまとめている。ランキングトップ10は美心月餅、華美月餅、広州酒家、稻香村、五芳齋、杏花樓、北京稻香村、元朗栄華、嘉華月餅、元祖月餅だった。
「國潮バッグ月餅」 (淘寶網のスクリーンショット)
月餅の商品棚を見に行ってみると、三隻松鼠と良品鋪子は「國潮」シリーズを中心に販売していた。例えば、三隻松鼠は、儒家の始祖・孔子、詩人の蘇軾、李清照のイラストが描かれたケース入りの月餅セットを、一方の良品鋪子は、敦煌博物館と提攜して月餅セット「良辰月」を販売している。スターバックスや喜茶(HEYTEA)などのドリンク系ブランドがデザインや味、パッケージ、マーケティングなどの面で工夫を凝らして打ち出した月餅も、ネット上で大きな話題となっている。
その他、多くのメーカーが、斬新な味の餡を詰めた月餅を打ち出している。月餅の餡は中國ハムや五仁(5種類のナッツ)、ハスの実、あんこ、アヒルの卵の黃身など、伝統的な味のものだけにとどまらず、さまざまな斬新な味の餡で人々の味覚を楽しませている。
2019年は、「人工肉元年」と呼ばれており、國外ではケンタッキーやバーガーキング、ネスレなどが相次いで人工肉ハンバーガーを打ち出した。そして國內でも、手に入れることのできる人工肉商品として、「人工肉月餅」の一般向け販売が9月6日から始まった。
人工肉メーカー「珍肉」の創業者・呂中茗氏によると、同社はショッピングサイト・淘寶で、3千箱限定の人工肉月餅を販売した。値段は、市場で売られている普通の肉を使った月餅とほぼ同じだ。オンラインショッピングモール・天貓(Tmall)の同社旗艦店で、この月餅の定価は1箱288元(1元は約15.25円)、割引後の価格が168元となっていたが、既に完売している。カスタマーセンターによると、植物性肉を使った月餅は既に完売しており、再入荷するかは未定という。
味や「顔面偏差値」、アイデアで勝負というのが、今年の中秋節の月餅市場のトレンドだ。月餅は、中國を代表するお菓子で、常にマーケティングやブランドクリエイティビティの最前線に立ってきた。中國焙■食品(■は火へんに考)糖製品工業協會が発表した「2019年月餅業界発展趨勢報告」によると、今年の月餅の価格はやや上昇するものの、利益はほとんど増えず、業界全體の販売量と売上高は5‐8%増になると見込まれている。
智研諮訊が発表した「2019‐2025年中國月餅業界市場現狀分析及び投資見通し予想報告」によると、2012‐2018年、中國の月餅市場の売上高は、2013年と2014年に減少したのを除き、その他の年は全て増加となった。今年の売上高は165億9千萬元から170億6400萬元に達すると見込まれている。
【イラストで知ろう!イマドキ中國】何でも入っている「月餅」
【ふりがな・音聲付き】今年の中秋の月は「十五夜より十六夜の方が丸い」
【中日對譯】馬雲卸任,8大金句讓人回味
本微信號內容均為人民網日文版獨家稿件,轉載請標註出處。