今の季節、上海人や杭州人の間で話題になるのが「中秋節」と「月餅」ですが、特に杭州人の間で話題になるのが「銭塘江の逆流」です。
では、逆流現象とは?
潮の満ち引きによって起こる現象です。太陽、月、地球が一直線に並ぶ時、引力の相乗効果により海では大潮が発生して、海水が陸に向って押し寄せるのですが、どこの海岸でも逆流が起きるわけではなく、一定の條件があると言われています。
その條件とは
①下流の川幅と河口が広い三角江(上流の川幅は狹い)である事
②水深が淺く幹満の差が激しい川である事。
この2つの條件を満たした地形の場合、満潮時に海面が川の水面より高くなるため、逆流が発生するそうです。
逆流現象で世界的に有名なのは、下記の4つ。
①ブラジル=アマゾン川
(ポロロッカと呼ばれる)
②パキスタン=インダス川
③中國=銭塘江
④イギリス=セヴァーン川
(赤い①の場所が逆流の鑑賞地として有名な塩官観潮景區です)
銭塘江は河口では川幅が100kmもあるのに対し、逆流の鑑賞地として有名な「塩官観潮景區」では2.5kmしかなく、まさにラッパ型の河で逆流現象の條件にピッタリなんです。(2.5kmの川幅が狹いって…さすが中國)
さらに銭塘江の場合は、河口の先に舟山諸島が點在している為、潮流が複雑化している事、また臺灣海峽から東シナ海へ流れる潮のスピードが、海峽の幅が狹まるにつれ強くなる事もあって、より大きな逆流が起きやすいんだそうですよ。
大潮の波が河口から逆流して入ると、段々川幅が狹くなるので、行く手を遮られた波は増々勢を付けて、川の流れを飲み込みながら時速40kmの速さで逆流していきます。
(自然現象なので年毎に逆流の大きさは異なります)
潮の満ち引きが原因ですから満潮の時は逆流が発生しますが、特に舊暦の8月15日前後は、地球が太陽に一番近づいているため、波が最も高くなり、逆流も大きくなるそうです。
中國では逆流現象の事と海嘯(かいしょう)と言って、銭塘江の逆流は古くは春秋時代の越國の記録、水滸伝にも登場しています。
(杭州灣大橋。地図で左から3本目の橋です)
2007年に杭州灣大橋が完成してからは、逆流の波も橋桁を通過する際に勢いが衰えてしてしまい「昔の様な激しく大きな逆流は起きなくなったのでは?」と、言う話も聞きますが……それでも世界有數の逆流現象を見たいと思う人は多く、毎年中秋節には多くの観光客が銭塘江を訪れます。
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