【経営者インタビュー】コニカミノルタ弁公系統(中國)有限公司 中田 裕司 董事長兼総経理

2022-01-08 中智日企俱樂部

コニカミノルタ弁公系統(中國)有限公司

中田 裕司 董事長兼総経理

 

1989年関西學院大學経済學部卒業後、ミノルタ株式會社(當時)に入社。95年にミノルタ香港北京事務所の所長に就任し、中國市場の開拓に攜わる。2001年に日本へ帰任後、2004年から18年まで、香港、タイ、インド、歐州、の各現地法人と事務所のトップを歴任する。18年に再び日本へ帰任し、上席執行役、地域営業統括部長を歴任後、21年に現職へ就任し現在に至る。

障害者アスリートの厳しい練習に打ち込む姿が、社員の勵みに

 コニカミノルタ株式會社は、1873年に創業したカメラ、寫真用フイルムを主力とするコニカと、1928年に創業したカメラ、複寫機を主力とするミノルタが2003年に経営統合したことにより誕生した。その後、07年にフォト・カメラ事業を終了し、現在はデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、ヘルスケア事業、インダストリー事業等のより専門性の高い領域で事業を展開している。グループ全體の従業員數は約4萬人、150カ國でセールス及びサービスを展開している日本を代表するグローバル企業だ。

 コニカミノルタは、長年にわたりスポーツ支援を続けている。同社の陸上競技部は50年の歴史を有する名門チームであり、これまで2名のオリンピック選手を輩出している。2008年の北京オリンピックでは、松宮隆行選手が日本代表としてトラック5000m、10000mの2種目に出場を果たしている。

 「長年海外で仕事をする中で、世界で活躍する選手たちの姿をみると、とても勵みになりました」と中田董事長兼総経理はいう。コニカミノルタは、長年にわたりスポーツ支援を続けている。同社の陸上競技部は50年の歴史を有する名門チームであり、これまで2名のオリンピック選手を輩出している。2008年の北京オリンピックでは、松宮隆行選手が日本代表としてトラック5000m、10000mの2種目に出場を果たしている。

 中國法人であるコニカミノルタ弁公系統(中國)有限公司でも、スポーツ支援事業に取り組んでいる。

 「當社は、技術で社會に貢獻することを目的としてきましたが、身體にハンディキャップを持つ人々の支援においても社會に貢獻できないものかと、以前から検討していました。そこに、中智公司と上海市障がい者スポーツ訓練センターが提攜して展開する「円夢計畫」(ドリームプロジェクト)の存在を知り、參加することを決めました」と中田董事長兼総経理は參加の経緯を語る。

 2021年7月23日、疫病の影響で1年延期されていた東京オリンピックが無事に開幕し、世界中の多くの人々に感動を與えた。そして8月24日から開幕するパラリンピックに、コニカミノルタ弁公系統(中國)に所屬する王洋選手が車椅子レース競技の中國代表として出場する。

 7月、王洋選手の東京パラリンピック出場の知らせを受け、中田董事長兼総経理と社員の代表ら一行は、東京パラリンピック開幕に先立ち、選手たちを激勵すべく出発前の選手たちが練習に勵んでいる奉賢體育センター運動場を訪れた。

 同センターでは、選手たちの練習風景を見學した後に壯行會が催され、コニカミノルタグループを代表して中田董事長兼総経理が挨拶を行い、コニカミノルタ株式會社 山名昌衛 代表執行役社長兼CEO及び日本本社の同僚たちからの応援メッセージを紹介し、選手の皆さんへ心の籠った記念品を贈呈した。

 障害者アスリートを支援する事の意義について、中田董事長兼総経理はこう話す。「私たちが彼らを支援しているのではなく、むしろ彼が私たちを支持してくれている。私たちが彼らを勵ましているのではなく、むしろ彼らに私たちが勵まされている。そのように感じています。彼らの頑張っている姿を見ると、社員たちも、よし頑張るぞ!という気持ちが沸いてくるのです。私たちが社會に貢獻しているのではなく、彼らが會社に貢獻してくれているのだと、そう心の底から感じています」
中國事業立ち上げに奮闘した25年前、あれから再び中國へ

 中田董事長兼総経理は1989年にミノルタ株式會社(當時)に入社する。技術サービス部、海外営業部を経て、95年に中國事業立ち上げのため、同社香港法人の北京事務所へ駐在することになる。「當社の中國進出は、同業他社と比べ比較的に遅かったため、日系企業や大都市のお客様は既に他社と契約していました。そこで、地方都市から開拓する戦略を採り、製品カタログを持って全國を飛び回りました」

 今年の7月、あれから20年ぶりに再び中國へ赴任することになった。「1995年に中國へ赴任し、先輩方や現地社員と一緒に一からコニカミノルタの立ち上げに奮闘していた當時、私はまだ20代の青年でした。2001年の帰任から20年の月日が経ち、今回は定年までの集大成として、30數年間の経験と知識をここで全て出し盡くし、新しいコニカミノルタを創りあげたいという思いで気持ちが高揚しています」と中田董事長兼総経理は語る。

 中田董事長兼総経理は、上海へ赴任するため浦東空港へ到著後、指定ホテルでの隔離監察期間を過ごした。その時の様子を中田董事長兼総経理に尋ねた。「隔離期間中は、毎日テレビ會議と、Wechatで社員たちと交流していました。このことが、かえって事前にお互いを知る良い機會となり、実際に出勤した後の業務の円滑に役立ったように感じます。生活面では、秘書にWeChatPayの使い方を教えてもらい、自由にフードデリバリーを頼めるようになってからは、生活が楽しくなりました」これから中國へ赴任する駐在員に対して、少しでも隔離期間をストレスなく過ごすために、あらかじめ翻訳、WeChat、支付寶などのアプリを準備し、WeChatや支付寶に社員から幾らかお金を送金してもらうとフードデリバリー等の支払いに便利だと中田董事長兼総経理はアドバイスする。

 昨年から続く疫病の働き方に対する影響について、「世界的に疫病の収束が見通せない狀況が続いていますが、コニカミノルタでは、疫病流行前から、『いいじかん設計』というコンセプトで、場所にとらわれない、紙にとらわれない働き方を研究し、リモートワークや電子ワークフローをお客様に提案しており、自分たちでも実踐していました」そのため働き方や業務に大きな混亂は生じなかったと中田董事長兼総経理は話す。

 インタビューの最後に、今後の中國ビジネスの展望を中田董事長兼総経理に尋ねた。「25年前、中國のオフィスは白黒のイメージで、あまり良いオフィス環境とは言えませんでした。中國へ進出した當時、中國のオフィス環境をカラフルに、より良くすることを夢に中國人社員たちと一緒に奮闘していました。20年ぶりに再び中國へ赴任し、今度は中國のお客様が求めるものは何かを考え、様々な中國企業の開発パートナーと協力しながら、中國の特色あるソリューションを提供できる會社にすることを夢に奮闘してまいります」

 中田董事長兼総経理は、中國事業の基礎を固めた後、2001年に日本へ帰任されました。その後、タイ、インド、歐州法人等のトップを歴任し、2021年に再び中國へ戻ってこられました。25年前に中國へ赴任した當時は、中田様は初めて海外駐在を経験する20代の青年であり、多くの感動や驚き、苦労がありました。あれから20年の月日が経ち、數多くの海外駐在経験を積まれ、一流の経営者として再び中國へ赴任することになった際、あの時のような感動はもう得られないだろうと思っていたそうです。しかし、中國の會社を訪れると、王暁燕人事部長をはじめとする、あの頃に入社した懐かしい社員たちが、當時と変わらぬ情熱を抱きながら働いていることに感動を覚えました。初心を忘れず大切に守りながら、コニカミノルタの新たな百年の発展の基礎を築くべく、中田董事長兼総経理は情熱を燃やしています。

相關焦點

  • 【経営者インタビュー】第64回 コニカミノルタ弁公系統(中國)有限公司 炭谷 忠彥 董事長・総経理
    弁公系統(中國)有限公司 炭谷 忠彥 氏早稲田卒業後、ミノルタに入社。87年から6年間フランス駐在、その後日本へ帰任し、98年からミノルタヨーロッパ(ドイツ)の販売責任者に就任する。2005年に帰任後、10年まで海外販売部の責任者を務めた後、同年インドへ赴任し、現地販社をゼロから立ち上げディーラー開拓を行う。17年から中國へ董事長・総経理として赴任し現在に至る。
  • 【中日雙語】コニカミノルタ 「ドリームプロジェクト」パラリンピック凱旋記念式典開催
    式典では、コニカミノルタ弁公系統(中國)有限公司の中田裕司董事長もスピーチを行い、汪洋氏に賞金と賞狀を授與しました。柯尼卡美能達辦公系統(中國)有限公司董事長中田裕司先生コニカミノルタ弁公系統(中國)有限公司中田裕司董事長
  • 【オンライン特別インタビュー---上海~東京中継】三井金屬(上海)企業管理有限公司 境 克也 董事総経理
    「私が日本に居るため、日常の指示や報告はリモートとなり、現場で実際に見ながらの確認、タイムリーな報連相、問題発生の防止など、上海に居れば対面で把握できることが思うようにいきませんでした。しかも日中異文化という要素も関係し、なおさらコントロールの難しさを感じストレスが溜りました。」 そこである工夫をすると、コミュニケーションの問題が改善したと境総経理は語る。
  • 【経営者インタビュー】小林製薬(中國)有限公司 紀本 慎一郎 董事長
    同社は醫薬品だけにとどまらずオーラルケア・スキンケア・栄養補助食品・芳香消臭剤といった幅広い領域において製品を提供している。中國へは1998年に上海で合弁會社を設立し本格的な進出を果たす。その後、2002年に同社を完全子會社化し、獨資に変更し「上海小林日化有限公司」とする。2018年には、統括會社として小林製薬(中國)有限公司を設立する。
  • タイトル:やはり深圳が惹きつけるのか──中國経済専門誌BizCHINA 9月號、配布中(電子版でも閲覧可能)
    注目集まる深圳スタートアップ・エコシステムの擔い手たちにインタビューし、イノベーションの手掛かりを探っていく。第一弾は、イノベーション・プラットフォームという獨特のビジネスを展開しているスタートアップサラダが登場。インヴィニオCHINA華南統括の小森氏が斬り込む(※従來の「本立道生」とローテーションで連載予定)。
  • 【ビジネスインタビュー】コチコンサルティング上海 総経理 畑伴子氏
    2000年パソナグローバル創立、代表社長就任。08年コチコンサルティング會社を創業。12年コチコンサルティング上海を創立し、本格的に日系企業向け、人事・労務に特化したコンサルティング業務をスタート。本年よりパーソナルコーチ指導のもとジムでのトレーニングを開始、ゴルフも再開し、休日はプレーを楽しむ在中日系企業の 「 第二人事部 」 目指す創業10年のコンサルティング會社 コチコンサルティングは日系企業に対して中國の人事・労務関係に特化したコンサルティングサービスを提供している。
  • 健康意識が高まる中國市場向けにキリンビールが輸入博でノンアルコールビールを展示
    ノンアルコールビール  この中でも特に中國消費者の健康意識が高まっていることを背景に、9月から日本で新発売されたノンアルコールビールを中國にもアピールしている同社の安藤弘之董事総経理によると、キリングリーンズフリーは無添加で香料·人口甘味料一切使わずに、日本初の製法でアルコール0.00%を実現。ゴクゴク飲める雑味のない味わいとすっきりした後味を実現したアルコール0.00%のノンアルコール·ビールテイスト飲料だ。
  • 【アジアンドリーム】中國華録・松下電子信息有限公司 総経理 董事 金子 幸弘 氏
    9月號「アジアンドリーム」より獨自の「強み」を磨きグループの総合力を発揮さらなる飛躍を遂げる中國の國家プロジェクトによって、1994年に誕生した中國華録・松下電子信息有限公司。創業時のビジュアル事業を中心としたB2Cに加え、B2B・B2Gへと業容を拡大。
  • トランスコスモス、カスタマージャーニー診斷サービス「CX-RAY」を本格提供開始 7月にウェビナー開催
    本社:東京都渋谷區、代表取締役社長兼COO:奧田昌孝)は、複數チャネルを橫斷するカスタマージャーニー診斷サービス「CX-RAY(シーエックスレイ)™」の本格提供を2020年7月より開始します。「CX-RAY™」は、トランスコスモスが展開する國內最大規模のコールセンター事業およびデジタルマーケティング事業の基盤とノウハウを活かし、複數チャネルの垣根を越えた複雑なカスタマージャーニーの全體像を可視化します。データに基づき俯瞰的に顧客の行動・心理の変容を追跡することで、顧客體験の創出・改善を支援し、カスタマーサクセスに導きます。2020 年度內に利用企業40社を目指します。
  • 【後楽園】コンタクトセンター向けソリューションのコンサルティングSE
    春日 徒歩5分東京メトロ丸ノ內線 後楽園 徒歩5分業務內容コンタクトセンター向けソリューションのコンサルティングSE業務をご擔當いただきます。■擔當業務・コンタクトセンタ市場の課題・問題點を把握し、その課題等を解決するソリューションを行なうための商材(サービス)を、社內外の開発者と協力し企畫・拡大の実施。・コンタクトセンタソリューションをSEとしてお客様(企業)へ提案・構築・コンサルを行なうとともにAI・音聲認識サービス等の認識率アップのためのチューニング。
  • 內定速報|恭喜Z同學斬獲日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)Offer
    日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)は、ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューションを提供する會社です。世界中の一流企業をITやデジタル技術で支え、変革を後押しするタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)と、グローバルで多様なビジネスを展開する三菱商事の合弁會社です。デジタル技術の進歩により、世界は今、第4次産業革命とも呼ばれる大転換期を迎えています。
  • 【アジアンドリーム】阿尓卑斯系統集成(大連)有限公司 総経理 曽根 綱治氏
    コメントシステムは導入して終わりではなく、導入してから如何に使いこなすか、お客様の経営に役立てていくかが重要であり、そこのサポートが阿尓卑斯系統集成(大連)有限公司の強みでもあります。長年蓄積されたノウハウと技術力で卓越したソリューションを提供 阿尓卑斯系統集成(大連)有限公司(ALSI大連)は、グループの母體であるアルプスアルパイン株式會社のSI事業を擔うアルプスシステムインテグレーションの中國現地法人として、2005年に設立しました。
  • 進撃のローソン [大連編] インタビュー:大連羅森便利店有限公司・武知英樹 氏
    このほど200店舗のマイルストーンを達成し、大いに気を吐くローソン大連。來年は中國進出25周年、大連進出10周年という節目の年を迎えます。大連地區におけるコンビニ業界の動向や、今後の事業展望等について大連羅森便利店有限公司の武知英樹総経理に語っていただきました。
  • アピタ店リニューアル1周年記念キャンペーン実施中!
    アピタ店がリニューアル1周年を迎え、周年記念キャンペーンを実施中! キャンペーンその1「久々の集まりに乾杯!夏のサレペペコース」は、2時間飲み放題(生ビール、赤・白ワイン、ハイボール、ソフトドリンク)付き、コースメニュー全8品で300元→250元/名。
  • 本日インバウンドニュース 12/12NEW!!!
    カナダ、アメリカ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、オランダ、アイルランド、アイルランド、イタリア、北アイルランド、ノルウェー、スコットランド、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリ、クロアチア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ロシア、トルコ、ウクライナ、オーストラリア、中國、インド、インドネシア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓國、
  • 內定經驗談 | 埃森哲(ビジネスコンサルタント職)
    は、世界最大の経営コンサルティングファームである。拠點數は世界56カ國 200都市以上。シカゴとクアラルンプールにEducation Centreを置き、社員研修を世界合同で行っている。アメリカ企業であったが、バミューダに登記上の本社を移した後、2009年9月にアイルランドのダブリンに本社を移した。
  • 中國雙創ナイトウェビナー:日中醫療インバウンド
    コロンビアクリニック(上海)で日本部醫師主管を務めてらっしゃる本橋京子氏と、日中で再生醫療事業を展開してらっしゃる幹細胞バンク株式會社の代表取締役の中澤淳仁氏をお招きし、日中醫療のこれまでとこれからについてお話を頂く予定です。
  • 伊藤忠ファッションシステム 「ミュゼコレクション」のマスターライセンス権取得 〝美と健康〟に注目
    伊藤忠ファッションシステム(IFS)は、美容サロン運営事業を主力とするミュゼプラチナム(ミュゼ)と、「ミュゼコレクション」ブランドのマスターライセンス
  • 21年春夏ミラノ・デジタル・メンズコレクション ミニマルでインダストリアルなムード=プラダ
    ロンドン、パリに続いてミラノでもデジタル形式で21年春夏メンズコレクションを開催した。
  • 【業界洞察・日企復産研討會】アクセンチュア&中智日企俱楽部智櫻會會員交流會開催
    今回の交流會にはイオン、リンナイ、川田機械、出光電子、サイボウズ、三井住友海上、インターリスク、ダイキン、日経BP、サクラクレパス、瑞穂システム、コクヨ、三菱UFJ銀行、中村精密、御牧、キヤノン、王子製紙、RGF、東京海上、三井金屬、日鉄軟體、時事通信、住化電子、清和、凸版印刷、平田機械設備、長瀬カラーケミカル、その子化粧品、椿本機械、東芝電子、