「皆さん、おはこんばんにちは。AMIKUNです」。これは、今年1月から、中國の弾幕動畫共有サイト・ビリビリ(bilibili)に投稿を始めた・AMIKUNのお決まりのあいさつだ。中國の人民大學に留學しているAMIKUNは、中國語を専攻しており、今年9月で大學4年生になる。そんな彼の流暢な中國語は、多くのネットユーザーに強い印象を與えている。(文:朱東冬。北京青年報が報じた)
ビリビリで人気の日本人誕生
AMIKUNは2015年11月から動畫共有サイトYoutubeに動畫をアップし始めたものの、クリック回數が伸びず、友人のアドバイスをうけて、今年1月からビリビリで投稿し始めるようになった。動畫では得意の中國語を十分に生かし、その內容も、中國の寮や食事の紹介、中國何でもランキング、激辛料理に挑戦、質問コーナー、日本語や日本文化の紹介、日中同形語の比較などバラエティに富んでいる。多くのネットユーザーからは、「日本人から中國語を教えてもらった」と驚きの聲が上がっている。時には、生中継で、フォロワーとの觸れ合いを行い、質問コーナーで答えていなかったネットユーザーの質問に答えたり、絵を描いたり、ゲームをするところを中継したりしている。
現在、AMIKUNのフォロワーは5萬人以上に達し、微博(ウェイボー)のフォロワーも9000人以上になっている。これほどの人気に本人は「意外」という反応。それでも、急速に高まった人気には必ず理由があるもので、內容がおもしろく、適切なプラットホームに出會ったことが大きな原因かもしれない。ビリビリは、日本風のサイトで、そのユーザーは主に若者。その多くがアニメやゲームなど、日本の大眾文化のファンだ。そして、AMIKUNの日本語同様に流暢な中國語が、中國のネットユーザーに親近感を感じさせている要素の一つとなっている。
パフォーマンスは子供のころからの夢
動畫の製作は、突然思い立って始めたわけではなく、AMIKUNが長年心に秘めていた夢だという。彼は子供のころから、パフォーマンス欲が強く、初めて舞臺に立ったのは、3、4歳の時の幼稚園の劇で「木」を演じた時だったという。その時、あっち向いたり、こっち向いたりしていたというAMIKUNは、「木は動いてはいけない」という聲に納得できなかったという。劇を見ていた保護者らに、驚かれたとともに、「おもしろい子」と気に入られた。テレビを見ている時も、芸人らの物まねをしたりするのが好きで、元々福島なまりだったものの、いろんな地方のなまりが混ざって、修正がきかなくなってしまったという。
小學生になるとAMIKUNは演劇クラブに入り、パフォーマンス好きは変わることなかったが、將來の進路として芸能界に進みたいと言った時には、家族から猛反対されてしまった。その後、人民大學に留學してからも、短編映畫やミュージックビデオなどの製作していたAMIKUNは、パフォーマンスの夢をあきらめきれず、動畫製作という方法に変えてそれを実現した。家族には內緒で始めたという。
「日本は、中國ほど就職が難しくない。日本人が大學に行くのは普通就職のためではなく、見聞を広めたり、友達を作ったりするため」と話すAMIKUN自身は、多くの時間と精力を費やして、動畫を製作し、自分の夢を実現させている。チームがあるわけではないため、撮影から編集、アップなど全てを一人でこなし、それらの技術を全て獨學で身に付けた。動畫製作に夢中になっているうちに1日があっという間に終わってしまうこともよくあるという。それでも、失うものあれば、得るものもある。友達と遊びに行く時間がなくても、動畫を通してたくさんの友人ができた。AMIKUNは、フォロワーに誠実に接している。その証拠に動畫のちょっとした手落ちを詫びたり、畫像に対するツッコミコメントが寄せられても、一緒にそれを笑ったりしている。また、おしろい動畫を作って、単にクリック回數を伸ばそうと、適當な編集をするのではなく、徹夜してでも実態に迫ったり、大學受験が近いときには受験生に勵ましの聲をかけたりしている。「利益のためにやっているのではなく、単なる趣味。ネットユーザーに好んでもらい、認めてもらえたらそれでいい」と話す。
誰も思いつかないことをやってしまうAMIKUN
AMIKUNが中國語を學び始めたのは、00年にテレビで伝説のアクションスター・李小龍(ブルース・リー)の生前の映像を見たのがきっかけ。その時外國語を學ぼうと思い、みんな英語を勉強していたので、他の人とは違う言語と思って、中國語を選んだ。
10年間の努力を経て、AMIKUNは10年に、中國の高校に留學した。しかし、ヒアリングも會話もできず、試験で0點をよく取っていたという。周りの中國人も、特にゆっくり話してくれるわけではなく、0からのスタートという感じだった。その後、1年半かけて、中國語の環境にやっと慣れることができたAMIKUNは、「言語のレベルが、國境を越えた文化交流の唯一の成功の秘訣ではないものの、やっぱり大きなカギを握っている。この『カギ』がなくては交流の扉が開けられない」と話す。
大學2年生の時、AMIKUNは、第6回北京の大學留學生中國語コンテストに參加。1000人の中からベスト20に入り、決勝に進んだ。そして、一人で、米國人、インド人、中國人を演じて、食器の違いを説明。そのレベルの高い中國語で観眾を魅了し、優勝を果たした。
動畫で、AMIKUNは激辛の食べ物や不思議な飲み物、コーラにメントスを入れて飲む実験などにも挑戦している。これは、単に見る人を楽しませるために自分を犠牲にしているわけではなく、普段もいろんなことにチャレンジするのが好きだ。それも、普通の刺激的な事をするのではなく、普通の人の思考迴路では思いつきもしないようなことをするのが好きだ。例えば、最近の動畫では、80人分の巨大プリンを作り、友人らを招いて食べてもらったものの、それでも食べきれず、プリンを見るのも嫌になったという。「最近、日本の小學生の先生をしていて、子供の発想は本當に自由だと感じる。成長の過程でそのような発想はあまり伸ばされることはないが、完全に消えてしまうわけでもない。何か巨大な物を食べたいと、子供なら誰でも思ったことがあるはず。大人になってお金があるようになったのだから、その夢を実現させたらいい」。
AMIKUNは、中國人と日本人がもっと交流することを望んでいる。日本のメリットはアニメだけなく、一方の中國も日本の一部のメディアが報じているように時代遅れではない。たくさん交流しなければ、互いに対する固定観念を取り除き、本當の相手の姿を見ることはできない。
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