中カツ!通信 第143號 EC2大イベント「618」と「ライブコマース」と「失敗」

2021-02-16 中活通信

こんにちは。中カツ!通信の野村です。

たまに

「ところで何の仕事しているんですか?」

と聞かれることがあります。

業界としてはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)でして、簡単にいうと「外部委託」です。

具體的には、コールセンター、ECのチャット対応、ECの運営、RPA、電話やメールを使った営業支援等をやっております。(シニア向け自分史事業と訪日インバウンド事業は開店休業中…)

ということで、今回は久しぶりに本業にも関係のある、中國ECの2大イベントの一つ「618」について取り上げます。

618はアリババが始めた11.11とならぶEC商戦で、11.11が「獨身の日」という由來に対して、618は中國EC第二位の京東(JD.com)の創立記念日にちなんでいます。

現在は11.11同様に京東だけでなく大手ECプラットフォーム全てが618セールを行っています。

他社の創立記念日に相乗りするって不思議な感じですが、消費者も「京東の創立記念日」を意識して盛り上がっているわけでないので、まさに人工的に作られた商戦。

新型コロナのリベンジ消費としても注目された618の売上げ結果というと、

本家、京東は6月1日から18日での売上額が2692億元(約4兆600億円)に達し

昨年の2015億元から約34%の伸び!と新型コロナから消費が戻ってきた!ともいえる成果をだしました。

中國EC第一位のTMALLは、倍以上の6982億元(約10兆5300億円と、さすがの貫祿。それにしても10兆円越えってすごい…

驚くべき売上額だけでなく、

コロナ以降の

・ECショップ(タオバオ)開店數200萬

・就業機會の創造4000萬以上

という數値も社會的貢獻の大きさを示しております。

1店舗あたり20人も就業機會が創造される?ということではなく、たぶんタオバオ店舗以外にも就業機會の創造がアリババによってなされたのでしょう。

平均的なタオバオ店舗の売上で20人も就業させていたら、まず赤字でしょうから…

総売上額、店舗數が増えただけでなく

3萬のTMALL店舗で売上が昨年の倍

・1萬強のブランドで売上の伸びが10倍を超えた

という記事もあり、単店売上も昨年実績を上回った店舗が多くあるのですね。

弊社グループも618期間中は、多くのメンバーが毎晩遅くまで頑張ってくれますので、臨戦態勢としてオフィス內の飾り付けを変え、お菓子や飲み物の兵站を用意します。(秘密保持の関係であまり寫真をお見せできないのが殘念)


そして今年、売上額以外に注目されたのがライブコマース


618淘寶直播創新報告によると、昨年比較でライブコマースを行った店舗數は160%の伸び、売上1億元(約15億円)を超えたライブコマ―スが15回あったそうです。

ライブコマースというと有名なユーチューバーやカリスマブロガーのようなKOLが商品を紹介すると思われているかもしれませんが、それはほんの一部分。

今の中國は「誰でもライブコマース!」

の時代でして、上記寫真のように618でも

・300人以上の有名芸能人が商品販売

・100人以上の省長、市長、県長が特産品の販売

・600人以上の名だたるCEOが自身で商品販売

と幅広い人が參加しています。

売れなくなった俳優や芸人を深夜のTVショッピングでみかけ、テンションの高い演技に、哀愁を感じてしまうのとは全然違う狀況なのです。

「誰でもライブコマース!」というからには、もちろん有名人による配信だけではありません。

CEOでなく、従業員が出演するライブもたくさんあり、むしろ主流です。

ライブコマースは時間が1時間以上を超えることが多く、インタラクティブに行われます。

深い商品知識がないと質問に答えられずボロが出て信用をなくしてしまいます。

また、商品に対する思い入れがない外部の人だと何時間ものライブを情熱をキープして行えないことも多いです。

20日(土)22時から生放送中であったKOKUYOさんのライブコマースを少しのぞいてみました。6000人以上が同時に見る人気ライブ、活気もあり面白くて思いがけず1時間半以上最後までみてしまいました。

ストーリーがあって演技感が強いTVショッピングより、詳細な臺本なしのリアルタイムでのコミュニケーションが消費者を惹きつけるのが実感できました。

ただ「誰でもライブコマース!」の「誰でも」の範囲はこのように楽しく買いたくなるものだけではありません。

ちょっと準備不足を感じるものや…

長丁場に疲れたのか無口どころか、少し寢落ちしているものや…

電話がかかってきて、出演者が畫面の外に出てしまいライブコマースと関係のない電話の聲だけが流れているシュールなものまで

このような放送事故のようなものも含め「誰でもライブコマース!」の狀態なのです。(割合は高くないですが、絶対數は少なくありません)

ただ、私は別にこのような狀況について否定的ではありません。むしろ、この準備不足でも、「ひとまず、やってみるか」が中國EC業界の強さの要因の一つだと思っています。

日本の大手ネット會社に勤める友人と

「日本と比べ中國でライブコマースが盛り上がっている理由」

について意見交換をしていた時に気づいたことがあります。

「ライブコマース」という手法が特別に中國に適していたから売上が伸びているのではなくて、「売上が伸びそうな手法は、なんでもやってみる」の一つにライブコマースがあり、成功した人がでたら、次々と追隨する人が増え、結果的に質も量も盛り上がってきているというのが実際なのではないかと。

「この方法でライブコマースをすれば売上が増える」という演繹的確信はないまま、「Aはライブコマースで売上増えた、Bも増えた、私もライブコマースをすれば売上増えるんじゃない?」という前提の少ない帰納的に始めている人が多いのではないかと。

「失敗しないように入念な準備ができてから始めよう」というより「成功する可能性があるなら、ひとまずやってみよう」

という気質ですね。

儲けた人がいると聞いたので、まったくの素人だけど自分もマスクを仕入れてみるのも同じような考えだと思います。

もちろん一回目で成功するとは限りませんが、失敗から改善はしていくので、入念に準備して1回目が遅い人よりも先に結果がでることも多いです。

まさに「巧遅は拙速に如かず」

そして、中國の多くの業界で初期の小さな失敗は許される寛容さが企業內にも消費者にもあると感じます。(醫療業界で、この考え方で突っ走られると怖すぎますが…)

規模が大きくなってこれば、業界ルールが定まってきて質が擔保されていくのはECだけでなく、ライドシェア、シェアサイクルでも同じです。

ライブコマースは、まだ過渡期ですが成熟してこれば、

「一定時間、話し聲がなければペナルティ」

「一定時間、人が畫面から消えたらペナルティ」

などのルールが定められ、最低サービスラインが底上げされていくはずです。

そして失敗をできるうちに、早く失敗して経験を積むのが大事なのは人生も同じかもしれませんね。

「早くに失敗」といっても過去には戻れませんので、自分の周りは特に寛容な方が多いと信じ、今からでもできる失敗を恐れずにやっていこうと思います!

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

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