ネット書店や電子書籍が発展している今、街の本屋が存続の危機にさらされている。便利なオンライン書店や電子書籍などの出現により、本屋は近年、経営難に直面し、倒産や店舗移動なども珍しくない。しかし本屋には、実際に本を手にとって見ることができ、好きな本との偶然の出會いを経験できるなど、オンライン書店とは違う醍醐味がある。それは多くの人にとって、思い出となっており、本屋が全くないとなると、それはさみしいことだ。
日本の場合
日本では現在、本屋が生き殘りをかけて靜かな戦いを仕掛けている。例えば、若者の聖地とされる東京・下北沢にある書店「B&B」は、本を読みながらビールが飲めるというコンセプトで連日大盛況だ。「B&B」という名前は「Book」&「Beer」の略だ。
注目を集める別の本屋は、渋谷の代官山で2011年12月に オープンした蔦屋書店だ。同店は米NYの人気カルチャー系サイト「Flavor Wire」が選ぶ「世界でもっとも美しい書店20店」に選ばれた。実際に同店に行ってみると、「本屋」であるにもかかわらず、スターバックスやカフェバー、トラベルカウンター、DVD・CDのレンタルショップなども入っていた。また、本と本の間には、キッチン雑貨やスリッパ、ハサミ、藤編バッグなどの雑貨が置かれ、とてもオシャレな雰囲気を醸し出している。また、カフェバーの雰囲気も高級ホテル並みだ。同店は入った瞬間から、「これこそが國際的大都市・東京の本當の顔か」という思いにさせられる。
B&Bや蔦屋書店のような本屋は、「文化の冒険」をしていると言えるだろう。なぜなら、インターネットが後退することはありえず、電子書籍が本屋にとって今後さらにどのような脅威になるか予測できないからだ。本屋「B&B」を共同経営するブックコーディネーター內沼晉太郎さんは、昨年12月に出版した著書「本の逆襲」で、「出版業界の未來は暗いかもしれないが、本の未來は明るい。人と本が出會うことのできる場所を作ることに長けていれば、本や本屋の魅力も増す」としている。
中國の場合
メーデー連休の夜、北京初の24時間書店である三聯韜奮書店では、利用者數が平日夜の2倍になり、深夜に書店を訪れるのが新たな連休の娯楽となっている。
夜の利用者は若者が最も多いが、普段はめったに見ない親子連れや中年夫婦、単身の高齢者や一時的に失業中の人などもいる。夜の書店利用はすでに読書自身の範疇を越え、社會生活の一部となっている。
広東省広州市で7月12日、同市初の24時間営業の書店がオープンし、たくさんの愛書家たちが來店した。オーナーは、この24時間書店が速いリズムで生活する都市の人々にとって落ち著ける場所になること、広州市の精神を高める燈臺の光になることを願うと話す。
現代人はぜいたくで便利を追求しているが、情緒も決して忘れてはいない。本の購入も、単に「便利」を求めるなら、通勤途中に駅にある売店で好みの本を手に入れることができるだろう。人々の欲求を満たすような本屋は、老若男女問わず、さまざまな人が集まって來るだろう。
「人民網日本語版」