巖波新書〈シリーズ 中國の歴史〉
1中華の成立:唐代まで
群雄割拠を繰り返す中國史.第1巻では華北を中心に,先史時代から中華帝國が形成される八世紀半ばの唐代中期までを扱う.
著者 渡辺 信一郎 著 通し番號 新赤版 1804 ジャンル 書籍 > 巖波新書 > 外國歴史「中國」はどこから來てどこへ行くのか.群雄割拠を繰り返してきた雄大な歴史を,世界史的な視座から全五巻で描きだす畫期的な試み.第1巻では黃河文明が展開した華北を中心に,先史時代から秦漢の統一や三國時代などを経て,中華帝國が形成される八世紀半ばの唐代中期までを扱い,伝統中國の原型を明らかにする.
目 次
はじめに
第一章 「中原」の形成――夏殷周三代
一 農耕社會の形成――新石器時代
二 夏殷周三代
三 殷周時代の政治統合――貢獻制から封建制へ
第二章 中國の形成――春秋・戦國
一 春秋・戦國の「英雄時代」
二 小農民社會の形成――百生から百姓へ
三 封建制から県制へ
四 商鞅の変法――前四世紀中葉の體制改革
第三章 帝國の形成――秦漢帝國
一 郡県制から郡國制へ
二 武帝の時代――帝國の形成
第四章 中國の古典國制――王莽の世紀
一 宣帝の中興
二 王莽の世紀
三 王莽を生みだす社會
四 後漢の古典國制
第五章 分裂と再統合――魏晉南北朝
一 漢魏革命
二 華北地方社會の変貌
三 西晉――中原統一王朝の再建
四 五胡十六國と天下の分裂
五 鮮卑拓跋部の華北統合
第六章 古典國制の再建――隋唐帝國
一 隋文帝の天下再統一
二 天可汗の大唐帝國
三 『大唐六典』の唐代國制
おわりに
図表出典一覧
主要參考文獻
略年表
索 引
渡辺信一郎(わたなべ しんいちろう)
1949年生まれ.京都大學大學院文學研究科博士課程単位取得退學.専門は中國古代史,中國楽制史.京都府立大學教授,學長を経て
現在―京都市立芸術大學日本伝統音楽研究センター所長,京都府立大學名譽教授
著書―『中國古代の楽制と國家―日本雅楽の源流』(文理閣),『中國古代の財政と國家』(汲古書院),『中國古代の王権と天下秩序―日中比較史の視點から』(校倉書房),『中國の國家體制をどうみるか―伝統と近代』(共編著,汲古書院)など
2江南の発展:南宋まで
先秦から南宋まで、社會の重層性にも著目しつつ、栄えゆく「海の中國」をダイナミックに描く。
著者 丸橋 充拓 著 通し番號 新赤版 1805 ジャンル 書籍 > 巖波新書 > 外國歴史ユーラシアを見わたせば、中國は、北は遊牧世界、南は海域世界へと開かれている。第二巻は、長江流域に諸文化が展開する先秦から、モンゴルによる大統一を迎える南宋末までの長いスパンで「海の中國」を通観。中原と対峙・統合を重ねながら、この地域が経済・文化の中心として栄えゆく姿を、社會の重層性にも著目しつつダイナミックに描く。
目 次
はじめに
第一章 「古典國制」の外縁――漢以前
一 長江流域の諸文化
二 「楚」の血脈
三 「古典國制」と対峙する人びと
第二章 「古典國制」の継承――六朝から隋唐へ
一 南からみる『三國志』
二 江南の「中華王朝」
三 六朝の貴族たち
四 隋唐帝國と江南
第三章 江南経済の起動――唐から宋へ
一 運河と海
二 文臣官僚の時代
三 花石綱
第四章 海上帝國への道――南宋
一 金・モンゴルとの対峙
二 江南の繁栄
三 海上帝國の形成
第五章 「雅」と「俗」のあいだ
一 俗――地域社會の姿
二 雅――士大夫のネットワーク
おわりに――ふたたび、若者の學びのために
あとがき
図表出典一覧
主要參考文獻
略年表
索 引
丸橋充拓(まるはし みつひろ)
1969年生まれ。京都大學大學院文學研究科博士後期課程修了、博士(文學)。専門は中國隋唐史。現在―島根大學學術研究院人文社會科學系教授
著書―『唐代北辺財政の研究』(巖波書店)、『唐代軍事財政與禮制』(張樺訳、西北大學出版社)、『中國の歴史上(古代―中世)』(共著、昭和堂)、『中國経済史』(共著、名古屋大學出版會)、『多民族社會の軍事統治―出土史料が語る中國古代』(共著、京都大學學術出版會)など
3草原の制覇:大モンゴルまで
五胡十六國時代から大元ウルス統一まで、騎馬軍団が疾駆する広大なユーラシア東方を舞臺に展開する興亡史。
著者 古松 崇志 著 通し番號 新赤版 1806 ジャンル 書籍 > 巖波新書 > 世界史南の中原に拠る農耕王朝と北の草原に拠る遊牧王朝。生業を異にする二つの王朝は、千年にわたり対峙し、たがいに覇権を爭った。五胡十六國の戦亂から大元ウルスの統一まで、騎馬軍団が疾駆し隊商が行き交う、広大なユーラシア東方を舞臺に展開する興亡史。伝統的な中華史観の枠組みを超え、多様な民族が往來する多元世界の歴史を描きだす。
目 次
はじめに
序 章 ユーラシア東方史と遊牧王朝
一 中央ユーラシアの騎馬遊牧民
二 遊牧と農耕が出會うユーラシア東方史
第一章 拓跋(タブガチ)とテュルク
一 鮮卑拓跋部と北魏
二 唐と突厥の興亡
三 安史の亂の激動
第二章 契丹と沙陀
一 契丹の建國
二 沙陀の勃興
三 沙陀系王朝と契丹
第三章 澶淵の盟と多國體制
一 澶淵の盟への道
二 タングト・西夏の臺頭
三 契丹情勢と北宋の西北経略
第四章 金(女真)の覇権
一 女真の勃興
二 金の覇権とユーラシア東方情勢
三 金の変革と北方情勢
第五章 大モンゴルと中國
一 大イェケモンゴル國ウルスの建國と拡大
二 クビライと大元ウルス
三 ユーラシアの東西交流と中國
おわりに
あとがき
図表出典一覧
主要參考文獻
略年表
索 引
古松崇志(ふるまつ たかし)
1972年生まれ。京都大學大學院文學研究科博士後期課程退學、博士(文學)。専門はユーラシア東方史。
現在―京都大學人文科學研究所準教授
著書―『オアシス地域の歴史と環境』(共著、勉誠出版)『中國経済史』(共著、名古屋大學出版會)『概説中國史』(共著、昭和堂)『金・女真の歴史とユーラシア東方』(共編、勉誠出版)
4陸海の交錯:明朝の興亡
中華と夷狄の抗爭、華北と江南の対立、草原と海洋の相剋――明は、混沌とした狀況に対する解答であった。
著者 檀上 寛 著 通し番號 新赤版 1807 ジャンル 書籍 > 巖波新書 > 外國歴史中華と夷狄の抗爭、華北と江南の対立、草原と海洋の相剋――明の時代とは、このような混沌とした狀況に対する解答であった。第四巻は、一四世紀の元末から清が臺頭する一七世紀まで、三〇〇年にわたる明の興亡を描く。中國社會の多元性・多様性に対して、一元化・畫一化の力學がどのように働いたのか、その顛末がここにある。
目 次
はじめに
第一章 明初體制の成立
一 元末の反亂と明朝の誕生
二 絶対帝制の確立
三 社會統制策と他律的儒教國家
第二章 明帝國の國際環境
一 中華の復興と朝貢一元體制
二 永楽帝の積極外交
三 中華と夷狄の統合
第三章 動揺する中華
一 明初體制の弛緩
二 朝貢一元體制のほころび
三 明代史の転換點
第四章 北虜南倭の世紀
一 嘉靖新政の幻想
二 辺境地帯の騒擾
三 朝貢か互市か
第五章 爛熟と衰勢の明帝國
一 張居正の改革と挫折
二 流動化する社會
三 変容する東アジア
第六章 明から清へ
一 政爭と混亂のゆくえ
二 明朝滅亡
三 混沌の帰趨
おわりに
あとがき
図表出典一覧
主要參考文獻
略年表
索 引
檀上 寛(だんじょう ひろし)
1950年生まれ。京都大學大學院博士課程修了。文學博士
現在―京都女子大學名譽教授
専攻―中國近世史
著書―『天下と天朝の中國史』(巖波新書)、『明の太祖 朱元璋』(白帝社)、『明朝専制支配の史的構造』(汲古書院)、『永楽帝―華夷秩序の完成』(講談社學術文庫)、『明代海禁=朝貢システムと華夷秩序』(京都大學學術出版會)など
5「中國」の形成:現代への展望
一七世紀から現代まで。多元勢力が角逐するカオスのなかから、「中國」がその姿を現す。シリーズ完結。
著者 岡本 隆司 著 通し番號 新赤版 1808 ジャンル 書籍 > 巖波新書 > 外國歴史さまざまな勢力が併存、角逐する一七世紀。そのカオスを収拾し、東アジアに君臨した清朝の「盛世」から、多元共存システムがほころびをみせる一八世紀。西洋の衝撃、革命と獨立によって清朝が潰え、ふたたび混迷する一九世紀、そして現代へ――。一元化と多元化を往還しつづける、平和と騒亂の四百年を描く。シリーズ完結。
目 次
はじめに――カオスのなかから
第一章 興隆
一 遼東
二 入関
三 沿海――互市
四 草原――モンゴル・チベット
五 隣國――ロシア・朝鮮
第二章 転換
一 到達――清朝の素描
二 雍正
三 限界
第三章 「盛世」
一 乾隆――その人・その時代
二 経済
三 社會
四 分岐
五 構造
第四章 近代
一 矜恃
二 暗雲
三 破綻
四 清末
第五章 「中國」
一 転変
二 民國
三 革命
おわりに――混迷の現代
あとがき
図表出典一覧
主要參考文獻
略年表
索引
岡本隆司(おかもと たかし)
1965年生まれ。京都大學大學院文學研究科博士後期課程単位取得退學。博士(文學)。
現在―京都府立大學文學部教授
専攻―近代アジア史
著書―『李鴻章――東アジアの近代』、『袁世凱――現代中國の出発』(巖波新書)/『近代中國と海関』、『屬國と自主のあいだ――近代清韓関係と東アジアの命運』、『中國の誕生――東アジアの近代外交と國家形成』(名古屋大學出版會)/『叢書 東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ――朝鮮出兵から日露戦爭へ』(講談社)/『 近代中國史』、『世界史序説――アジア史から一望する』(ちくま新書)ほか