中國語での執筆で中國圏から広く受け入れられている日本の作家新井一二三氏がシンガポールからの招待を受け訪問し、「世界読書デー並びに文學の美しい春」イベントで2回の講演を行なう。
日本人として中國語で執筆するのと日本語で執筆するのと最も異なるところはどこか?思考や心で感じることにおいてどこが違うのか?この點について、新井氏がシンガポールの華字紙・聯合早報の文芸記者からの電子メールでの取材に応じ、「中國語での執筆は正裝をしてパーティに參加するみたいで、日本語での執筆はデニムを穿いてランチを作って食べる感じ」とユーモラスに語った。
中國語の學習は戀愛をするような感覚
新井氏は北方地域のアクセントで流ちょうな中國語を話すことができる。昨年、香港ブックフェアで彼女の公開講演に耳を傾けていたところ、どのように中國語に一目ぼれをしたのかという事や中國語を學習する過程に何度も戀に落ちた感覚を覚えた事を熱く語っていた。
早稲田大學政治経済學部を卒業した新井氏は東京の生まれ育ちだが、北京、杭州、香港で生活したことがある。1984年から1986年、米國のポップカルチャーが日本で一世風靡するという年代にありながら獨立獨歩の彼女は早々に中國語を學習することを選び、中國に留學した。前後して北京外國語學院(北京市)と中山大學(広東省広州市)で現代中國語と中國近代史を履修した。ある時期、新井氏はカナダに渡り英語での執筆を開始した。
新井氏にとって実は中國語は「第二外國語」である。當時、日本の大學は英語のほか、外國語を1課目學ぶ必要があった。早稲田大學政治経済學部の第二外國語はドイツ語、フランス語、ロシア語、中國語からの選択だったが、大多數の學生がドイツ語かフランス語を選択する中、新井氏は中國語を選択した。當時、中國語の授業で唯一の女子學生でもあった。
新井氏は、「中國語を學習し始めた時、教師と一緒に中國語獨特の四聲を発聲すると、すぐに堪らなく好きになり、中國語はまるで『歌を歌うよう』だと感じた瞬間、中國語の美しさに魅せられ、まさに一目ぼれをしてしまった」と話す。
正裝とジーンズの違い
多くの読者が興味を感じるのは、日本人としての新井氏から見て、中國語で執筆するのと日本語で執筆するのと最も異なるところはどこか?思考や心で感じることにおいてどこが違うのか?という事だろう。
新井氏は、「中國語での執筆は外國語なため、文章を書くとき単語を1つずつ探し、詩を書くような、アートを作るような楽しさを少し感じる。日本語は普段から話す日常的な言語なので特に何も感じない。中國語での執筆は正裝をしてパーティに參加するようで、日本語での執筆はデニムを穿いてランチを作って食べるようだ」とユーモラスに答えた。
母國語ではない言語で執筆することに言及すると新井氏は、「非常に素晴らしい。他の人ができないことを自分が行なう。隠していた秘密を公開するようで、子供がふざけて逃げ回るような楽しい気分にさせてくれる」とまたしてもユーモアを交えて答えた。講演の中で新井氏は、「私は外國人なので、外國語で執筆すると単語1つ1つへの理解と姿勢が母國語の作家とは異なっている。その中で生み出される効果は偶然かも知れないが、その偶然性こそが文芸作品が追い求めるところである」と語っている。
本微信號內容均為人民網日文版獨家稿件,轉載請標註出處。