【現実】女性差別が日本の大きな足かせに

2021-02-17 人民網日文版


國際的機関が行うイメージ調査で、日本に好イメージを抱いている人が多いことが幾度も示され、日本人も自信を高めている。しかし、「男女差別」という問題になると、日本人も肩身が狹い思いをしなければならない。世界の舞臺で、「慰安婦問題」が取り上げられ、日本人はばつの悪い思いをしなければならないほか、昨年の國連の関係機関の「日本の女子學生の13%が援助交際している」との指摘に、日本政府が不満を示した。今月7日、國連女性差別撤廃委員會(CEDAW)が発表した、日本向け最終見解も物議をかもし、日本では不満が巻き起こっている。

 

「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する條約」の実施狀況を審査するCEDAWは今回、「2009年の勧告が十分に実行されていない」と指摘し、日本政府にとっては非常に厳しい勧告となった。

 

今回の審査に、日本は、杉山晉輔外務審議官を含む、省庁からなる日本政府代表団(內閣府、外務省、文部科學省、厚生労働省、法務省、警察庁)約20人を派遣した。しかし、日本経済新聞社の中國語ニュースサイト「日経中文網」は「それでも、その結果は、日本にとって非常に厳しいものだった」と指摘した。日本政府はすぐに、「日本の歴史や伝統に根付いたもの」、「國際社會に日本の考え方、立場、現狀を理解してもらえるよう努力する」と抗議する聲明を出した。日本のベテランのメディア関係者は取材に対して、「毎回、女性差別の反面教師と見なされるなら、日本に大きな悪影響が及ぶ。名譽が損なわれるだけでなく、アニメなど日本が競爭力を有する産業も、『女性差別』とのレッテルを張られ、日本の経済収入に直接影響を及ぼす」と危機感を示した。

 

ドイツの週刊誌「フォークス」は、「男女不平等ランキングで、日本はバングラデシュにも及ばない。日本の女性の就業率はわずか6割で、他の國を明らかに下回っている。日本の會社の取締役會の女性の割合も1%以下。同じ仕事をしていても、同じ報酬を得ることができず、女性の給料は男性より約3分の1少ない。専業主婦は、賃金の安いアルバイトのように見なされている」と指摘する。

 

ドイツ・ベルリンの東アジア問題の學者は取材に対して、「日本の女性は、國際社會において、『やさしい』というイメージで知られる。著物を著て、おじぎをし、夫に料理を出し、普段もいつも微笑んでいる。ここ100年、このイメージは、日本のイメージ向上にもつながった。しかし、ここ10年、世界の男女平等ランキングにおいて、日本は下位に沈み、國際社會も実際の狀況を知る機會になっている。女性差別は、日本の國際イメージにおける大きな傷」との見方を示す。

 

 

英オックスフォード大學ロイター・ジャーナリズム研究所の元責任者のパディ・カート氏は取材に対して、「日本社會では昔から、女性をモノのよう扱う意識が存在する。日本の男性は依然として、女性は結婚後、男性や家族のモノと考えており、結婚を望まない女性が増える原因となっている。さらに日本の新生児の數は毎年減少している」と指摘した。


日本のNHK國際部デスクの編集長である玲子さんは、「彼氏と10數年付き合っているが、結婚はいまのところ考えていない。結婚すれば、名字が必ず変わる。そうなると、私が以前に発表した論文や法律文書など、全て名前を変えなければならない。複雑で面倒な作業で、時間をかけて他の人に説明もして、結婚前の私が結婚している私であることを証明しなければならない」と肩を落とした。

 

家庭の側面から見ると、日本の女性は夫を「主人」と呼び、ほとんどの女性が夫の名字に変わる。女性は家庭の「付屬」のような地位なのだ。日本の厚生労働省が2014年に発表した白書によると、日本の専業主婦の數は720萬人以上。これらの主婦の生活は夫や子供を中心に回り、醫療保険や年金なども夫に付隨する。

 

法律的側面から見ると、日本の民法第750 條に「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を稱する」とある。妻が夫の名字に変わるのが伝統という國も多いが、法律でそれを定めている國となると、非常に珍しい。その他、日本政府は今月8日、女性の再婚禁止期間を離婚後6カ月から100日に短縮する民法改正案を閣議決定した。しかし、男性の再婚には、時間的制限はない。これも、大きな女性差別と見なされている。

 

仕事という側面から見ると、日本は第2次世界大戦後、「男女平等」を憲法で定めているにもかかわらず、実際は散々たるものである。15年、日本國稅庁が発表した「民間給與実態統計調査」によると、民間企業に1年間を通じて勤務した人の1人當たりの平均給與は、男性が511萬3千円だったのに対して、女性は271萬5千円にとどまった。また、日本の厚生労働省の14年の統計によると、働く女性が第一子を妊娠した後に、育児休暇を取得して復職できた割合は正社員でも43.1%にとどまった。その他、今月1日、同省が発表した調査では、女性社員の28.7%がセクハラを受けたことが「ある」と答えた。

 


國際社會の批判を受け、日本政府は近年、一連の対策を講じている。例えば、15年8月、安倍首相は総理大臣公邸でワドワ駐日インド大使を筆頭とした女性駐日大使14人を招き、夕食會を開催した。同夕食會で安倍首相は、「日本政府は、世界の女性の地位を向上し、女性の健康と安全を保障するための努力を払う」と語った。また、同月、日本の外務省は東京で、「女性が輝く社會に向けた國際シンポジウム」を開催し、世界各國の女性リーダーが參加した。外務省は、「世界の日本社會は女性差別をしているという固定概念を変えなければならない。また、日本は女性の人権を保護する面で、世界の先頭を走っていることを、世界に知ってもらわなければならない」との見方を示した。

 

一連の対策を講じているものの、実際の効果は上がっていない。15年、日本政府が発表した「男女共同參畫基本計畫」は、「社會のあらゆる分野において,2020年までに、指導的地位に女性が佔める割合が、少なくとも30%程度になるようにする」という目標を掲げている。しかし、共同通信が今年1月末に発表した調査結果によると、日本の大企業において、安倍政権が掲げる目標まで、管理職に就く女性が大幅に増加できる可能性がある企業はごく一部であることが分かった。

 

九州大學のある學者は取材に対して、「日本の女性差別の現狀には、深い歴史的原因がある。政府は今に至るまで、慰安婦問題に正しく向きあっておらず、効果的な謝罪や賠償、慰問などに欠ける。政府が、過去に大きな被害を受けた慰安婦に一言の謝罪を述べないなら、女性差別の問題を真剣に解決しようとしていると信じるのは難しい」との見方を示す。

 

日本の女性の地位をめぐる問題は、「體系的差別」との聲もある。ドイツの週刊誌「ディー・ツァイト」は、「日本において、男女平等は、紙面上だけのこと。日本は文化改革が必要。その改革には、何世代もかかるだろう」と指摘している。

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