最近、中國のネットを賑わしているワードがある。それは「打工人」。日本語に訳すならば「ワーカー」または「働く人」といったところだろうか?今回は今年のホットワード入りを果たすかもしれない「打工人」を中心に、中國で働く人々にまつわる話題を紹介していこう。
「打工」という中國語は僱われて働く、またはアルバイトするという意味。そのため、「打工仔(男性の場合)」や「打工妹(女性の場合)」などは、臨時僱いの職業や地方からの出稼ぎ労働者を指すことが多い。この他にも、「臨時工(アルバイト)」や「農民工(農村からの出稼ぎ労働者)」といった単語もある。また會社で働く人々を指す単語としては、「上班族(サラリーマン)」や「白領(ホワイトカラー)」など。これらの単語はどちらかというと働く人を客観的に表す呼び名と言えるだろう。
一方で経済が発展し、競爭が激化していくのにつれて、働く中國人たちを取り巻く狀況もますますハードになっていき、人々のストレスも増している。それに伴い、働くことにまつわる自虐的な呼び名も使われ始めるようになった。その代表的なものとしては、日本語からそのまま使われるようになった「社畜」がいい例かもしれない。
さらには、もともとは建築作業に関わる肉體労働者たちのベーシックな仕事である「搬磚(レンガ運び)」を「単純作業でしかも低賃金」の仕事を指す代名詞として使用するようになったり、2016年に大ヒットした上海彩虹室內合唱団の「感覚身體被掏空(まるで體が空っぽになったみたい)」は社畜の悲哀をユーモアたっぷりに歌い上げた。そして2019年のホットワード入りを果たした「996」は朝9時から夜9時まで、週6日勤務という過酷な勤務スタイルを表現している。
では「打工人」とは?
現在のところ、「打工人」に定義されているのは、肉體労働から頭脳労働などに攜わる働く人全て。建設現場でレンガを運ぶ作業員も、オフィスで働くホワイトカラーも、中間管理職の人も、起業家も、「打工人」を自稱できるとしている。「打工」本來の意味から考えると、「僱われ者」となりそうだが、そうなると起業家というのは當てはまらなくなってしまう。そこで人民網では働く人という意味から「ワーカー」という訳語を採用している。
ただ、実際に「打工人」を使ったスタンプやネタを見る限り、確かに「社畜」のように上司や會社には従わざるを得ない身分でありながら、「社畜」ほど自虐的ではなく、かといって「ワーカー」というほどオシャレでもないのではないかというのが私個人の意見。しかし現在までに「ワーカー」よりもしっくりして、「打工人」のネタにも使える日本語の翻訳を思いつけてはいない。
自分を「打工」する人だと貶めつつも、やや皮肉りながら、前向きに今の狀況を受け入れ、でもちょっとバタ臭さを殘した「打工人」という言葉が、イマドキの働く中國人たちの心情を餘すことなく表現していたため、ネットで大きな話題を集めたのではないだろうか。
最近,有一個詞在中國很火,那就是「打工人」。翻譯成日語的話大概是「ワーカー(worker)」或者「働く人」。本期就一起來聊聊中國的「打工人」吧。「打工」在中文裡的意思是受僱工作或打零工,因此便有了「打工仔(男性)」「打工妹(女性)」,多指臨時僱用人員或外地務工人員。除此之外,還有「臨時工(アルバイト)」「農民工(農村からの出稼ぎ労働者)」等稱呼。而在公司工作的人則被稱為「上班族(サラリーマン)」「白領(ホワイトカラー)」等。才不是社畜,我們是打工人!
另一方面,隨著經濟的發展和競爭的加劇,中國的勞動者所面臨的壓力越來越大。於是,用於自嘲的新稱謂不斷湧現,其中比較有代表性的是直接從日語中「拿來」的「社畜」一詞。「搬磚」在中文裡原意為搬運磚塊,原本指從事建築工作的體力勞動者的一項基本工作,現在被用來戲稱「機械化重複又收入微薄」的工作;2016年曾經大熱的上海彩虹室內合唱團演唱的那首《感覺身體被掏空》以幽默的方式唱出了「社畜」的苦悶;「996」入選為2019年流行語,指的是從早上9點到晚上9點,每周工作6天的嚴酷工作狀態。最近出現的「打工人」一詞既可以指從事體力勞動的人,也可以指從事腦力勞動的人。無論是在建築工地搬磚的工人,還是在辦公室工作的白領,抑或是管理人員、企業家,都可以自稱是「打工人」。從「打工人」的字面意思來看,可能更像是「受僱者」,但是這樣就無法涵蓋自主創業的人了。基於以上考慮,人民網日文版把「打工人」這個詞,翻譯成了「ワーカー(worker)」。不過,在目前網上流行的表情包和段子裡,「打工人」和「社畜」一樣,似乎都蘊含著一種自下而上的服從。雖然「打工人」不像「社畜」那般自黑,也不如「worker」一般洋氣,不過,到現在為止,我還沒有找到比「ワーカー(worker)」更加合適且同時可以套用在「打工人」段子裡的日語翻譯。雖然「打工人」的說法有自嘲之意,但同時展露出的是接受現狀的積極心態。正是這樣的「打工人」,不僅能表現出當代中國勞動者的心境,也成為了最近流行的網絡熱梗。イラストで知ろう!イマドキ中國
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中國を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中國ってこんな國なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
手繪插畫看中國
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