現場げんばから、世界せかいを
魚さかなを食たべることについてです。
私わたしたちの食しょくにも大おおいに関係かんけいする
「海うみの豊ゆたかさを守まもろう」について、
さかなクンと一緒いっしょに考かんがえてみました。
さかなクンと探る 新しい「魚食」
今年ことしも記録的きろくてきな不漁ふりょうに見舞みまわれたサンマ、秋あきサケに、ホッケ。その一因いちいんとされるのが・・・「地球溫暖化ちきゅうおんだんか」。日本周辺にほんしゅうへんの海水溫かいすいおんは年々上ねんねんあがり、今後こんご100年ねんで1℃上昇じょうしょうするとみられています。その溫暖化おんだんかと不漁ふりょうがどう結むすびつくのか?東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせのさかなクンに聞きいてみると・・・
「それは、お魚さかなが変溫動物へんおんどうぶつだからなんです。お魚さかなですと、例たとえば(海水溫かいすいおんが)0.5℃ど上あがると私わたしたちにとって微熱びねつが出でた感かんじ。日本近海にほんきんかいの沿岸えんがんが溫あたたまってしまいますと『あついよ~!熱ねつがある!』ということで、より自分じぶんの身體からだに適てきした溫度おんどを求もとめて沖合おきあいあるいは深ふかみに移動いどうしてしまう。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
今年ことしはサンマの獲とれる海域かいいきがはるか沖合おきあいに変かわったことで、不漁ふりょうにつながったとみられています。関東近海かんとうきんかいでも異変いへんが・・・
今回こんかい、さかなクンの地元じもと・館山たてやまで漁師りょうしさんの船ふねに乗のせてもらい、どんな魚さかなが揚あがるのか調査ちょうさ。するといきなり・・・
「お!いいのがいました。この子こはですね、実じつは沖縄県おきなわけんでは県魚けんさかなとされるグルクン。グルクンと呼よばれるんですが水みずの中なかでは青あおっぽい綺麗きれいな色いろ、陸りくにあげると赤あかっぽい色いろになります。館山たてやまの海うみでも近年きんねんよく見みられるようになりました。なんで館山たてやまにグルクンが~!?」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
館山たてやまから遠とおく離はなれた沖縄おきなわに生息せいそくするという魚さかなが、多おおい日ひには數千匹すうせんひきも揚あがるといいます。他ほかにも・・・
「これはまた南みなみの魚さかなですね、ムレハタダテダイですね。こちらも割わりと南みなみの魚さかなでホウセキキントキといいます。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
以前いぜんは見みられなかったという南みなみの魚さかなが次々つぎつぎと。
「比較的南ひかくてきみなみの魚さかなでウスバハギといいます。頭あたまに角かどのような背せびれがありまして、別名べつめいは長崎県ながさきけんでよく獲とれるせいかナガサキイッカクハギという名前なまえもあります。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
さらに!
「フグ~!。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
さかなクンもテンションが上がる珍めずらしい魚さかなが!
「ギョギョ~!私わたしの大好だいすきな大おおきい大おおきいイシガキフグちゃんです。うわー可愛かわいいですね!目めがトロンとして、もともと暖あたたかいところの魚さかなですが、近年きんねんは房総ぼうそうの海うみも溫あたたかくなっているので、館山たてやまの海うみでも繁殖はんしょくしてるんじゃないかな。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
確たしかに変かわってきている魚さかなの生息域せいそくいき。獲とれるはずの場所ばしょで魚さかなが獲とれなくなり、また、これまでの亂獲らんかくなどの影響えいきょうもあって日本にほんの総漁獲量そうぎょかくりょうは減少げんしょう。このままでは日本近海にほんきんかいから食卓しょくたくでお馴染なじみの魚さかなが消きえる、そんな未來みらいを迎むかえる恐おそれも・・・
そこで今いま、始はじまっているのが「魚食さかなしょく」を見みつめ直なおす動うごきです。スーパーの鮮魚売せんぎょうり場ばをよく見みると黃色きいろいラベル。「マリン・エコラベル・ジャパン」とあります。これは漁師りょうしなど生産者せいさんしゃが適切てきせつな水揚みずあげ量りょうを守まもって獲とった、あるいは養殖ようしょくした魚さかなである証あかし。日本にほんが獨自どくじで始はじめました。
「生産者せいさんしゃの海うみを大事だいじにする、環境かんきょうを良よくするという思おもいを我々われわれが受うけ継ついでお客きゃくさんに伝つたえていく。その魚さかなを食たべてもらうことで今後こんご(の魚食さかなしょく)にもつなげてもらいたい。」 (「イトーヨーカ堂どう」マルシェ部ぶ谷川佑介たにがわゆうすけさん)
一方いっぽうで、食たべられるのに食たべられていない魚さかなも存在そんざいするといいます。
「せっかく獲とれても活用かつようされていない、いわゆる未利用魚みりようさかなが実じつに多おおい。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
未利用魚みりようさかなとは漁獲量ぎょかくりょうが少すくなかったり、身みが傷いたみやすかったりなどの理由りゆうから市場しじょうに出回でまわる機會きかいが少すくない魚さかなのこと。
「日本にほんには4000種しゅを超こえるお魚さかながいます。その中なかで私わたしたちがいただいているのは30種しゅから40種しゅ、ギョく(ごく)ひと握にぎり。もっと多種多様たしゅたようなお魚さかなをおいしくいただかなければ、もったいないと思おもう。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
そんな未利用魚みりようさかなを知しってほしい、食たべてほしいをコンセプトにした鮮魚店せんぎょてんが中目黒なかめぐろにある「sacana bacca」です。ヒゲソリダイにオオモンハタ・・・、売うり場ばに見慣みなれない魚さかながズラリ並ならんだまさに「リアルお魚図鑑さかなずかん」。市場しじょうからだけではなく、全國各地ぜんこくかくちの漁師りょうしや漁港ぎょこうからも直送ちょくそうしてもらっているそうです。
お店みせではおすすめの食たべ方かたを紹介しょうかいしたり、魚さかなを捌さばけないというお客きゃくさんのために刺身さしみにしたり、內臓ないぞうを取とったりするサービスも。さらに、魚さかなをより知しってもらおうと子こども向むけに1日鮮魚店體験にちせんぎょてんたいけんも定期的ていきてきに行おこなっています。
「珍めずらしいお魚さかなを食たべてみたいと思おもいました。」(イベントに參加さんかした子こども)
「あんまり知しらなかったけど、いろんな種類しゅるいを知しれてよかったです。」(イベントに參加さんかした子こども)
そして、未利用魚みりようさかながいただけるというフレンチの店みせも。原宿駅近はらじゅくえきちかくにある「シンシアブルー」。ミシュラン一ひとつ星ほしの名店めいてん「シンシア」が始はじめた新業態しんぎょうたいです。テーブルブッフェスタイルをとり、未利用魚みりようさかなをメインにした前菜ぜんさいなどオードブルだけで10種類以上しゅるいいじょうもあり、お値段ねだんは4900円えん、おかわりまでできるんです。
こちらはオアカムロという未利用魚みりようさかなを炙あぶって、春菊しゅんぎくを茹ゆでたソースで味付あじつけした料理りょうり。そのお味あじは・・・
「美味おいしいです!良よい脂身あぶらみがのったお魚さかなという感かんじがします。この下したの春菊しゅんぎくのソースのちょっと苦にがみのある味あじわいがまた、お魚さかなを引ひき立たてますね。しっとりしてます、魚さかなが。これは何なにかしているんですか?」(良原安美りょうはらやすみアナウンサー)
「ごめんなさい、何なにもしてないです。この魚自體さかなじたいがかなりポテンシャルの高たかい魚さかななので。」(シンシアブルーシェフ吉原誠人よしはらまことさん)
「これが未利用魚みりようさかななんてもったいないですね。」(良原安美りょうはらやすみアナウンサー)
美味おいしいのは未利用魚みりようさかなだけではありません。こちらは環境かんきょうに配慮はいりょし、適切てきせつな量りょうを守まもって水揚みずあげされた、瞬しゅん〆しめスズキをパイ生地きじで包つつみ焼やき上あげた、見みた目めがたい焼やきのメインディッシュ。
「中なかのお魚さかながふわ~っと柔やわらかくてとっても美味おいしいです。さらに周まわりのパイの塩味しおあじがまたいいですね。」(良原安美りょうはらやすみアナウンサー)
ソースにもこだわりが。
「貝かいのおだしをぐーっと詰つめて、そこにミルクのカプチーノを合あわせたソース。かなりまろやかにしてます。」(シンシアブルー シェフ 吉原誠人さん)
フレンチでありながら、土日どにちは子こども連づれもOK。そこにはオーナーのこんな思おもいが・・・
「今後こんごの食しょくの未來みらいを考かんがえたときに、子こどもにちゃんとした食事しょくじを伝つたえる場ばがなかなかない。こういうお店みせをやることは意味いみがあることだと強つよく感かんじています。」(Sincereオーナー石井真介いしいしんすけさん)
各地かくちで広ひろがる環境かんきょうに配慮はいりょした「魚食さかなしょく」。一方いっぽうで海うみの中なかの変化へんかは待まったなしです。
千葉県ちばけん・館山たてやまの海うみでは近年きんねん、溫暖化おんだんかに伴ともないサンゴが増加ぞうか。こうした海うみの生態せいたいの変化へんかこそ、生いき物ものたちが発はっしているメッセージだと、さかなクンはいいます。
「お魚さかなは環境かんきょうの変化へんかにすごく正直しょうじきに行動こうどうします。水みずが溫あたたかいからはるばるここまで來きたぞ、環境かんきょうが変かわってきてるんだよって、身みをもって教おしえてくれているメッセージですね。どうしてだろう?なんでここまで來きたの?って、他人事ひとごとじゃなくて自分事じぶんごととしてしっかり認識にんしきすることが海うみをお魚さかなを大切たいせつにすることにつながると思おもいます。」(東京海洋大學名譽博士とうきょうかいようだいがくめいよはかせさかなクン)
***單詞釋義***
不漁 · ふりょう:捕魚量少捕獲不多每日5分鐘,練耳朵,學鮮活詞彙
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