11月11日のネット通販イベントである「ダブル11」が近づき、サプリメントが多くの若者が絶対に買っておきたい商品となっている。以前なら、サプリメントと言うと、高齢者が購入するものというイメージだったが、今はなぜ若者の間で人気になっているのだろうか?
若者はどんなサプリメントを「買い物かご」に入れている?
「ダブル11」を前に、20代の若者約200人が集まるSNSグループで、調査を実施したところ、約100人がサプリメントを「買い物かご」に入れていた。人気の商品はビタミン、ミネラル、プロテインなどだ。
「ダブル11」を目前に控え、多くのECプラットフォームの若者をターゲットにしたサプリメントを販売するショップは、次々に値下げを実施している。そして、ストレス軽減や免疫力アップ、アイケア、夜更かしに必須のアイテムなどの売り文句が飛び交っている。価格は100‐500元(1元は約15.6円)の間の商品がほとんどで、高価なものなら1400元以上する商品もある。
あるECプラットフォームの統計によると、今年の6月18日に実施されたネット通販イベントでは、アイケアサプリの売上高が前年同期比4126%増、プロテインの売上高が同751%増、ビタミン系のサプリメントの売上高が同387%増となった。その主力は「95後(1995‐99年生まれ)」と「00後(2000年以降生まれ)」で、アクティブユーザーが前年同期比で126%増となった。
サプリメントは戀人へのプレゼントにも選ばれている。靳琪さん(仮名)は最近、彼氏からコラーゲングミ、グレープシードタブレット、クランベリーサプリ、複合ビタミン、アイケアサプリをプレゼントされた。「大きい瓶と小さい瓶合わせて8本。毎日、11個服用している」のだという。
あるECプラットフォームが公開している今年のバレンタインデーの消費統計によると、最も人気のプレゼントランキング2位に、あるブランドのビタミンC発泡錠が入った。その売上高は前年同期比2774.4%増で、ある有名ブランドの限定版口紅セットを上回った。
「見えない飢餓」と不規則な生活習慣がサプリメントブームの火付け役
若者をターゲットにしたライフシェアプラットフォームで、サプリメントを購入している人の年齢を見ると、16、17歳の學生から、40歳過ぎの「美しさを追い求めるママ」までおり、そのうち20‐30歳がメインだった。ある女子學生(17)は取材に対して、「美白、アンチエイジングのために、年間7種類のサプリメントを服用している」と話した。
若者にサプリメントは本當に必要か?
中國農業大學食品科學・栄養工程學院の程永強教授は、「若者のサプリメント人気はある程度合理的と言える。現在の人々の多くは『見えない飢餓』という問題に直面している。『見えない飢餓』というのは、體のタンパク質や脂肪が過多となる一方、ビタミン、ミネラルなどが不足した狀態だ」と説明する。
また、仕事のストレスや夜更かしなどにより、亜健康(病気と健康の中間の狀態)になる若者が増え、サプリメントのニーズが高まっている。
一部の専門家は、「市場で出回っているサプリメントの概念は非常に幅広く、多くの人が『サプリメント』と『健康食品』がごっちゃになっている」と指摘する。程教授は、「例えば、プロテインは、健康を促進する効果がある単なる普通の食品」と説明する。
國際食物政策研究所の樊勝根所長は、取材に対して、「栄養補充剤は、『見えない飢餓』を解決する方法の一つ。しかし、食べ物を通して栄養を補充するほうが得策と言える」との見方を示す。また、米パデュー大學の食品工程博士の雲無心氏も、「バランスの取れた食事をしていれば、サプリメントを服用する必要は全くない」とする。
どのようにすればバランスの取れた食事をすることができるのだろうか?
2016年に発表された「中國住民食事ガイド」は、1人當たり1日平均12品目以上の食物を食べ、1週間に25品目以上食べるようにとアドバイスしている。毎日食べる必要があるものには、穀物・イモ類、野菜・果物類、肉・魚・卵・牛乳類、大豆・ナッツ類などがある。
サプリメントで摂取することができる栄養素はどれも普段の食事を通して摂取できるものばかりだ。天津市第一セントラル病院・栄養科の主任醫師・譚桂軍氏によると、大人の場合、1日に10ミリグラムのビタミンCを摂取しなければならない。旬の果物、ナツメをそれぞれ100グラム食べれば、243ミリグラムのビタミンCが含まれている。「1日にナツメを3‐4個食べれば、體に必要なビタミンCを摂取できる」のだ。
その他、専門家は、「若者は運動を習慣にしなければならない。1週間に少なくとも5日、中強度の運動を合わせて150分以上し、毎日6000歩以上歩くのがベスト」としている。
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