一、企業の防疫関連の行動を全力を挙げて支援する
(一)防疫において重要な役割を果たす企業に対して財政面及び稅金面の支援度合いを高める。國家政策により、防疫用関連物資の生産企業が生産能力を高めるため新たに設備を購入した場合、購入資金を所得稅の納付前に一括にて控除することを許可し、増値稅の増分控除稅額を全額返卻する。納稅者が防疫用重要物資の運送サービス、公共に関する交通輸送サービスと生活サービス、及び一般市民の生活必需品の宅配サービス(集荷と配送の両方)を提供することで得る収入に対して、増値稅の徴収を免除する。関連する防疫用薬品及び醫療機器の登録費を免除する。民間航空會社が納めるべき民用航空発展基金を免除する。政府が応急のため徴用し政府指示のもと重要な防疫用物資を生産する企業に対して、生産コストが実際の販売価格よりも高い場合、その政策による赤字損失を市の財政によって全額補填する。重要な防疫用物資に関して、企業が既に輸出の契約を結んでいるにも関わらず、政府の徴用によって國內販売に転じた場合、企業はそれに伴う追加の稅金負擔をしないこととする。防疫作戦において社會的責任を勇敢に擔う企業及び個人を表彰する。
(二)防疫重點企業に対する特別金融信用貸しの支援度合いを強める。開発性銀行、政策性銀行、國有大型商業銀行の上海支店及び上海法人銀行が積極的に人民銀行の特別再貸付政策を利用し、重要な防疫用醫療物資や生活必需品の生産、運送及び販売を行う重點企業(小規模企業を含む)に対して、優遇的な利子率による貸付を提供し、さらに財政が半分にあたる利子の補助を行い、企業が負擔する利子率が1.6%以下となるよう確実に保証する。上海市にある金融機関が金融債券や特定使途の債券を発行し、資金調達して防疫関連領域に投資することを支持する。
(三)防疫関連企業への直接的な融資ルートを広める。上海の金融市場の役割を存分に発揮し、防疫関連企業に対するサービスの度合いを強め、これらの企業の上場、再貸付、吸収合併、債券及び資産擔保債権の発行などを支援する。防疫関連の科學技術創新型企業による上海証券取引所の「科創版」への上場を促進し支持する。ベンチャー企業への投資や持ち株による投資を行う機関に対して、その社會資本を関連醫療設備、ワクチンや薬品の開発及び生産企業に投資するよう促す。
(四)保険による保障の効果を強める。醫療物資が不足し、防疫用品関連企業が輸入を要望することに関して、中國信用保険上海分公司に対して積極的に輸入前払い金保険を展開するよう促す。今回の新型コロナウイルスによる肺炎が原因で損失を受け、保険請求を申請する顧客に対して、賠償すべきものは全體を迅速に賠償するようにする。保険機構が湖北省に支援するまたは上海市の防疫業務に攜わる醫療関係者や一般協力者に対して、無償にて傷害保険及び期間限定の生命保険を提供するよう促す。傷害保険、疾病保険などの保険責任範囲を広げ、新型コロナウイルスによる肺炎を保険適応範囲內にすることを支持する。
(五)重要な防疫用物資の生産販売を行う企業が生産を拡大し、生産効率を高め、輸入量を増やすなどの行為を支援する。政府が応急のため徴用した企業に対して、技術改造手當てを支給し、徴用された企業が防疫用物資生産のために応急的に実施した技術改造等について、後日の認定によりプロジェクト費用総額の50-80%を財政から補填する。徴用された企業が政府指定の防疫用物資を生産するために費やした生産能力拡大費用について、最高でその全額に該當する支援を受けることが可能である。防疫関連業務が完了後、企業が政府の徴用または政府指示の生産によって発生した物資の餘剰分について、企業が継続して販売を行ってもなお消化しきれない場合、規定により政府の備蓄物資及び一括買付けとして解決する。輸入した醫療用物資に関して、統括的配分後にも餘剰分がある場合、規定により市の備蓄物資として収め入れる。品目及び數量の指定を受けて買付けを行った民間用防疫物資について、企業が継続して販売を行ってもなお消化しきれない場合、規定の手順により市の備蓄商品に収め入れるよう検討する。
(六)輸入される防疫用物資に対して納稅優遇を実行する。國家政策により、防疫用に寄付された輸入物資に対し輸入関稅及び輸入過程で発生する増値稅並びに消費稅を免除する。市衛生健康主管部門が主體となって輸入を手配し、直接的に防疫に用いられる物資に関しては関稅を免除し、既に徴収された免除すべき稅金は返卻する。
(七)輸入される防疫用物資が迅速に通関できるようグリーン通路を開設する。輸入される防疫用物資の専用受理窓口及びグリーン通路を開設、主要な通関港において7日×24時間のフルタイム通関體制をとる。2ステップ通関と事前通関などの業務モデルを総合的に運用し、検査が必要な防疫用物資に対して優先的に手配し、到著次第直ちに検査を行い、終了次第直ちに受け渡す。免稅を受ける輸入品防疫用物資に関しては、登記のみで受け渡し、後日関連証明を提出することも可能である。
(八)防疫関連製品の研究開発を支援する。上海市において新型コロナウイルスの診斷と治療に関する新規開発及びその産業化を組織し、戦略的新興産業専用資金、産業転換向上専用資金、科學技術創新計畫専用資金などのルートを通して支援を行い、防疫関連新製品の迅速な生産化と応用化を推し進める。
二、各種企業の負擔を確実に軽減する
(九)企業の建物賃貸料を減免する。中小企業が上海市所有の國有企業の経営的不動産(各種開発區及び産業園區、創業基地並びに科學技術企業孵化器など)を賃貸している場合、まずは2月と3月の月間賃貸料を免除する。間接的に賃貸している企業に関しては、その実質の借り手企業まで減免が行き屆き、実際の経営活動を行う企業が最終的に受益するように確保する。國有企業に対して、なるべく協議の上、減免や納付の遅延等の形を通して中小企業に利益を譲ることを促し、それによる減収の影響を経営業績考課の際において認める。大型オフィスビル、ショッピングモール、園區などの市場運営主體に対して、その場所で実質的な経営活動を行う借り手企業の賃貸料減免を実施するよう促す。自主的にテナント企業の不動産または土地使用賃貸料を減免し、その後において不動産稅、城鎮土地使用稅等の納付に困難が生じた場合、該當する不動産稅及び城鎮土地使用稅の減免申請を可能とする。
(十)納稅申告を延期する。防疫期間中において、その影響により納稅者が法定期限內に申告することが困難な場合、法に従って延期を申請することができる。疫業事態の影響により期限通りに稅金を納めることが困難な場合、納稅延期の諸條件に適していれば、法に従って最大でも3ヶ月を超えない納付延期を許可する。疫業事態の影響により、期限通りに申告できなかった納稅者、または稅金を納付できなかった納稅者に対して、主管する稅務機関の確認を経て、該當する滯納金及び稅務行政処罰を免除することができる。
(十一)関係企業及び個人に対して納稅を優遇する。防疫期間中において、不動産または土地が応急のため政府に徴用された企業に対して、不動産稅及び城鎮土地使用稅の納付が確かに困難である場合、該當する不動産稅及び城鎮土地使用稅の減免を申請することができる。國家政策により、疫業事態の影響を強く受け、窮地に立たされた業種の企業について、2020年度の赤字損失を最大繰越年限5年間から8年間まで延長する。社會の力に呼びかけ、積極的に防疫のために現金及び物資を寄付した場合、規定により所得稅前に全額控除することができる。関連する寄付の品物は増値稅、消費稅及び付加稅費を免除する。防疫関連業務に參加した醫療関係者及び一般協力者が政府規定の基準に沿って支給された手當てとボーナス、並びに組織から個人に配布された防疫に必要な防護品については、個人所得稅を免除する。
(十二)定期定額個人事業主の納稅負擔を免除する。防疫期間において、定期定額納稅の個人事業主は法により定額稅額が免除される。
(十三)一時的に旅行サービス品質保証金を返金し、文化事業建設費に対して補助する。國家政策に従って、2020年2月5日から、規範に沿った経営活動を展開し、信用性が良好な旅行會社に対して、旅行サービス品質保証金の80%を一旦返金し、2022年2月5日より前に返納するものとする。生活サービス業のうち、文化事業建設費の納付該當者に対して、疫業事態の影響度合い及び実際の納付金額に応じて一定の財政補助金を支給する。
三、多様な金融手法にて企業の窮地からの脫出を手助けする
(十四)様々なルートを通じて企業に資金的支援を提供する。浦発銀行、上海銀行、上海農商銀行に対して、防疫関連業務に攜わるまたは疫業事態の影響を強く受けた業種及び中小零細企業への信用貸しの拡大化を促し、防疫期間中において関連信用貸しの利子率は同期貸付市場の最優遇利子率(LPR)を最低限でも25bp下回ることを要求する。上海にあるその他の金融機関に対してもこれを參照し実行することを促す。金融サービスのグリーン通路を開設し、防疫用物資生産企業などにとっての利便性を高める。金融機関に対して、積極的に「銀稅互動」や「上海市ビッグデータ普恵金融応用」などのプラットホームを利用し、業績考課の調整や不良容認度を高めるなどの措置によって中小企業への信用貸付支援を拡大するよう促す。
(十五)キャッシュフローが困難に陥った企業への支援を強める。旅行、ホテル、飲食、卸販売、小売、交通運輸、倉庫管理及び物流、文化娯楽、會議展示など、疫業事態の影響を大きく受けた業種に対して貸付による支援を拡大し、返済計畫の変更や、返済期限の延長、元金返済なくても貸付の継続などの手法をとり、期日までに返済が困難な企業を支援する。途中で貸し付けた元金を取り押さえたり、貸付を取り止めたり、貸付金を著金させないなどの貸し渋り行為をしない。オンラインによる貸付延長申請システムの構築を早める。疫業事態の影響を受けて返済が滯った場合、関連する貸付分類評価基準を合理的に調整するよう取り計らう。
(十六)融資擔保に対する支援を強める。上海市政策性融資擔保基金の役割をさらに発揮し、2020年度における政策性融資擔保による貸付が前年度より30億元以上の増額となることを確実にする。防疫用物資関連重點保障企業と疫業事態によって大きく影響を受けた中小零細企業に対して、政策性融資擔保基金がより一層支援の度合いを強める。中小零細企業ローンを新規申請する場合、融資擔保費率を年間あたり0.5%まで引き下げ、最擔保比率も半減して徴収、起業擔保ローンに関しては引き続き擔保費用を免除する。
四、企業を支援し安定僱用に確実に取り組む
(十七)失業保険において安定僱用還付政策を継続して実施する。2020年度においても、上海市は引き続き、リストラをしない、またはリストラが少ない、一定條件に満たした僱用組織に対して、その組織及び従業員が前年度中に実際納めた失業保険料総額の50%を還付する。
(十八)社會保険納付基數の調整時期を延期する。2020年から、上海市従業員社會保険納付年度(従業員醫療保険年度を含む)を本年7月1日から翌年6月30日までとし、3ヶ月の延期とする(2019年従業員社會保険納付年度は2020年7月1日まで順延)。
(十九)社會保険の納付時期を延長することが可能である。疫業事態の影響を受け、上海市社會保険に加入している組織、自由職業者及び都市と農村の一般市民が予定された時間に加入登記や社會保険費の納付などの業務を行えない場合、疫病の収束後に追納することを許可する。保険加入している組織が期限を過ぎた後に保険料を納付する場合、上海支社會保険事務局に申告登録することで滯納金が免除され、従業員個人権益の記録にも影響を來たさない。関連する追納手続きは疫病の収束から3ヶ月以內に完了することとする。
(二十)研修費に対して助成金政策を実施する。疫業事態の影響を受けた上海市の各種企業に対して、稼動休止期間中に従業員(企業に勤務する派遣型従業員を含む)を取りまとめてオンラインによる職業訓練に參加させた場合、それぞれの區にある教育付加専用資金による企業従業員研修助成金の適用範囲に納め、実質研修費用の95%にあたる助成金を受領できる。プラットホーム型企業(EC企業)及び新業態企業はこれらを參照して実行する。
(二十一)従業員醫療保険の料率を適切に引き下げる。醫療保険基金の収支狀況により、保険加入者の醫療保険待遇水準が下がらず、また醫療保険制度の安定運営を前提に、2020年度の従業員醫療保険において、暫定的に組織の納付料率を0.5%引き下げる。
(二十二)臨機応変な僱用政策を実施する。疫業事態に影響を受け、生産経営狀況が困難に陥った企業は、給與體制の調整や職務內容の交代制、休暇の交代制、フレックスタイム制、年度內休日総數の利用調整などの方法を用いて僱用の安定性を維持するようにできる。具體的措置は企業と従業員の協議によって確定するものとする。
五、順序よく企業の再稼動と生産開始を促進する
(二十三)企業の再稼動または生産開始にあたり、サービス的及び保障的業務をきちんと実行する。再稼動または生産開始する企業の防疫安全措置について、監督や促進すると同時に手助けもする。各企業の再稼動とその後の生産経営活動における需要に焦點を當て、マスクや體溫計、消毒液などの防疫用物資の提供を強化する。揚子江デルタエリアの提攜體制を基盤に、業種協會や産業連盟などの専門機構の役割を発揮し、原材料の供給や物流運輸など、多様性に富んだ方法によって企業と企業の連攜を強め、確実に企業の再稼動または生産開始の手助けをする。
(二十四)企業僱用における保障の度合いを強める。企業の防疫に関する自己管理システムとそれに伴うリスクを評価しつつ、企業に対して疫業事態が安定している地域出身の従業員を優先的に呼び戻し就業させるように情報案內をする。僱用の供給と需要の調整役を務め、企業僱用のためのプラットホームを構築し、ウィーチャット、インターネット及びテレビなど多様なチャンネルにおいて招聘活動を展開し、企業間交流のルートを広げ、僱用難問題の緩和と解決を取り計らう。
(二十五)新技術、新モデル、新業態の企業の発展を育成し、支援する。EC、オンライン教育、オンラインオフィス業務、デジタルエンターテイメント、デジタルライフ、AI配送などの新業態新モデルの育成を強化し、インターネット診療、オリジナル新薬、醫療用品、醫療機器など健康産業の発展を推進し、成長スピードが速い一部の創新型中小企業に注目し支援する。「科學技術創新券」による科學技術型中小企業への支援度合いを強化する。2020年度においては、科學技術創新券の使用申請について受理する場合、上限額を30萬元から50萬元まで引き上げる。通信運営企業に対して、疫業事態の影響をひどく受けた中小企業を対象に、6ヶ月以上の無料クラウドテレビ會議など、クラウドオフィス業務を提供することを支持する。
六、企業に対するサービス及びビジネス環境の最適化を図る
(二十六)企業へのサービス體制の最適化を図る。積極的に政府業務サービス「オンライン窓口一本化」オフィシャルサイトの利便性を発揮し、市民用リンクと企業専用リンクの機能分けを強化し、「隨申辧」APPのサービス範囲を広げて、上海市の企業サービスクラウドを活用し政策サービスにおける「末端の1キロ」をつなげ、一部「會わずにして審査事項完了」の実現を目指す。國際貿易「単一窓口」オフィシャルサイトにて中小貿易企業の専用サービスリンクを設け、防疫期間中において実際に接觸することなく、通関、物流、金融などの一連とした輸出入業務の処理を完結する。上海市企業サービス聯席會議の役割を一層発揮し、企業が生産経営融資投資の過程で遭遇する「行き詰まり」や「歯がゆさ」を問題視し、解答と解決を図る。
(二十七)企業信用度の回復體制を完備する。疫業事態の影響により不信行為が生じた企業のため、信用回復業務を展開する。疫業事態の影響で収入源を一時的に失った企業に対して、未然の返済予定を調整し、調整後の狀況を信用記録に殘すこととする。防疫関連業務に加わったことで企業に納品の遅延やローン返済の延期、契約期間の違反などのような不信行為があった場合、それが原因で不信リストに掲載することはしない。疫業事態の影響で期日通りに履行できないまたは契約そのものが履行できなくなる國際貿易関連の企業に対して、上海市貿易促進會が不可抗力事項証明を発行する。
(二十八)法的サービスによる保障を強化する。応急公共法律サービス體制を構築し、オンラインや予約の手法を優先的に採用し、公証や法律援助などのサービス業務を提供する。不可抗力事項による免責など、防疫に関わる法律問題について、迅速に需要のある企業に対して指導と助言を行う。企業において疫業事態の影響が原因で契約の履行や労使問題について紛爭が生じた場合、弁護士や公証人、調停人など専門性のある法律サービスの提供者を取りまとめてコンサルティング、指導、調停サービスを展開する。
企業の安定かつ健全的発展のため、國家がその他のサービス措置を発表した場合、上海市はそれに準じて執行する。上海市政府の各関連部門が本政策措置の実施細則について責任を持って作成し発表する。各區政府はそれぞれの區の実情に合わせて、具體的な実施方法を提示する。本政策措置は公表の日を以って施行し、有効期限は新型コロナウイルスによる肺炎の疫病事態が収束した後の3ヶ月までとする(具體的な政策措置において明確に執行期限を定めている場合は、それに従う)。
全ての政策措置について、上海市政府各関連部門が解釈の権限を有する。また、日本語版と中國語版の間に齟齬が生じる場合、中國語版を基準とする。