國務院からの権限委譲を受て、國家発展改革委員會、外交部(外務省)、商務部(商務省)は28日に共同で、「シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの共同建設推進のビジョンと行動」を発表した。「ビジョンと行動」は次の8つの部分で構成されている。(1)時代背景、(2)共同建設の原則、(3)枠組の構想、(4)協力の重點、(5)協力メカニズム、(6)中國各地の開放の狀況、(7)中國の積極的な行動、(8)美しい未來をともに創造する――の8部分だ。「ビジョンと行動」はこれらの面から「1ベルト、1ロード」の主張と內実を示し、「1ベルト、1ロード」の共同建設の方向と任務を打ち出している。以下ではこの文書から20の要點を選び出した。人民日報海外版が伝えた。
▽なぜ「1ベルト、1ロード」は打ち出されたか
(1)地域協力
開かれた地域協力の精神にのっとり、世界の自由貿易體系と開放型の世界経済を維持することは、國際社會の根本的利益に合致し、人類社會の共同の理想と追求とを示すものであり、國際協力と世界統治の新たなモデルの積極的な探求であり、世界の平和発展にプラスのエネルギーを加えるものだ。
(2)発展戦略のドッキング
コネクティビティプロジェクトは、沿線各國の発展戦略のドッキングと融合を推進し、地域內市場の潛在力を掘り起こし、投資と消費を促進し、需要と就業を作り出し、沿線各國の人々の文化交流や文明間の相互參考を高めるものとなる。
(3)中國の世界へのさらなる融合
中國経済と世界経済は現在、緊密に結びついている。中國は、対外開放という基本的國策をこれまで通り貫き、全方位に開かれた新たな局面を構築し、世界経済體系へとさらに融合していく。
▽「1ベルト、1ロード」とは何か
(4)「1ベルト、1ロード」の協力方向
シルクロード経済ベルトは、▽中國から中央アジア、ロシアを経て歐州(バルト海)へ、▽中國から中央アジア、西アジアを経てペルシャ灣、地中海へ、▽中國から東南アジア、南アジア、印度洋へ――の通路を重點として切り開く。21世紀海上シルクロードの重點方向は、▽中國沿岸の港から南中國海、インド洋を経て歐州へ、▽中國沿岸の港から南中國海を経て南太平洋へ――とされる。
(5)國際大通路と経済迴廊の共同建設
陸上では、國際的な大型ルートを拠り所として、「新ユーラシアランドブリッジ」や中國・モンゴル・ロシア、中國・中央アジア・西アジア、中國・インドシナ半島などの國際経済協力迴廊を共同で打ち立てる。海上は、重點港をつなぐ形で、スムーズで安全、効率的な輸送の大通路を共同建設する。中國・パキスタン、バングラデシュ・中國・インド・ミャンマーの2つの経済迴廊は、「1ベルト、1ロード」の建設と密接にかかわっており、協力をさらに進め、さらなる進展を上げなければならない。
▽「1ベルト、1ロード」をいかに建設するか
(6)政策の意思疎通
沿線各國は、経済発展の戦略と対策について十分な交流と調整を行い、地域協力を推進する計畫と措置を共同で制定し、協力中の問題の解決を話し合い、実務的な協力と大型プロジェクトの実施に共同で政策支援を提供する必要がある。
(7)施設の相互連結
交通面では、未整備區間を優先的に建設し、滯っている區間の流れを改善し、道路の開通・到達レベルを上げる。エネルギー面では、國際的な電力・送電ルートをの建設を推進し、地域送電網のアップグレードや改造での協力を積極的に展開する。通信面では、國際光ケーブルなど通信幹線ネットワークの建設を共同推進し、情報のシルクロードをスムーズ化し、大陸間海底光ケーブルプロジェクトを計畫・建設する。
(8)貿易のスムーズ化
投資・貿易の利便化の問題を解決し、投資と貿易の障壁をなくす。國境通関地の「単一窓口」(ワンストップサービス)の建設を加速し、通関コストを引き下げ、通関能力を高める。貿易の新たな成長分野を掘り起こし、貿易の均衡化を促進する。投資の利便化プロセスを加速し、投資の障壁をなくす。相互投資の分野を拡大し、新興産業の協力を推進する。中國は、各國企業が中國に來て投資することを歓迎し、本國企業が沿線國のインフラ建設と産業投資に參加することを奨勵する。
(9)資金の流通
沿線國の二國間の通貨スワップや決済の範囲や規模を拡大する。アジアインフラ投資銀行やBRICS新開発銀行の設立を共同推進し、関係各方面は上海協力機構の融資機構の設立について話し合いを展開する。シルクロード基金の設立・運営を加速する。沿線國の政府と信用ランクの比較的高い企業、金融機構が中國大陸部で人民元債券を発行することを支援する。條件に合致した中國大陸部の金融機構と企業は、大陸部外で人民元債券と外貨債券を発行し、沿線國による調達資金の使用を奨勵することができる。
(10)人々の心の意思疎通
教育・文化の分野では、中國は、沿線國に毎年1萬人分の政府奨學金を提供し、世界文化遺産を共同申請し、沿線各國の観光客のビザの利便化水準を高め、沿線國による大型國際スポーツ大會の開催を支援する。醫療・衛生の分野では、突発的な公共衛生事件を協力処理する能力を高め、関連する國に醫療援助と緊急醫療救助を提供し、伝統醫薬の分野での協力を拡大する。科學技術協力の分野では、連合実験室(研究センター)や國際技術移転センター、海上協力センターを共同設立し、重大な科學技術の難関突破を共同で展開する。
▽中國各地はどのような強みを発揮することになるか
(11)西北・東北地域
新疆の獨特な地理的優位性と西側に開けた重要な窓口としての役割を発揮し、シルクロード経済ベルトの中核地域を打ち立てる。西安を「內陸型改革開放」の新たな高みへと引き上げ、蘭州・西寧の開発・開放を加速し、寧夏の「內陸開放型経済試験區」建設を推進する。ロシアやモンゴルに連なる內蒙古の地理的な優位性を発揮させ、黒竜江のロシア向け鉄道ルートと地域鉄道網を整備し、黒竜江・吉林・遼寧とロシア極東地域との陸海連攜輸送の協力を促進し、北に向かって開かれた重要な窓口を打ち立てる。
(12)西南地域
ASEAN諸國と陸と海で隣り合っている広西の獨特な強みを発揮し、21世紀海上シルクロードとシルクロード経済ベルトの有機的につながった重要な関所を形成する。雲南の地理的な強みを発揮し、南アジアや東南アジアへと広がる中心地として建設を進める。西藏(チベット)地域とネパールなどの國との國境貿易や旅行文化協力を推進する。
(13)沿海と香港・マカオ・臺灣地域
福建を後押しし、21世紀海上シルクロードの中核地域を建設する。「広東・香港・マカオ大灣エリア」を建設する。海外の華僑同胞や香港・マカオ特別行政區の獨特な優位性を発揮させ、「1ベルト、1ロード」の建設に積極的に參加する。臺灣地區の「1ベルト、1ロード」建設への參加を適切に処置する。
(14)內陸地域
西部の開発・開放の重要な支えとして重慶を建設し、成都・鄭州・武漢・長沙・南昌・合肥など內陸の開放型の経済的な高臺を築く。「中歐列車」のブランドを樹立し、國內外と東部・中部・西部の連結の輸送ルートを建設する。
▽これまでにどのような成果があったか
(15)協力枠組の締結
中國は、一部の國と「1ベルト、1ロード」共同建設の協力覚書を締結し、一部の近隣國と地域協力と國境協力の備忘録、経済貿易協力の中長期発展計畫を締結した。
(16)プロジェクト建設の推進
中國は、沿線の関係國との意思疎通・協議を強化し、條件の整った重點協力プロジェクトを推進した。
(17)政策措置の整備
中國政府は、アジアインフラ投資銀行の設立準備を調整し、シルクロード基金を発足させ、中國・ユーラシア経済協力基金の投資機能を強化する。銀行カードの決済機構は國際決済業務を展開し、支払い機構は國境支払い業務を展開する。
▽さらなる推進に何が必要か
(18)タイムスケジュールとロードマップの制定
中國は沿線國とともに、「1ベルト、1ロード」の協力の內容と方式を充実化し、タイムスケジュールやロードマップをともに制定し、沿線國の発展と地域の協力計畫を積極的にドッキングさせる。
(19)理解と賛同の促進
協力研究やフォーラム、展示會、人員研修、交流訪問などの多くの形式を通じて、「1ベルト、1ロード」の內容・目標・任務などに対する沿線國の理解と賛同を深める。
(20)モデルプロジェクト建設の推進
中國は沿線國とともに、モデルプロジェクトの建設を著実に推進し、二國・多國の利益に配慮したプロジェクトをともに確定し、各方面が同意し條件が整ったプロジェクトは始動・実施を急ぎ、できるだけ早い成果の実現をはかる。
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