昔、あるところに、じいさまとばあさまがおりました。ある日、じいさまは山へ柴刈り(しばかり)にいきました。「チュンチュン。チュチュチュ…」。すると、一羽(わ)の雀(すずめ)が飛(と)んできて、木に吊(つ)るしておいた弁當(べんとう)を食(た)べてしまいました。「ぼちぼち、めしにするかのう」と、じいさまが弁當の蓋(ふた)を開(あ)けると、「おや…」。弁當箱の中で、すずめが寢ておりました。「なんとめんこい雀じゃあ」。
很久很久以前,在某個地方住著老爺爺和老奶奶。有一天,老爺爺上山砍柴。「啾啾啾啾」一隻麻雀飛來,把掛在樹上的便當吃掉了。「差不多該吃飯啦。」老爺爺打開飯盒一看「呀」飯盒裡,有隻麻雀睡著了。「多麼可愛的麻雀呀。」
じいさまは、すずめに「おちょん」という名前(なまえ)をつけて、たいそうかわいがりました。「おちょん、ほら、ご飯だよ。」「チュンチュン。」「うまいか? そうか。ほうら、もっとおたべ。」「チュンチュン。」ばあさまはおもしろくありません。「ふん。すずめの分際(ぶんざい)で米(こめ)のめしをくうとは、贅沢(ぜいたく)なやつだよ。」
老爺爺給麻雀起名叫「巧兒」,非常寵愛它。「巧兒,來,吃飯了。」「啾啾」「好吃麼?好吃呀,那多吃點呀。」「啾啾」但是老奶奶卻不高興。「哼,給麻雀吃大米,糟蹋東西。」
その日もじいさまは、柴刈り(しばかり)に出かけました。ばあさまは洗濯(せんたく)をしようと、お米(こめ)をにて、洗濯(せんたく)のりをつくりました。「いいかい、おちょん。となりの貓にのりをたべられないように、番(ばん)をしておくんだよ。」ところが、ばあさまは川へ洗濯に行くと。「チュンチュン。チュッ、チュッ。」おちょんはのりをぺろりと食べてしまいました。「やや!のりはどうした!」「となりの貓が食べました」「うそをつけ。おまえの口にのりがついているじゃないか。よくも大事なのりをくってくれたな。ころしてやるわ!」おちょんの舌(した)をはさみで切ってしまいました。
有一天,老爺爺又去砍柴了。老奶奶想去洗衣服,用大米做了些洗衣漿糊。「巧兒,你看著漿糊,別讓隔壁的貓吃掉了。」老奶奶去河邊洗衣服了。「啾啾」巧兒轉眼間就把漿糊吃光了。老奶奶回來一看,「漿糊呢?」「隔壁的貓吃掉了。」「你撒謊,你嘴邊還沾著漿糊呢!你竟敢把珍貴的漿糊吃了,我宰了你!」說著,拿剪刀把麻雀的舌頭剪了下來。
ばあさまがおちょんの舌を切ったと聞いて、じいさまはつぎの日、おちょんを探しに出かけました。「すずめのおやどはどこかいな 舌切りおちょんはどこいった。」じいさまが歩いていくと、牛(うし)あらいにあいました。「牛あらいどん、ここをしたきりすずめがとおらなかったかい。」「おう。とおった、とおった。牛をあらったこの水を飲みほしたら教えててやろう」「はっはっは、よし。この先に馬(うま)あらいがいるから、聞いてみるといい」。
老爺爺聽說老奶奶把巧兒的舌頭剪掉了。第二天,就出去找麻雀了。「麻雀的家在哪裡呀?沒了舌頭的麻雀去哪啦?」老爺爺往前走著,遇到了一位給牛刷洗的夥計。「小夥計呀,有隻剪掉舌頭的麻雀從這飛過麼?」「有啊,有啊,你把給牛洗刷的水都喝光,我就告訴你。」老爺爺把水喝掉了。「哈哈哈,前面有個給馬梳洗的夥計,你問問他就行啦。」