高い青空に彼女のツッコミが吸いこまれていく。僕は久しぶりに訪れる山內家に思いをはせた。前に行った時は、初めてお兄さんに會い、話をさせてもらった。
她的吐槽融入了高高的藍天。我回想起好一陣子沒去的山內家,上次去的時候,第一次見到她哥哥,說上了話。
「そういえば誰かと一緒にあの子の家に行くのは初めてだ」
「這麼說來,我第一次跟別人一起去她家。」
「それが一番の説教ポイントなんだよ」
「這才是最需要說教的重點呢。」
極めて不毛で楽しいやりとりをしながら、僕らは今度は一緒に桶とひしゃくを返した。もう一度お墓の前に戻って、『今から家の方に行くね』と聲をかけて、來た道を戻ることにする。
我們享受著超級無聊又好玩的對話,一起把水桶和杓子拿回原處歸還,接著再度回到墓前,跟她說:「我們現在要去你家了。」然後沿著原路回去。
あの道を帰るのは少し億劫《おっくう》だったけれど、ここにいたところで不毛で愉快なやりとりをするだけなので、非生産的だ。
那條路回去有點辛苦,即使來到這裡,也不過只是愉快地扯些有的沒的,完全是白搭。
僕はまた、來た時と同じように先ゆく恭子さんの背中を追った。
我跟來時一樣,追著恭子同學的背影前進。
手を合わせて、目を瞑《つぶ》る。
雙手合十,閉上眼睛。
想いを、僕だけのものから、君に贈るものにする。
我的心意只屬於我,因此,我將它獻給你。
許してほしい。ここで思うこと。
我希望你原諒我在此的思緒。
祈ること。
原諒我在此祈願。
こんな僕だから、まずは文句を言わせてもらう。
因為我這麼沒用,所以讓我先抱怨一下。
簡単じゃなかった。君が言うほど、感じるほど。
一點也不簡單。沒有你說的、你感覺的那麼簡單。
人と関わるのは簡単じゃなかったよ。
跟別人往來一點也不簡單啊。
難しかった、本當に。
好難,真的。
だから一年もかかってしまったんだ。これは僕の責任でもあるけれど。
所以我花了一年的時間。雖然這我也有責任就是了。
でも、やっと僕は選んでここまで來られたんだ。そのことは褒めてほしい。
但是,我終於自己選擇來到了這裡,這點希望你能稱讚我。
僕は一年前、選んだんだ。君みたいな人間になることを。
我在一年前做出了選擇,要成為像你一樣的人。
人を認められる人間に。人を愛せる人間に。
能夠獲得別人認可的人,能夠愛別人的人。
そうなれているかは分からないけれど、少なくとも僕は選んだんだ。
我不知道自己是不是能成為這樣的人,但至少我選擇了。
僕はこれから、君の親友で、僕の初めての友人である彼女と君の家に行くよ。
我現在要跟你的好朋友,也是我第一個女生朋友一起去你家。
本當は三人で會えればよかったんだけれど、それはできないから、仕方ない。それは天國でやることにしよう。
本來要是能三個人一起聚聚最好,但因為辦不到,也就無可奈何了。那就等到天國再相會吧。
どうして君のいない家に二人で行くのかというと、あの日、君のお母さんとした約束を果たしに行くんだ。
為什麼我們兩人一起去你不在的你家呢?因為那天我答應了令堂。
遅いだろって? それは恭子さんにも言われた。
也太遲了吧?恭子同學也這麼說。
言い訳を聞いてほしい、僕はこんな人生を歩いてきたものだから、例えば友達というものの基準が分からなかったんだ。
我希望你聽我解釋。我一直都是自己一個人活過來的,所以搞不清楚到底怎樣才算是朋友。