この後、図書室についてからのことを詳細に説明するのは嫌なので、簡潔に説明すると、彼女は噓をついていた。それも、必要ないだろうに図書室の先生と結託して。
我不想詳細說明之後在圖書館發生的事。簡而言之,就是她說謊了,而且她還跟老師串通好的。
図書室の仕事なんてなくて、僕が真面目に先生に仕事內容を尋ねると、呼び出されてあげた僕を彼女と先生は高らかに笑った。即時帰宅を試みたものの、先生が謝りながらお茶菓子を出してくれたのでそれに免じて許してやった。
圖書館分明沒事,我認真地問老師有什麼工作要做,她跟老師一起哈哈大笑。我本來立刻就要回家的,老師一面道歉一面端出點心,我就姑且原諒了他們。
しばらくお茶をしてから、今日は早めに図書室を閉めるということで追い出された。その段になり僕は初めて彼女になぜ意味のない噓をついたのか訊いた。さぞかし大層な理由があるんだろうな、と思って。
喝了一會兒茶,圖書館今天要早點關門,我們就離開了。這時我才第一次問她為什麼要說這種沒意義的謊,我以為一定有什麼重大的理由。
「別に。いたずらが好きなだけだよ?」
「沒什麼。我只是喜歡惡作劇。」
こいつ……、と思ったけれどそれを表に出しては、いたずらをしかけた者の思うつぼなのだろうと、靴箱に向かう途中で一回彼女の足を引っかけるに留めておいた。彼女は軽やかに僕の足を飛び越え、片眉を吊り上げた心底むかつく顔をした。
這家夥……我心裡這麼想。但要是在臉上表露出來,就正中了惡作劇者的下懷。我們走向鞋櫃的途中我打算絆她一下,她輕盈地越過我的腳,揚起一邊眉毛,一臉不爽。
「いつか狼少年みたいになって罰を受けるといいよ」
「你小心跟放羊的孩子一樣得到報應。」
「だから膵臟《すいぞう》やっちゃったのか、神様ちゃんと見てるねー。君は噓ついちゃ駄目だよ」
「所以我的胰臟壞掉了啊,老天的眼睛是雪亮的呢!你可不能說謊喔。」
「膵臟やっちゃったら意味ない噓ついていいっていうルールはないからね」
「沒人規定胰臟壞掉了就可以隨便說謊吧!」
「え、そうなの? 知らなかった。ところで【仲のいいクラスメイト】くん、お晝ごはん食べた?」
「哎,是嗎?我不知道。對了,『交情好的同學』,你吃了中飯嗎?」
「食べてるわけないよ。いきなり君に連れて行かれたんだから」
「雖然沒吃。你突然把我叫去不是嘛?」
できるだけ厭《いや》みったらしく聞こえるように言ったところで、靴箱に著いた。
我儘量以不悅的口氣說。我們走到鞋櫃處。
「どうするの?」
「那要怎樣?」
「スーパーに寄ってお惣菜でも買って帰るよ」
「去超市買點熟食回家吃。」
「まだ用意してないんだったら一緒に食べに行こうよ。私んちお父さんもお母さんも今日はいなくてさ、お金だけ渡されてるんだよねー」
「沒東西吃的話就一起去吃吧。我爸媽今天都不在家,只給了我錢。」
「…………」
「…………」
靴を履き替えながら、彼女がした提案をすぐに唾棄《だき》してやろうかと考えたけど、実際、僕は答えあぐねた。斷る理由を明確に創り出すことができなかったからだ。昨日感じた、「少し楽しかった」という本心も邪魔をした。
我換上鞋子,心想要立刻拒絕她的提議,但卻回答不出來,因為我無法找出拒絕她的明確理由。昨天感受到的「有點開心」幹擾了我。
外靴をはいてつま先を鳴らしてから、彼女は一度大きく伸びをした。今日は少し雲が出ているので、太陽も昨日よりは弱気だ。
她穿好鞋子,踏了踏腳尖,伸了一個懶腰。今天天空有點雲,陽光沒有昨天那麼強。