盛夏,一丘油黑的收割過即將插晚稻的田裡,金龍正在烈日下耙田,他那古銅色的背夾中間泉流般的汗水直往下淌。田埂上,一個小孩正爬在地上嗷嗷啼哭,聲音已哭得嘶啞。這是他的女兒,她媽半年前生下她難產去世。現在家裡只剩下父女倆。
ある暑い夏の日のことである。刈り取りが終わって黒い地肌を出した田ん圃では、はやくも晩稲の田植えの準備が始まっていて、金竜が焼けつく日差しのなかをせっせと田を耕していた。赤銅色に変わった背中からは吹き出した汗がしたたり落ち、田ん圃の畦では、はいつくばった赤ん坊の泣き聲がぎゃーぎゃー聞こえていたが、その聲もどうやらかすれてきたようだ。この赤ん坊は金竜の娘であるが、母親は難産で、半年まえにこの子を産んだ時に死んでしまった。いま家は金竜と赤ん坊の二人暮らしである。
金龍趕著牛,一臉愁苦。此刻,女兒的聲聲啼哭像針扎一樣刺痛著他的心。隔著兩丘田是青姑家的西瓜地,青姑正在地裡守瓜。她長得挺秀氣。或許是小孩長久的哭聲打動了她,只見她站起身跑過去抱起小女孩開始哄起來。但那孩子怎麼哄還是一味兒哭,哭得脖根鼓出青筋來。
牛を追う金竜の表情は苦しげだった。娘の泣き聲がまるで錐のように胸のおくまで突き刺さってくるのだ。だがちょうどそのとき、田ん圃二枚をへだてた青姑の家の西瓜畑では、青姑が畑の番をしていた。彼女はなかなか器量も良いし気立ても良い。赤ん坊が何時までも聲を枯らして泣いているのをほっておけなかったのだろう。すっくと立ち上がると赤ん坊に駆け寄り、抱き上げてあやし始めた。しかし赤ん坊の泣き聲はなかなか止まらず、そのうち首に青筋がたってきた。
金龍喝住牛,走上田埂,對青姑說:「我是沒法子的,等會兒回家給她一點麵糊吃就行,她肚子餓了。」
「那你趕快回去,餵她東西吧。」
「唉,秧期都快過了,田還沒弄好,這孩子又為難人,真夠……」
「金龍哥,那我幫你帶孩子好啵?反正我在瓜園裡沒事做。」
「怎能麻煩你呀。」
「不會麻煩的,你是怕我哄不好孩子?」
金龍默然。
金竜は牛を止めると、畦に駆けあがり、青姑に聲を掛けた。
「どうも済まんね。もちょっとしたら家に帰って重湯をやるけん、腹が空いとるんや」
「そんならぐずぐずしとらんと、はよう帰ったらどげんね」
「田植えばいそがなにゃならんとに、まだ準備ができとらん。この子がまた難儀やけん、ほんとに」
「にいちゃん、そしたらうちが赤ちゃん見とってやるけん」
「そらいかん、あんたに迷惑はかけられんわ」
「迷惑なことはなか、赤ちゃんばようあやしきらんて思うとるとね?」
金竜には返す言葉がなかった。
插圖:葉曙光
青姑的瓜園裡搭了一座涼棚,她把孩子摟在懷裡坐在鋪上,爾後切一塊西瓜送到孩子張開的嘴邊。可孩子不吃,小腦袋直往她懷裡亂鑽,碰在青姑隆起的乳房上。倏然間,她想起了什麼,臉頰火辣辣一般燒著,她抬頭朝棚外環顧了一下四周,靜靜的,除了金龍在耙田外,沒其他人的蹤影。
青姑の西瓜畑には日除け小屋がある。彼女は小屋にはいってござに腰をおろすと、西瓜をひときれ切って赤ん坊の口に入れようとしたが、赤ん坊は口を橫にふって受け付けず、小さな頭を青姑の懐にもぐり込ませようとしきりにもがいているうちに、円い乳房にぶつかった。一瞬何を思ったのか、彼女はたちまち頬を真っ赤にしたが、こっそり小屋の外を覗くと周囲はひっそりとして、田ん圃の中の金竜以外に人影もなかった。
於是,她便悄悄撩起胸前的衣衫:一隻豐挺的乳房露了出來。她趕緊把乳頭輕輕塞進孩子飢餓的嘴裡。這時,孩子拼命地吮吸著青姑的乳頭。儘管沒有乳汁,但孩子卻不哭了。
青姑心底頓然漾起一股異樣的情感,她甜甜地閉上了眼睛……
彼女はそっとシャツの前を引き上げ、ふっくらした片方の乳房を引き出して泣きわめく赤ん坊の口に含ませると、たちまち赤ん坊は力一杯吸い始めた。むろんお乳は出はしないが、赤ん坊は泣くのをやめたのだ。
青姑の體の奧から一種異様な感情が湧いてきた。彼女はうっとりとして目を閉じた。
等她睜開眼時,面前突然站著兩個人——是她爹和家生,家生是她的未婚夫。
「傷風敗俗的賤貨!沒點做姑娘的規矩!你!你……不要臉,給我滾!」青姑爹粗暴地大罵著,重重地搧了她幾個耳光,打得青姑踉蹌栽倒在地。家生冷冷地看了她一眼,悻悻地走了。瓜園的籬笆外,金龍一切都看在眼裡。
人の気配にふと目を開けると、目の前に二人の男が立っていた。父親と婚約者の家生だった。
「何ちゅうはしたない! 生娘のすっことか! こげん恥知らず、顔もみとうなか!」 父親が大聲で罵倒しながら力いっぱいビンタをくわすと、彼女はよろよろと地面に倒れこんだ。家生は冷やかに彼女を一瞥するとぷりぷりしながら帰っていったが、金竜はこの一部始終を、西瓜畑のまがきの外からじっと眺めていた。
翌日,青姑臉上又添了幾塊青紫印。她坐在瓜園裡不時低頭啜泣。金龍繼續在耙田。田埂上仍放著孩子。日上中天時,他的孩子又開始哭起來。青姑聽到哭聲,抬頭朝那邊望望,卻沒有起身。
翌日見ると、青姑の顔は青いあざだらけで、西瓜畑に座ったまま、ときおり顔を伏せてすすり泣いていた。一方金竜は今日も畦に赤ん坊を寢かすと、相変わらず田ん圃を耕していた。太陽が中天に上る頃になると、またまた赤ん坊の泣き聲が聞こえて來たが、青姑は顔をあげてちょっと聲のする方を見ただけで、動こうとしなかった。
哭聲越來越刺耳,爾後越來越低弱。青姑心裡像貓爪子抓揉著,仿佛掉進了一個無底的魔圈……她悶了好久,最後還是抬起腳走出瓜園,跑到孩子身邊,把她抱在懷裡,邊哄邊哼起古老的童謠——
しかし赤ん坊の泣き聲が耳に突き刺さるようになり、それがやがて弱々しく変わっていくのを聞いていると、青姑の胸の內は、可愛いい子貓にやさしく爪を立てられて、しだいに底なしの魔の渕に引き込まれて行くようだった。彼女は暫く迷っていた。しかし、とうとう自分を抑えきれずに畑を飛び出し、赤子を抱きあげると體であやしながら昔から伝わる童謡を歌い始めた。
月光光 秋招郎 騎白馬 過圓塘
圓塘背 種韭菜 韭菜花 結親家……
青姑定定地望著懷中孩子熟睡的小臉。不知什麼時候,她抬起頭,卻見金龍正站在她面前,大顆大顆的淚珠從他男子漢的眼眶裡滾了下來……
月の明るい秋の夜に 殿御は白い馬に乗り 円い池越えやって來る
池のほとりにニラ植えましょう 花咲くときに結ばれる
青姑は自分の腕の中でぐっすり寢込んだ幼子の顔をじっとみていた。どれくらい経ったろう、ふと顔をあげると目の前に金竜がだまって立っていたが、彼の目からは大粒の涙が溢れていた。
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