纖雲弄巧,飛星傳恨,銀漢迢迢暗度。金風玉露一相逢,便勝卻人間無數。
柔情似水,佳期如夢,忍顧鵲橋歸路。兩情若是久長時,又豈在朝朝暮暮?
故事跟小時候學的差別有點大啊。。。。
むかしむかし、あるところに、一人ひとりの貧まずしい若者わかものがいました。
若者わかものの仕事しごとは、年としを取とった牛うしの世話せわです。
そのため人々ひとびとは、若者わかものの事ことを牽牛けんぎゅうと呼よびました。
牽牛けんぎゅうとは、牛うし引きという意味いみです。
ある日ひの事こと、一匹の牛うしが主人しゅじんの牽牛けんぎゅうに言いいました。
「ご主人しゅじんさま、南みなみの川かわに行いってごらんなさい。美うつくしい天女てんにょたちが水浴みずあびをしていますよ。もし、天女てんにょをお嫁よめさんにしたかったら、天女てんにょの羽衣はごろもを一いち枚まい取とり上あげるのです」
「天女てんにょがお嫁よめさんか。いいな」
そこで牽牛けんぎゅうが南みなみの川かわに行いってみると、確たしかに七人にんの天女てんにょたちが楽たのしそうに水浴みずあびをしていました。
牽牛けんぎゅうはそっと岸きしに忍しのび寄よると、脫ぬぎ捨すてられていた羽衣はごろもに手てを伸のばしました。
しかしそれに気きがついた天女てんにょたちは、あわてて自分じぶんの羽衣はごろもをつかむと、ひらりひらりと天てんに舞まい上あがってしまったのです。
それでも牽牛けんぎゅうは、何なんとか一いち枚まいの羽衣はごろもを手てに入いれる事ことが出來できました。
そして羽衣はごろもを取とられて天てんに帰かえる事ことが出來できなくなった一人ひとりの天女てんにょが、泣なく泣なく牽牛けんぎゅうのお嫁よめさんになったのです。
この天女てんにょの名前なまえは、織姫おりひめと言いいます。
さて、それからほどなくして、牽牛けんぎゅうに天女てんにょの事ことを教おしえてくれた牛うしが重おもい病気びょうきにかかりました。
牛うしは、牽牛けんぎゅうに言いいました。
「わたしが死しんだら、わたしの皮かわをはいで金の粉をつめてお持もちなさい。それと一緒いっしょに、この鼻輪はなわもお持もちなさい。そうすれば、きっと助たすけになるでしょう」
やがて牛うしが死しぬと、牽牛けんぎゅうは言いわれた通とおりにしました。
それから、三さん年ねんの月日つきひが流ながれました。
織姫おりひめは牽牛けんぎゅうとの間あいだに、男おとこの子こと女おんなの子こを一人ずつ産うみました。
二人ふたりの子こどもの母親ははおやになった織姫おりひめですが、織姫おりひめは一日たりとも天てんの事ことを忘わすれた事ことはありません。
織姫おりひめは牽牛けんぎゅうの顔色かおいろを見みては、
「わたしの羽衣はごろもは、どこにあるのですか?」
と、何なん度ども何なん度ども尋たずねました。
しかし牽牛けんぎゅうはいつも、
「さあ、どこにあるか忘わすれたよ」
と、言いうばかりです。
でもとうとう、織姫おりひめは酒さけに酔よって機嫌きげんの良よい牽牛けんぎゅうから、羽衣はごろもを隠かくしてある場所ばしょを聞き出きだしたのです。
「しまった!」
ふと我われに返かえった牽牛けんぎゅうは、あわてて織姫おりひめを引ひき止とめようとしたのですが、その時ときにはもう、織姫おりひめは衣ころもをまとって天てんに舞まい上あがった後でした。
「頼たのむ、行いかないでくれ!」
牽牛けんぎゅうは二人ふたりの子こどもを両りょうわきにかかえると、織姫おりひめを追おってふわりと空そらに飛とび上あがりました。
実じつは持もっていた牛うしの皮かわの力ちからで、牽牛けんぎゅうは空そらを飛とぶ事ことが出來できたのです。
織姫おりひめは牽牛けんぎゅうの姿すがたを見みると、かんざしを抜ぬいて天てんに長ながい線せんを書かきました。
すると線せんはみるみる広ひろがって、流ながれの早はやい川かわになりました。
そこで牽牛けんぎゅうは牛うしの皮かわにつめた金の粉こなを川かわにまいて、金の砂地すなじの道みちを作つくりました。
そして牽牛けんぎゅうがなおも追おいかけて行いくと、織姫おりひめはまた線せんを引ひきました。
今度こんどの線せんは、大おおきな天あまの川がわになりました。
金の粉を使つかい果はたした牽牛けんぎゅうには、もうどうする事ことも出來できません。
「ちくしょう!」
怒おこった牽牛けんぎゅうは、肩かたにかけた鼻輪はなわを向むこう岸ぎしに投なげました。
すると織姫おりひめも、
「何なにをするのよ!」
と、はたおりのおさを向むこう岸ぎしに投なげ返かえしました。
「二人ふたりとも、やめなさい」
ふいに、まっ白しろいひげの神かみさまが現あらわれて言いいました。
「天てんの世界せかいでけんかをするとは何事なにごとです! 二人ふたりとも、今いますぐ仲直なかなおりをしなさい」
神かみさまの命令めいれいでは、仕方しかたありません。
牽牛けんぎゅうと織姫おりひめは、しぶしぶ言いいました。
「では、わたしたちは一いち年ねんに一いち度どだけ、會あう事ことにします」
こうして二人ふたりは七ななの月つきの七ななの日ひに、天あまの川がわで會あう約束やくそくをしたのです。
それが、七月しちがつ七日なのかの七夕たなばたです。
天あまの川がわを見みると、牽牛けんぎゅうと織姫おりひめの星ほしのそばには小ちいさな星ほしが二ふたつ見みえますが、それは夫婦ふうふげんかをした時ときに投なげ合あった、鼻輪はなわとおさと言いわれています。
おしまい