むかしむかし、とても酒好さけずきな男おとこが、町まちでお酒さけを飲のんでの帰かえり道みち、急きゅうに喉のどが渇かわいて水みずを飲のみたくなりました。
很久很久以前,有個嗜酒如命的男子,在鎮裡喝完酒回家路上,突然感覺口乾舌燥很想喝水。
「ああ、喉のどが渇かわいたな。どっかに水みずはないかな?」
「啊,喉嚨好幹啊。什麼地方有水啊?」
辺あたりを見回みまわすと、一軒いっけんの家いえの前まえに水みずの入はいったおけが置おいてありました。
看了一下周圍,看到一戶人家前面放了裝了水的木桶。
それはとても汚きたない水みずで、蚊かの幼蟲ようちゅうのボウフラがたくさんわいていましたが。
這水很髒,飄著很多蚊子的幼蟲。
「もう、我慢がまんできん!」と、酒飲さけのみはおけの中なかに首くびを突づっ込こんで、その汚きたない水みずをガブガブと飲のんだのです。
「算了,忍一下吧!」酒鬼一頭扎進木桶裡,咕咚咕咚喝了一肚子水。
「あー、喉のどの渇かわきが治おさまった」
「啊—終於不渴啦」
ところがお腹はらの中なかのボウフラがウヨウヨと動うごくので、気持きもちが悪わるくなって家いえに帰かえっても寢ねる事ことが出來できません。
但是喝下去的幼蟲在肚子裡遊來遊去,感覺很噁心,就算回了家也無法入眠。
そのうちに治なおるだろうと思おもいましたが、お腹はらのウヨウヨは朝あさになってもひどくなるばかりです。
原以為可以治好的,可是到了早上,肚子裡的蠕動反而越發嚴重了。
「弱よわったなあ」
「可真虛弱啊」
酒飲さけのみが青あおい顔かおで寢ねていると、友ともだちがやって來きました。
酒鬼臉色蒼白的睡著的時候,朋友來了。
「どうした?そんなに気持きもちの悪わるそうな顔かおをして」
「怎麼回事?臉色這麼差啊」
酒飲さけのみが訳わけを話はなすと、友ともだちが言いいました。
酒鬼就把事情原委告訴了朋友。
「それなら、金魚きんぎょを飲のめばいい。ボウフラは金魚きんぎょのエサだから、金魚きんぎょがみんな食たべてくれるさ」
「這樣的話,吃條金魚就好了啊。幼蟲是金魚的食物,所以金魚都能幫你吃光的」
「そうか、その手てがあったか」
「這樣啊,還有這一手呢」
酒飲さけのみはさっそく、金魚きんぎょを一匹飲いっぴきのみ込こみました。
酒鬼馬上吞了一條金魚。
ところが、お腹はらに入はいった金魚きんぎょがボウフラを追おい回まわすので、餘計よけいに気持きもち悪わるくなりました。
但是,進入到肚子之後的金魚到處追幼蟲,反而更加覺得噁心了。
「ちえっ、つまらん事ことを教おしえやがって」
「切,盡告訴我一些沒用的」
酒飲さけのみが気持きもち悪わるそうに寢ねていると、別べつの友ともだちがやって來きて言いいました。
酒鬼很不舒服的躺著的時候,另外一個朋友來了說道。
「それなら、鳥とりを飲のめばいい。鳥とりなら、ボウフラも金魚きんぎょも食たべてくれるさ」
「那樣的話,吃個鳥就好了。鳥的話,蚊子幼蟲和金魚都能吃掉了」
「そうか、その手てがあったか」
「這樣啊,還有這一手呢」
酒飲さけのみは、さっそく鳥とりを飲のみ込こみました。
酒鬼馬上吃了一隻鳥。
鳥とりはボウフラも金魚きんぎょも食たべてくれましたが、食後しょくごの運動うんどうにお腹はらの中なかでバタバタと暴あばれるので、酒飲さけのみはお腹はらが痛いたくてたまりません。
雖然鳥既能吃蚊蟲也能吃金魚,但是鳥吃完後就在肚子裡做運動,撲騰撲騰地亂飛,酒鬼的肚子痛的不得了。
「ちえっ、つまらん事ことを教おしえやがって」
「切,盡告訴我一些沒用的」
酒飲さけのみは青あおい顔かおで、鳥とりが暴あばれない様ようにお腹はらを押おさえていました。
酒鬼臉色發青,按住肚子不讓鳥亂飛。
するとそこへ、また別べつの友ともだちがやって來きて言いいました。
這時候,又有朋友來了。
「それなら、おれのおじさんを呼よんでやろう。おれのおじさんは鳥とりを捕つかまえる名人めいじんだ」
「這樣的話,喊一下我的叔叔吧。他是捕鳥的名人呢」
「そうか、その手てがあったか」
「這樣啊,還有這一手呢」
それで酒飲さけのみは鳥とりを捕つかまえる名人めいじんのおじさんに、お腹はらの中なかへ入はいってもらうことにしました。
於是,酒鬼就讓捕鳥名人鑽到自己的肚子裡去。
おじさんはいつもの様さまにかさをかぶり、鳥とりを捕つかまえるさおを持もって酒飲さけのみのお腹はらの中なかへ入はいっていきました。
大叔像往常一樣,戴上草帽,帶上捉鳥的竿子就進到了酒鬼的肚子裡去了。
さすがは名人めいじんです。あっという間まに鳥とりを捕つかまえると、外そとへ出でて來きました。
不愧是名人,一會兒功夫就捉到鳥出來了。
ところがうっかりかさを忘わすれてしまったので、酒飲さけのみのお腹はらはガサガサして、ますます気持きもちが悪わるくなったという事ことです。
但是由於太粗心,忘記拿草帽了,所以草帽在酒鬼的肚子裡沙沙作響,讓他覺得更加不舒服了。