皆さん、こんにちは!美濃輪泰史です。
北京での23日間の隔離生活を終えた僕は現在浙江省で中國テレビドラマの撮影をしております。
大変有難いことに、多くの方からぜひともその後の日記も書いてほしいというリクエストをいただきました。そんな皆さんに僕が日記を書くことで微力ではありますが少しでも楽しんで頂けたら自分としては幸いです。不定期ではありますが日記を書きたいと思います。
4月16日~22日の僕の浙江省橫店撮影所の様子を簡単にお伝えますね。
前回もお伝えしましたが、僕らの撮影組が泊まっているホテルでは製作スタッフから毎日必ず食事が提供されます。
↑こちらが組から提供される朝飯です(ゆで卵、饅頭、中華まん、そしてタラバガニと馬刺しが入ってますな。←分かりやすい噓をつくな!)
メイク室↓
↑毎日俺が変顔ばかりしてるからメイクさんも普通にスルーしてますね。きっと呆れているんでしょう。
今日の変顔↑
しかし変顔しか持ちネタがないんじゃお笑い芸人としては辛いところ。(←いつから芸人になったんや!)もうちょっと引き出しを増やさないとね。
メイクを終えて建物から出ようとすると何やら攜帯を持って出待ちをしている集団がいた。おっ!これはまさか俺のファンか?もしやTOKOTOKOの日記を見て中國での俺の知名度も上がったのかな。
參ったな~俺もいよいよ中國でスターか。いやー照れるぜ^^オイラもう天狗になっちゃおうかな。
と思いきや、実は彼らは俺を出待ちして撮っていたのではなく、俺の後ろにたまたま居た某中國の若手人気女優を撮っていたのでした。彼女をみんな出待ちしていたわけですね。ジャンジャン。(なんやねん、このオチは!)
↓こちらはホテルの前
↑エキストラの方々です。ホテル前に集合してから全員一斉に出発します。現場で座る椅子は各自自分で用意します。
ここで簡単に中國での役者の優先順位をご説明します。
まず一番目に主役がいます。男の主役を中國語で「男一號」と言います。ヒロインは「女一號」と呼稱します。
二番手の役は「男2號」、「女2號」となってます。3番手以降の役はサブキャスト、「所謂脇役」になります。
今回のドラマで僕の出番は全30話中10話くらいなのでサブキャストに當たります。
そして「特約演員」と呼ばれる役者の位置づけがあります。これは出番が1日、2日のみの役を演じる方です。(臺詞は1言のみだったりします。)
さらに「跟組演員」というのがあり、これはドラマ撮影がスタートする初日から終了までの數ヶ月間自分の出番が有る無しに関わらずずっと撮影組と共に生活します。
(臺詞はほぼありません。エキストラに近い存在かも。)そして最後に「群眾演員」、エキストラがいます。
あとは偶に大物俳優のゲスト出演というのもあります。これを中國語で「客串」と呼びます。
因みにこちらが主役級の役者だけに用意される車兼控え室です↓(スターの方以外は乗ることが許されない車)
これはハリウッドの現場でもよく見ますがトレーラーという車ですね。
この中にはベッドルームやバスルーム、トイレ、リビング、テレビ、キッチンなどが完備されていて家みたいな感じです。(もはや住めますな。)
主役の方は現場で自分の出番がないときは基本この車両で休憩します。
そういえば以前アメリカで知り合った日本人俳優の松崎悠希さんがハリウッド映畫に出演した時は巨大なトレーラーが用意されたと言っていたなぁ。(ハリウッドの大作映畫の場合はトレーラーの中に暖爐まで完備されいたとか。もはやスケールが違うな。)
↑寫真左に寫っているのは松崎悠希さん。(日本人で唯一あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出演されている。)僕がとても尊敬している役者の一人です。
そしてこちらが僕ら脇役に用意される控えテントです↓
當然、主役と脇役とエキストラでは待遇も全く変わってきます。ギャラも天と地の差がありますし提供されるロケ弁當も違います。
現場での拘束時間もみんな違います。エキストラは一番朝早く現場に來て一番最後に現場から帰宅します。
主役は一番遅く現場に來て一番早く現場から帰宅します。まあ主要キャストの方は契約を交わす時に労働時間や待遇などが徹底して決めてますからね。
(いつか僕も年収10億くらい欲しいな~)←一生無理やて。
主要キャストの方は皆助手をつけたりしてますね。所謂カバン持ちみたいな。サブキャストでも助手を僱っている役者もいます。
僕も以前スタッフに「助手を僱いなよ。」って勧められたことがありますが僕には全く必要ないですね。1日中現場でそばに居られても気が散るし僕の場合は逆にこちらが助手に気を使ってしまうわ。
そして撮影組の中には演者以外にもそれぞれ各部門に分かれています。
↑こちらは現場で音聲を録る録音部ですね。
↑そしてこちらは照明部(クレーンで照明を吊るしてます。)
↑そしてこちらが美術部が用意した表札。
↑この救急車も美術部?大道具部になるのかな?多分。
↑こちらはカメラを扱う撮影部。(しかしカメラマンって本當かっこいい!もし俺が役者やってなかったらカメラマンになってたと思う。)
そしてメイク部、衣裝部があります。
↑これは衣裝部が用意した衣裝。
あとは現場を指揮する監督が屬する演出部。それとプロデューサー、予算を管理する方々が屬する製作部。アクションシーンを擔うアクション部。役者やスタッフを送迎する車両部等、沢山のスタッフとキャストの力によって1つのドラマ作品が創られております。全部で1000人くらい居るのかな。大人數ですな。
あとは特機部というのもあります。
↑これは先日の撮影で雨のシーンがあって雨を人工的に降らせる機械。(天気もいい感じに曇っていて丁度良い。まあ、このシーンの為にあえて天気の悪い日を選んだのだろうけど。)
ここまで撮影組の各部門についてお話ししましたが、僕が以前撮影の仕事で攜わった部門は演者部以外だと演出部、製作部、アクション部、撮影部のみです。
僕は6年前に初めて日本で自主長編映畫を製作しましたが、その時に如何にカメラや音聲や照明、衣裝や美術の大切さを思い知らされましたね。
結果的にはとんでもない駄作が出來てしまったんですが、スタッフと役者の両方を経験しているから皆んなの苦労が僕には痛いほど解ります。(大変なんですよ、皆んなそれぞれ。)
↑こちらはロケ弁當を食べるスタッフの方々。(皆んなちゃんと距離をとって食事してます。そこは徹底しないとですな。)
↓こちらは先日の撮影現場の前に派遣された涼皮の屋臺。
ロケ弁當に飽きたらこういう屋臺で飯を食うのもアリ。(だがこの時の俺は油斷していた。これを食べてから直ぐにお腹を下してしまった。。。うー、腹痛~~。ゴロゴロ。トイレへダッシュ!)
とりあえず橫店でのドラマ撮影は毎日こんな感じで順調に進んでおります。
↑浙江省橫店スタジオにて。昔の上海の街がしっかり再現されとる。
今回の僕の撮影日記はここまでとしておきます。
今、世界中が新型コロナウイルスで大変なことになっております。
現在の外出自粛の中にあって感染のリスクと闘いながら醫療活動に関わっている皆さん。
それから生活必需品を扱っている現場の生産者の皆さん、それらを毎日我々の元へ運んでくださっている配送業の皆さん、不安な中ビニールカーテン越しに時には苛立ち紛れの客の罵聲に耐えて仕事を続けておられる店頭販売員の皆さん、救急、保健所、介護施設、警察、検疫所の方々、こんな狀況下で人知れず黙々とお仕事をこなしている全國のすべての皆さん、誠にありがとうございます。僕はただ御禮を申し上げることしか出來ませんけども、この日記を通じて僕の思いが少しでも屆くことを願っております。
また不幸にしてウイルスに犯され病気と闘っておられる皆さん、病院やホテルなどで不自由な生活をなさっておられる皆さん、心よりお見舞い申し上げます。
それでは今日はこの辺で。See Yaa!
ヤスの中國ドラマ撮影日記 No.2
ヤスの中國ドラマ撮影日記
ヤスの北京隔離生活日記 23日目【最終回】