中國人観光客が日本を訪れて買うものと言えば、少し前までは「溫水洗浄便座」だった。だが、その多くが「メイドインチャイナ」であるという事実が発覚すると、今度は、日本で「神薬」を買うというブームがひっそりと沸き起こった。
「日本に行くなら、常備薬を買わない手はない」「日本に行くなら絶対に『神薬』を買うべし」といった書き込みが、このところ、ネット上に満ち溢れている。なぜこのような現象が起こったのだろうか?日本に駐在する人民日報記者・劉軍國氏は、次の通り指摘した。
7月1日、日本の小林製薬の製品の一部が中國のネットメディアで紹介され、「日本に行くなら常備薬を買って帰るべし」と呼びかけられた。ここで注意すべきは、日本の製薬メーカーが紹介したのはあくまでも「常備薬」であり、いわゆる「神薬」は、中國國內の一部ウェブサイトによる大げさな物言いであることだ。中國人が日本で買う常備薬ベスト3は、小児薬(熱冷卻シート、咳止めシロップ、蟲よけクリームなど)、保健薬品(美白・ダイエット薬、體力増強剤、消化促進薬など)、中國では未発売の新タイプの薬品(角質軟化クリーム、液體ばんそうこうなど)。
では、溫水洗浄便座と日本の常備薬「神薬」以外に、中國人観光客が海外旅行で「爆買い」する製品には、一體どんなものがあるのか見てみよう。
〇ぜいたく品
各國現地の観光協會の統計データによると、1回の渡航につき中國人観光客が現地で消費する金額は、米國旅行が約6千ドル(約74萬円)、英國旅行が約1600英ポンド(約30萬円)、ドイツ旅行が2500ユーロ(約34萬円)と、その他の國の3倍以上に相當する。このお金で、彼らは何を買うのだろうか?ぜいたく品は、依然、中國人観光客が先進國を旅行する際の一大目的だ。
英國で有名なアウトレット・ビスタービレッジにある國際的大型ブランドのアウトレット店を訪れる買い物客の半數以上は、黒い髪と黃色い肌の中國人という。ロンドン郊外にあるこのアウトレットは、今や、名実ともに「中國ビレッジ」となった。
フランス番禺富善社(AssociationAmicale Franco-Chinoise de Pan-yu)の方顕秋社長は、「フランスを訪れる中國人観光客の一部は、『土豪(田舎っぽい金持ち)』の雰囲気を醸し出している。これまでに多くの団體に付き添ってショッピングをしたが、ある団體では、1人平均5萬ユーロ(約680萬円)を使っていた。中には、10萬ユーロ(約1360萬円)以上を買い物に費やす人もいた」と話した。
〇洗眼薬
4千人以上の中國人観光客を乗せたクルーズ船は、上海、福岡を経て、韓國釜山(プサン)を訪れる予定だった。だが、韓國でMERS(中東呼吸器症候群)が流行したため、行程変更を餘儀なくされ、鳥取県の港に臨時寄港、県西部にある日吉津村を観光した。
日吉津村の人口はわずか3455人、やってきた中國人より少ない。過去に同村を訪れたツアーはせいぜい200人あまりだったが、村をあげて中國人観光客を歓迎した。到著後、現地の店の商品は彼らに全て買い佔められたという。多くの人が、洗眼薬、雪肌精(化粧水)、マグボトルなどを「爆買い」した。
〇電気炊飯器
韓國仁川(インチョン)空港航空運営委員會(AOC)は5月、空港の大型免稅店各社に文書を発送した。文書には、「中國人観光客が免稅店での買い物に夢中になり、搭乗時間に遅れ、そのために出発時刻も遅れるケースが多発している。免稅店各店が、節度を持って中國人観光客に対する商品販売を行ってくれるよう望む」と書かれていた。
中國人観光客は、韓國の空港免稅店で、電気炊飯器やジューサーなどの大型免稅商品を買うことが多い。乗客1人が攜帯できる手荷物の個數、重さ、大きさの條件を上回った時、持ち込みはできなくなり、搭乗前に手荷物超過料金を支払い、貨物として預けなければならない。この手続きにある程度の時間がかかるため、フライトの出発遅延につながる。
関係者は、「空港免稅店は、少しでも売上を増やそうと、大量の免稅商品を中國人観光客に薦めている」と証言している。
〇不動産
中國人の海外不動産購入ブームが再び起きている。かつてオーストラリアのシドニー、カナダのバンクーバー、米國の不動産価格上昇をもたらした中國人の不動産購入熱が、円安や五輪開催といった材料を踏まえ、今や日本に向かっており、日本の不動産価格を上昇させている。
報道によると、これまでシドニー、バンクーバー、米國を席巻した中國人の不動産購入熱が今では日本に広がり、中國の不動産購入希望者を満載した大型バスが、1臺また1臺と日本各地にやって來て、その土地の不動産価格を上昇させている。
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