スポーツで足を酷使した後、あるいは寢ている時などに、突然「足がつる」という経験をしたことがある人はいませんか? 中には、普段から足がつりやすくて悩んでいる人もいるかもしれません。「筋肉のけいれん」は、いったいどのような原因で起こるのでしょうか?
當院の古川裕三先生に原因や予防法などを聞いてみました。
足がつることが最も多く起こる部位は、ふくらはぎにある「腓腹筋(ひふくきん)」です。ふくらはぎは「こむら(腓)」ともいうため、俗稱「こむら返り」とも呼ばれます。正式な醫學用語では、「腓腹筋けいれん」といいます。この一時的な筋肉のけいれんは、ふくらはぎのほか、太ももや足指、全身でも起こることがあります。
その原因ははっきりと特定されていませんが、筋肉の使い過ぎと大きな関係があるといわれています。長時間の激しい運動で局所の筋肉を酷使すると、筋肉への栄養の供給が需要に追いつかなくなり、けいれんが生じると考えられます。一般の健康な人でも、一日じゅう立ち仕事をして足が疲労したりしても起こることも考えられます。
また、電解質の異常も一つの原因と考えられています。運動中は、発汗にともなって水分や、筋肉や神経の動きを調整する電解質が失われます。その電解質のバランスが亂れると、筋肉のけいれんが起こるのです。
寒い冬の朝につりやすい原因は「冷え」が大きく関係しています。冷えて、このふくらはぎの筋肉が凝り固まってしまうと、「血流が滯るための血行不良」を引き起こしやすくなり、足がつる原因になります。
腓腹筋のけいれんは、運動と関わりのない安靜時にも起こります。就寢中によく足がつるために、睡眠障害となることもあります。特に中高年になると、睡眠中によく「ふくらはぎのけいれん」が起きる、と悩んでいる人の割合が増加します。
睡眠時は、意外に汗をたくさんかくため、脫水傾向になりやすいといえます。さらに、身體をほとんど動かさないため、心拍數も減り血行が悪くなっています。そのため、睡眠中はふとした拍子に筋肉がけいれんしやすくなります。中高年以降は筋肉量が少なく血流が低下することから、若い人よりもよく足がつるのです。
腓腹筋けいれんが起きた場合の対処法としては、とにかく収縮した筋肉を伸展させることです。つま先を曲げて手前に引き寄せたり、立ったまま足を前後に広げてアキレス腱を伸ばすようにしたりして、縮こまっている腓腹筋を伸ばして10秒以上キープし、けいれんが治まるのを待ちます。筋肉の冷えや血液供給の低下があると、とくにつりやすくなるため、局所を溫めたり血流をよくするためのマッサージをしたりして筋肉を和らげると効果的です。
漢方薬は即効性がないイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが…
実は!漢方薬は「急激に起きる足のつり」に効果を発揮するんです!
足がつった時にすぐ服用できるのがベストですが、つってしまった後に服用しても効果が期待できるんですよ。
ここでは「足がつった時」に効果を発揮する、體質に合わせた漢方薬処方の一部をご紹介します。
ただし、上記の漢方薬は、個々人の細かい體質によっても、処方が変わってきますので、服用する場合は漢方醫師の処方薬を飲むようにしてください。
STEP① 痙攣が起きている部位の経絡を刺激し、血流を改善
STEP② 胃腸(陽明経)の経絡を刺激し、気血(栄養)の吸収を促進
STEP③ タイプ別に痙攣の原因を見つけ出し、経絡を調節
STEP④ 手や足のツボを刺激し、身體全體の血流改善を促す
足のつりが何度も続き、その都度、痛みが激しい場合には、漢方薬と針治療を同時に進めると、回復までの時間が短縮できることがあります。
運動前や睡眠前にはストレッチや準備運動をすることです。日ごろ使っていない筋肉ほど筋肉疲労が起こりやすく、けいれんのリスクが高くなるため、念入りにストレッチをしたほうがよいでしょう。また、運動中はしっかり休憩を取ることも忘れずに!
水分補給・電解質補給をしっかりとおこなうことが大切です。
普段から栄養バランスの良い食事と十分な水分の摂取をこころがけましょう。
足裡にはたくさんのツボがあります。ツボは溫めることでも刺激になるので、足元だけの足湯でもカラダ全體がポカポカしてくることでしょう。
ふんわりと包み込んでくれるレッグウォーマーで足首を冷えから守ります。
お休み前にスポーツドリンクなどを飲んで水分と栄養分を補給しましょう。水分は必要ですが、飲みすぎると逆にカラダを冷やしむくみや足のつりにつながります。できるだけ常溫か溫かいものを一口ずつゆっくり飲むようにしましょう。
足のつりを予防するためには、筋肉疲労に役立つタウリンやビタミンB1が含まれた食材や、カリウムを含んだ食材がおすすめです。
タウリンを多く含む食材
イカ、エビ、タコ、カキなど
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ビタミンB1を多く含む食材
うなぎ、豚肉、卵、豆類など
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カリウムを多く含む食材
バナナ、あんず、昆布、ひじきなど
また、酢・ブルーベリー・梅幹しなど酸味の強い食材は、漢方では筋肉の緊張を和らげる効果があるとされているので摂取するようにしましょう。また、クコの実・なつめ・赤身のお肉など赤い食材は、漢方では血を増やし、血流を良くして體を溫めるとされていますので、これらの食材も積極的に摂るようにすることをおすすめです。
今回、ご紹介した「足のけいれん治療」は、當院の古川先生が実施しています。
古川先生の診察は、虹梅路クリニックで夜20:00まで受けられます。土曜日も診察可能ですので、足のけいれんを何度も繰り返すときや、手足のしびれや歩行しづらさ、足のむくみなどの症狀があるときには、早めにクリニックを受診しましょう。
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