朗讀者: hiyorimi
BGM:Nature's Path
不思議ふしぎなこと、というのはなぜだか連鎖れんさする。鍵かぎをなくしたかと思おもったら財布さいふも落おとしてしまうように、高校こうこう野球やきゅうのヒットひっとが奇跡的きせきてきに連続れんぞくするように、トキワときわ荘そうに天才てんさい漫畫家まんがかたちが続々ぞくぞくと集あつまってきたように。
不可思議的是,不知為何總是接連發生。宛如剛弄丟鑰匙,又把錢包也弄丟了一樣;又像高中棒球比賽中連續打出好球一樣;又如天才漫畫家們陸續搬進到了常磐莊一樣。
そして僕ぼくは末期まっきガンがんになり、悪魔あくまが現あらわれ、この世界せかいから電話でんわと映畫えいがが消きえ……ついに愛貓あいびょうがしゃべりだした。
而我得了晚期癌症,接著惡魔出現了,然後電話和電影從這個世界上消失……終於我的愛貓也開口了。
「いつまで寢ねているで、ござるか」
これは夢ゆめだ。
「はやく起おきるで、ござるよ」
夢ゆめに違ちがいない。
「もういいかげん起おきるでござるよ!」
「你睡到什麼時候?」
這是夢。
「速速起床!」
一定是夢。
「還不起!」
いや、夢ゆめではない。しゃべっているのは紛まぎれもなくキャベツきゃべつである。しかもなぜだか時代劇じだいげき風ふうの口調くちょうでござる。いやいや移うつっている場合ばあいではない!これはいったいどういうことなのか?
不,這不是夢。正在說話的毫無疑問是捲心菜(貓名)。且不知為何用的是古裝劇的語氣。不不,不能被這語氣傳染。這究竟是怎麼回事?
「どういうことなのかって混亂こんらんしてるでしょ」
アロハあろはがにやにやしながら現あらわれた。今日きょうはスカイブルーすかいぶるーのアロハシャツあろはしゃつだ。また著替きがえてやがる。
「你肯定在想,到底是怎麼回事對吧?」
阿羅哈奸笑著出現了。今天是天藍色的夏威夷襯衫。這傢伙又換了衣服。
ぐるぐる巻まかれた七色なないろの大おおきな棒ぼう付つきアメあめや、カラフルからふるなインコいんこがあしらわれた絵柄えがらの派手はでなシャツしゃつ。目めがチカチカちかちかする。寢起ねおきで見みるには、ずいぶんと目めに優やさしくない配色はいしょくだ。
衣服上是七色迴旋波板糖配五彩鸚鵡的圖案,真是件花裡胡哨的襯衫。這衣服太晃眼了。這衣服的配色對剛睡醒的人來說簡直是不太友好。
僕ぼくはいらいらしながらアロハあろはに叫さけぶ。
「そらするでしょ!朝あさ起おきたら貓ねこが『ニャーにゃー』じゃなくて『ござる』なんだから!」
我心煩氣躁地對阿羅哈大吼。
「當然會這樣啊!早上起來發現貓的叫聲不是『喵』,而是『之乎者也』!」
「うまいこといいますねえ。いやね、これアタシあたしからのささやかなサービスさーびすです」
「サービスさーびす?」
「說到重點了呢!不過,這是我給你的一點小心意。」
「心意?」