昨年末、上海を訪れた日本の友人から食事の席で「中國の不思議なモバイルペイメントがどのようなものか実際に見せてほしい」と言われた。(文:孟莎美(インド)。瞭望東方周刊掲載)
この日本人はまったく信じられないといった表情で「中國人は現金なんて持たずに外出するんだって?」と言った。なぜなら日本人は日本が電子製品やソフトウェア開発で世界の最先端を走り続けていることを誇りにしているので、彼にはこのモバイルペインメントの件にかなりショックを受けたようだった。
そこで私は微信(Wechat)を開き、彼に支払いのページを見せた。支払いはその畫面からQRコードをスキャンするだけで、指定の銀行口座から支払金額が自動的に引き落とされる。スーパーで牛乳を買ったり、映畫館でのチケット購入、外出時のタクシー代の支払いなどあらゆるシーンで利用することができる。しかも微信はユーザー數世界一を誇るSNSで、1日あたりのアクティブユーザー數は約8億人。ちなみにフェイスブックの場合、1ヶ月あたりのアクティブユーザー數でようやく1億人を上回る規模となっている。
今回の件に彼は本當に衝撃を受けたようだった。食事を終えて家に戻ると、私の微信には早速彼からの「友達リクエスト」が來ていた。
これは2016年における最もクールな「中國製品」の一つといえよう。モバイルペイメントの驚異的な普及によって、「キャッシュレス社會」へと急速にその歩みを進めている。
「中國製品」についていえば、もう一つ、昨年爆発的にヒットしたものがある。自転車シェアリングアプリだ。
まるで一夜のうちに、オレンジ色と黃色の自転車によって、中國各都市の道路がほぼ全て埋め盡くされたかのようだった。コードをスキャンするだけで、モバイルペイメントで5角や1元が引き落とされ、自転車を使うことができる。ちまたでの評判も上々だ。
この変化はクールであるだけではなく、交通手段のターニングポイントという意味合いもある。中國人は數十年間、自家用車を追い求めたが、ついに「メンツ」をかなぐり捨て、実用的で環境にやさしい自転車での外出という方法を再び選んだのだ。
昨年一年を通じて私が個人的に最も気に入り、得るところが最も多かったのはなんといってもやはり奇跡の「デリバリーアプリ」と、風のごとく現れ、定刻通りに玄関のベルを鳴らす「デリバリースタッフ」たちだった。
料理のデリバリーサービスは間違いなく、世界で唯一無二の喜びをもたらす存在であり、歐米の友人たちに最も頻繁にその素晴らしさをアピールしたくなるサービスだ。スマホで注文すれば、小籠包から辣子鶏(ピリ辛チキン)、ピザ、フルーツ盛り合わせ、さらには火鍋セットまで、たとえそれが夜中であっても30分ほどで自宅まで屆けてくれるのだから!
もし私が將來的に中國を離れることがあったとしたら、料理を手渡しながら「どうぞ食事をお楽しみください!」と満面の笑顔で言ってくれる「デリバリースタッフ」を懐かく思うに違いない。
2017年という新たな年を迎え、今年は一體どんなクールで素敵な「中國製品」が我々の目の前に現れるだろうか?
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