上記の症狀のうち、2つ以上が當てはまる場合、その頭痛は「片頭痛」であると考えられます。
たかが頭痛と侮ってはいけません。少しの痛みでも生活に支障をきたす場合もあるので、できるだけ早く改善しましょう。
痛みの原因は様々。痛みによって予防法や対処法が大きく異なるため、一歩間違えればかえって痛みが悪化するなど、逆効果になりかねません。
そこで今回は、身近な「片頭痛(へんずつう)」と「緊張型頭痛」を例に、頭痛の原因別予防法・対処法について學びましょう。
片頭痛 … 脈打つように痛み、吐き気も伴う
緊張型頭痛 … 頭全體が締め付けられるように痛い
片頭痛… 脳の血管が拡がって痛む
緊張型頭痛 … 頭の周りの筋肉が緊張して痛む
頭痛はその種類によってメカニズムも治療方法も全く異なります。
片頭痛は頭の片側がズキズキと脈打つように痛み、吐き気や嘔吐を伴います。光や音に過敏に反応し、月に2~4回起きます。痛みは相當つらいですが、おさまるとケロッとしています。頭の中の血管が拡張し、その周囲に炎症が広がることが痛みの原因です。
緊張型頭痛は頭の重さや圧迫感、締め付け感があり、肩や首がこるのが特徴で、ほとんど毎日続きます。不自然な姿勢で長時間デスクワークをするとか、人間関係などの精神的ストレスで血管が収縮して血行が悪くなり、筋肉に疲労物質や痛み物質がたまることが原因で起きます。
このように血管が拡張する片頭痛と、収縮する緊張型頭痛では痛みのメカニズムが正反対です。その區別は重要で、頭痛が起きている時に身體を動かしてみると分かります。
片頭痛は身體を動かしたりマッサージしたりすると痛みがひどくなりますが、緊張型頭痛は逆に軽い運動や散歩をしたほうが血行がよくなり、症狀が緩和します。
セロトニンは身體のリズムを正常にコントロールする機能を持っています。これが減ると、CGRPという血管拡張物質を放出します。これによって血管が拡張すると、痛みを引き起こします。
1週間がんばって働いた人が、週末に寢すぎや二度寢などでリラックスしすぎると片頭痛が起きることがよくあります。これは脳がセロトニンを出す必要がなくなったと判斷し、量を減らしたために起きるのです。
ですから週末は単にリラックスするだけでなく、リフレッシュするような活動をするほうが片頭痛の予防には効果的です。
また、片頭痛の治療と言うと、薬をあれこれ飲みたがる患者さんが多いと感じます。
しかしそうではなく、まず、片頭痛は心身のリズムの変化で起きていることを知ってもらいたいと思います。
メカニズム研究の面でも、片頭痛で重要な役割を果たすのは心身のリズムをコントロールするセロトニンだと分かっています。ですから、心身のリズムを安定させるという點がとても重要です。
「緊張性頭痛」や「片頭痛」は西洋醫學の診斷名ですが、中醫學での場合にも「弁証論治」という中醫學特有の診斷、體質分類の方法を使います。
身體なかに流れるエネルギーを「気」と「血」に分類し、このエネルギーが多く流れている狀態を「実証」、少なく流れている狀態を「虛証」に分けられるのですが、このどちらも「頭痛」の症狀が現れます。
このように漢方では、症狀をタイプ別に分けながら、「気」と「血」を調節し、頭痛を治療していきます。
會社で重要な決斷をしなければいけない責任のある方になりやすく、感情のコントロールが上手くできない狀態になり、ズキズキと脈を打つような頭痛が特徴です。
肝の陽気を鎮める生薬と、睡眠時間が短いと症狀は悪くなるので、睡眠の質を高める漢方を中心に処方していきます。
恐がりで心配性の人が多く、頭痛とともに腰や膝に痛みが伴うことがあります。疲労が蓄積した時や運動をすると症狀が悪化しやすく、比較的、高齢の方に多くみられる傾向があります。
腎の気を補い、陰と陽のバランスを調節する生薬の処方をします。
炭水化物や菓子パンやデザートを好む人に多く、疲れやすく気力がない、頭が重く鈍い頭痛が現れるのが特徴です。また、遅延型食物アレルギーの人もこのタイプが多い傾向があります。
痰濁(老廃物)を大腸と膀胱から排洩させる生薬の処方をします。
タバコやお酒などの嗜好品を好む人になりやすく、ストレスを抱える神経質な人や冷え性の人に多く診られる頭痛で、針を刺すような痛みが特徴です。
活血の生薬に加えて、瘀血の原因となる冷えや、ストレスを調節する生薬の処方をします。
先に分類したタイプ別に「経絡やツボ」を調節することにより、「頭痛」の発症しない體質に改善していきます。不思議に思うかもしれませんが、頭痛とは一見関係なさそうな手や足のツボに針を打つことがあります。これも経絡に沿って身體の反応點から「頭痛」を軽減させる治療法の一つです。
片頭痛や緊張性頭痛の治療に、「針」や「推拿治療」は非常に効果が期待されます。続く痛みに苦しんでいる方にお勧めしたい治療法です。
親指と人差し指の骨が交差する場所の、人差し指側を押します。
目の真上で、髪の生え際から1cmほど上にいったところを押します。
足の甲側で、小指と薬指の付け根の間を、足首方面に2~3cm上がったところを押します。
頭痛の症狀をうまく表現し、先生に伝えるのは難しいものです。適切な治療を受けるために、受診の際は下記のような「受診メモ」を用意して、症狀などを整理していくとよいでしょう。
①最初の頭痛はいつごろから始まったか
(痛む場所、痛み方、前兆や隨伴症狀の有無、それ以降の頭痛の頻度について)
②現在の頭痛について(痛む場所、痛み方、前兆や隨伴症狀の有無、頻度など)
③頭痛のとき、溫めるのと冷やすのとではどちらが楽になるか
④頭痛の最中に頭や身體を動かすとひどくなるか
⑤頭痛の最中に光や音、においなどを不快に感じるか
⑥家族や身近な親類に頭痛もちの人がいるか
今回、ご紹介した「頭痛対策」は、當院の古川先生と蘆田先生が実施しています。
古川先生と蘆田先生の診察は、虹梅路クリニックと黃浦クリニックで、夜20:00まで受けられます。土曜日も診察可能ですので、慢性的な頭痛で悩んでいる方は、この機會にぜひ、お問い合わせください。
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保険適用についてのご質問や、治療時間はどのくらいかかるの?どの先生に診ても らえばいい?など、なんでもご質問ください!
こういう時なので、日本で使い慣れた薬が手に入らず不安になることがあります。日常的に漢方を服用して、根本から體調を整えることってすごく大事なんだなと感じる次第。急激な症狀を引き起こしてしまう可能性を少しでも減らしていきたい…ということで漢方活動(漢活)続けます!