朗讀者: hiyorimi
BGM:Nature's Path
家いえに帰かえるとアロハがニコニコしながら待まっていた。そしてウィンクをして(といってもやはり両目りょうめをつぶっているのだが)、映畫えいがを消けした。
回到家時,阿羅哈笑眯眯地等在家裡,向我使了一個眼色(這次還是兩隻眼睛都閉了起來),然後讓電影消失了。
アロハが映畫えいがを消けすそのときに、僕ぼくは母かあさんのことを思おもい出だしていた。いや母かあさんというよりは、母かあさんが好すきだったイタリア映畫えいがのことを。
『道みち』という古ふるいイタリア映畫えいがだ。
阿羅哈讓電影消失時,我想起了老媽。不,其實並不是想起老媽,而是想起她喜歡的一部義大利電影。那部很久以前的義大利電影,名叫《大路》(La strada)。
ザンパノという粗野そやな旅芸人たびげいにんと、その男おとこに買かわれて共ともに旅たびする気弱きよわなジェルソミーナという女おんなの子この物語ものがたりだった。
那是粗俗的賣藝人贊巴諾,和他花錢買的女跟班、體弱的傑索米納之間的故事。
ザンパノはジェルソミーナのことを大切たいせつに想おもいながらも、うまく接せっすることができず、ひどい仕打しうちを続つづける。それでもジェルソミーナは獻身的けんしんてきにザンパノに盡つくすのだが、ザンパノは體からだが弱よわってしまったジェルソミーナを捨すててしまう。
贊巴諾雖然覺得傑索米納很重要,卻不知道該怎麼和她相處,對她的態度很惡劣,傑索米納仍然無私地為贊巴諾奉獻。但是,當傑索米納更加體弱多病後,贊巴諾就遺棄了她。
數すう年ねん後ご、海辺うみべの街まちにたどりついたザンパノは、そこでかつてジェルソミーナが歌うたっていたメロディーを口くちずさむ女おんなに出會であう。そこで彼かれはジェルソミーナが死しんだことを知しる。ジェルソミーナは死しんだ。
幾年後,贊巴諾來到一個海邊城市,聽到一個女人正在唱以前傑索米納經常唱的歌。他從那個女人口中得知,傑索米納已經死了。
でも彼女かのじょの歌うたが殘のこった。ザンパノは彼女かのじょの歌うたを聴きくことで、彼女かのじょを愛あいしていたことに気付きづく。そして海辺うみべで彼かれは泣なく。泣ないても彼女かのじょは戻もどらない。彼女かのじょのことを愛あいしていた。なのに大切たいせつにすることができなかった。
但是,她的歌留了下來。贊巴諾聽著她的歌,終於發現自己愛上了她。於是,他在海邊哭泣,只是無論再怎麼哭,傑索米納都無法再回來了。他雖然愛她,卻無法珍惜她。